★ベテランの先生方によるリレー方式のコラムです。校長、教頭、教務主任、校務主任などを経験された先生方に学校経営上のちょっとしたアイデアを紹介していただきます。今回は…
【第3回】今飯田 寛 先生
《知恵4》 若い教師と指導案作り、教材作り、そして教室清掃 |
若い教師に力をつけてもらいたい。このような思いから、若い教師と一部有志の教師でメンバーを組み、その中の一人が授業実践し、職員全員で研究協議を行うことにした。教科・単元名を決めることからはじめ、それぞれが仮想指導案を持ち寄り、知恵を出し合い、勤務時間終了後、何度も、何度も話し合いをもった。
話し合いを進めていく中で、「具体物の提示が必要だ」という意見が出て、平安時代や鎌倉時代の食事を再現することになり、食器を買いに行き、それに色を塗ったり、家庭科室で資料を見て、試行錯誤しながら食事を作ったりした。公開授業の前夜は、全員で授業者の教室を遅くまで掃除もした。
このような活動を繰り返すことによって、若い教師の授業に対する意識を変えさせることができた。職場の雰囲気を変えるきっかけにもなった。また、若い教師の授業に対する前向きな気持ちは、ベテラン教師の「もう一度初心に返って、がんばろう」という気持ちを喚起した。学校の一体感を増すために有効な試みだ。
《知恵5》 若い教師、全員集合! 一致団結 |
若い教師に力をつけてもらいたい。このような思いから「若い教師、全員集合!」という取組をした。若い教師を、定期的に集め、自分の校務分掌上の活動状況や困っている点などを話し合う機会をもった。
例えば、放送を担当している教師が、「もっと放送内容を充実したものにしたいが、なかなかアイディアがない」と言えば、皆で知恵を出し合った。時には、次回までの宿題として、同じ課題について全員が考えてくることもした。また、体育部担当の教師から、運動会練習用のライン引きの協力依頼があったときには、当番表を作って、みんなでラインを引いたりした。
このような活動を通して、互いに絆を深めることができたばかりではなく、協力の必要性や大切さに気づかせることができた。また、若い職員のがんばりが、職員全体の意識を変え、一緒に活動する教師が出てくるなど、職場は、大いに活性化した。
一方で、「若い教師、全員集合!」の機会をとらえ、若い教師の心の状況を掴むこともできた。「少し元気がないなあ」と感じた教師には、声をかけることもできた。このような地道な取組は、行事等の教育活動をスムーズにし、学校を活性化するきっかけともなった。
(2008年3月10日)