愛される学校づくり研究会

★ベテランの先生方によるリレー方式のコラムです。校長、教頭、教務主任、校務主任などを経験された先生方に学校経営上のちょっとしたアイデアを紹介していただきます。今回は…

【第10回】鈴木 正則 先生

《知恵20》 難しい依頼や相談は朝のうちにきりだす

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難しい事項の依頼や相談の場合、時間をとって相手とゆっくりと話し合いたいと思うあまり、ついつい切り出せず夕方になってしまうことがある。夕方は、お互いに仕事におわれてなかなか時間があわず次の日に持ち越し、ということになったりする。そうすると、問題の解決が先延ばしになってしまう。

 難しい依頼や相談こそ朝のうちに相手に切り出しておくようにしたい。切り出し方は、「相談があるから夕方、時間をつくってくれないか」では、相手は夕方まで、何の相談なんだろうと不安になる。そこで、「来年度に取り組む○○について、△△という状況にある。その対応について相談したい」と相談を切り出す。相談の時間がすぐにとれない場合は、「夕方時間をつくってくれないか」と依頼する。切り出すときには、問題の状況を相手に伝えておき、相手がその状況をふまえて考えることができるようにする。夕方の話し合いで、相手が問題解決のために情報を収集してきたり、解決のための方策を考えてきたりしたら、やる気や主体性を大いに称賛したい、また、そういう姿勢を育てていきたい。
 

《知恵21》 行事がおわった直後に次年度の計画づくりに着手

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行事が終わったら、担当者が関係者にアンケートを実施して、反省点をまとめて次年度に申し送る、ということはよく行われる。しかし、担当者はアンケートが回収されるまでの期間に、行事終了後に思った「次年度はこうしたほうがいい」とい気持ちが冷めて「次年度考えればいいや」と思ってしまうことがある。

 行事をおえた直後に担当者が抱いた改善の意欲を次年度に即結びつけたい。関係者も行事を終えた直後に本音の反省がでる。そこで、行事終了後すぐに、修正点や注意点、次年度の方向性など、次年度のラフ案を書き留めておくようにする。本年度の計画に朱書きで修正を加えたり、次年度の取組のアイデアや方向性を書き加えたりする程度でよい。ラフ案をつくる際に、担当者が関係者と直接やりとりをしながら、つくるようにすると効果がある。担当者と関係者とのコミュニケーションから改善のヒントがでたり、次年度に向けての共通理解が図れたりする。また、コミュニケーションをとることで、次への意欲化が図れる。つくったラフ案は担当者だけが保管するのではなく、提出させる。次年度の計画案を決裁する際の資料することで改善が確かになる。

(2008年6月30日)

知恵袋

●鈴木正則
(すずき・まさのり)

愛知教育大学大学院で数学教育専攻、複式学級の指導を皮切りに、小学校10年間、中学校8年間勤務し、多彩な教職経験をもっている。平成16年度から豊田市教育委員会指導主事。愛知教育大学志水廣教授と算数数学教育について、教育図書や論文(日数教学会誌)を共同執筆、自主研修会を開催している。持ち前の明るさとバイタリティをいつまでも持ち続けることが私のモットー。