教職員の定数改善及び少人数学級の実現に関する要望書
現在、全国の公立学校では、新学習指導要領を踏まえ、高い水準の豊かな教育の実現に取り組んでいるところです。しかし、学校教育を担う教職員への期待が高まる一方で、平成十八年度に制定された行政改革推進法や「骨太の方針二〇〇六」等により、個々の教職員にかかる負担は非常に大きくなっており、きめ細かな教育の実現が困難となってきています。
われわれ教育関係二十三団体は、教職員を削減してきたこれまでの方針を転換し、今こそ教職員の質と数を充実することが不可欠であると考えます。
まず、教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、新学習指導要領を円滑に実施するため、教職員定数の改善を図ることなどが喫緊の課題です。
その上で、多様化・複雑化する教育課題へのよりきめ細かな対応を支援するため、少人数学級実現に向けた教職員定数改善計画の策定が必要です。
さらに、教員に優れた人材を確保し、教員がいきいきとやりがいを持って職務に取り組むことができるようにすることが重要です。
これらの教育条件整備を支える義務教育費国庫負担制度を堅持・拡充することは、教育の機会均等とその水準の維持向上を図るために、国が果たさなければならない大きな責任の一つです。
以上を踏まえ、次の事項の実現を強く要望します。
- 教員が子ども一人一人に向き合う時間を拡充し、新学習指導要領を円滑に実施するため、平成二十二年度予算において、教職員定数の大幅な改善など人的措置・財政措置を行うこと
- 多くの保護者の願いである少人数学級を実現するため、次期教職員定数改善計画の策定に直ちに着手すること
- 意欲と情熱を持って教育に取り組む優れた教員を確保するため、人材確保法を堅持し、勤務実態を踏まえた教員の処遇改善に努めること
- 教育の機会均等とその水準の維持向上を図るため、その根幹となる義務教育費国庫負担制度を堅持・拡充すること
平成二十一(二〇〇九)年九月
殿
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