★新任の先生のためのコラムです。3人のベテラン教師が、同じテーマについて語ります。
こんなことを聞いてもいいのかしら。聞いてみたいけれど、職員室では聞きにくい。面と向かっては、どうも恥ずかしい。・・・こうした新任の先生方の気持ちを察したテーマが並びます。
【第2回】子どもたちと初めての出会い! 着任式での挨拶の心得
和田裕枝先生からの助言
全校でのあいさつは、まずは名前を覚えてもらえるようにわかりやすく挨拶しましょう。
松坂陽子ならば、野球の松坂選手と同じ名字ですが、実はサッカーの方が大好きで …など
小さな学校ならば、小道具などをもっていって名前を見せるのもいいでしょう。
学級でのあいさつは、
子どもの顔を見ながらにこにこと笑顔で挨拶しましょう。
新任の先生のことを少しでも知りたくて目を皿のようにして見つめているはずです。
笑顔で一人一人と目を合わせるようにして話しましょう。にこにこしていると温かさが伝わります。
その中で、どうしても伝えたいことを3つ明確に話します。
・いじめは絶対にいけません。いじめられたら先生が全力でみんなを守ります。
・失敗しても間違えても先生は怒りません。でも、失敗したのに隠したり、人のせいにしたりしてはいけません。 …など
そして その日の最後には一人ずつ教室の出口で握手をお忘れなく。
●和田 裕枝(わだ・ひろえ)先生/愛知県豊田加茂教育事務所指導主事。愛知教育大学の志水廣教授に800人見た中で一番授業がうまい人!と言わせた高い授業力の持ち主。特に、子ども把握力に優れ、授業では、その子のよさを活かす様々な授業技術を駆使する。和田さんの授業力を盗みたいという全国の教師は多数。
蜂須賀渉先生からの助言
子どもたちに対しての「第一印象をよくする」ことがポイントです。まず、「元気のよさ」「若さ」を表現することです。
具体的には、「声の大きさ」「笑顔」「はつらつとした口調」です。「早口」にならないように注意してください。子どもたちを見渡しながら、自信をもって語りかけることです。「信頼できる先生」であることをPRしましょう。
次に、「謙虚さ」も示してください。
その学校の細かいルールについては、子どもたちのほうがよく知っています。子どもたちから学校の伝統を学ぼうとする姿勢も示すことです。子どもたちから教えてもらうことで、子どもたちと仲良くなれます。教師と子どもとのズレが埋まります。
そして、声に出して練習してください。事前に、同僚の先生に聞いてもらいましょう。
●蜂須賀 渉(はちすか・わたる)先生/昭和57年、教員生活スタート。算数・数学専攻。愛知県公立小学校6年、公立中学校7年。平成7年より、奈良女子大学附属小学校で、小学1年から小学6年までを連続して持ち上がり指導にあたる。その後、再び、愛知県公立小学校2年、公立中学校2年。平成17年より、愛知県西三河教育事務所指導主事。平成20年より、愛知教育大学教職実践講座准教授。子ども自ら学習を進める「奈良の学習法」に憧れている。奈良の世界遺産を散策するのも趣味のひとつ。
玉置崇先生からの助言
私は自分の名前「崇」を習字紙に書いて見せました。そして次のように話しました。
「この名前は、すごい名前です。なぜなら、この字は、こうして裏向けても、表から見ているのと同じように見えるでしょ。裏表のない人間に育って欲しいという両親の願いがこの字に込められているのです。(少し間をあけて)でも、考えてみたら、この字でなくても、他にもいっぱい表から見ても、裏から見ても、同じように見える漢字があることに気づいたのです」 子どもたちはかなりの率で、名前を覚えてくれたようです。ちょっとした物を使った短い自己紹介は、子どもたちに受けがいいようです。 |
●玉置 崇(たまおき・たかし)先生/昭和54年、教員生活スタート。小学校教諭3年、中学校教諭16年、教頭6年、校長3年、平成19年度より愛知県教育委員会義務教育課指導主事。専門は数学。大学時代には落語研究会に所属。今でも高座に上がりご機嫌をうかがっている。「やってみなきゃ分からない」をモットーに、「思いついたら、すぐ動き出す」ところもあって、失敗は数知れず。そのくせ、ちょっとしたミスで、いつまでもくよくよ悩むタイプ。眠れぬ夜も多い。
*玉置先生のホームページへはこちらからどうぞ。
(2008年4月7日)