PLANEXUSの「学校力アップシリーズ(1)」
大西流・授業の見方 ―授業を見る目を高めるノウハウ25
最近学校現場では若い先生が急速に増えています。若い先生を育てるという意味でも、授業研究が盛んになってきているように感じます。そのせいでしょうか、「授業の見方がわからない。何を、どこを見ればよいのか?」といった質問をよく受けます。先生方にとってはあまりにも身近なもののために、授業研究で改めて授業を見るとはどういうことかと考えると悩んでしまわれるようです。
私は授業を見る基本は「子どもたちを見る」ことに尽きると思っています。教師がどれだけ素晴らしく見える授業をしても、子どもに力がつかなければ意味はありません。見せかけのパフォーマンスではなく、子どもがどのように育っているかを見ることが一番大切なのです。
本書では、私が学校現場で出会ったたくさんの先生と子どもたちから学んだ「授業」に関することを、いろいろな視点で書いています。授業をするとき、見るとき、指導するときに、そう言えばこんな視点もあったなと思い出していただければ幸いです。 (はじめにより)
もくじ
- 1.授業の「底力」を見る
- (1)教師力の基本
- (2)授業の中でこそ生徒指導だ
- (3)しっとりとした授業とは何か
- (4)ベテラン教師が変容するための原動力
- (5)経験を生かす教師とは?
- (6)授業力を高める学校経営見聞録(1)
- (7)授業力を高める学校経営見聞録(2)
- 2.授業の「想い」を見る
- (8)大西流指導案の見方
- (9)指導案へのメモを知りたい
- (10)新任教師の初の研究授業を見るとき
- (11)教材研究の深さが見えた授業
- 3.授業の「幹」を見る
- (12)「これは数学の授業ではない」とつぶやくとき
- (13)大西流・小学校外国語活動の見方
- (14)総合的な学習の時間の本質
- (15)大西流・道徳の授業の見方
- (16)グループ活動の見極め方(1)
- (17)グループ活動の見極め方(2)
- (18)グループ活動の見極め方(3)
- (19)コンピュータを活用した授業についての知見を聞く
- 4.授業の「技」を見る
- (20)学習に向かう学級の姿勢
- (21)子どもが集中力を高める授業
- (22)「優れた発問」とは何か
- (23)大西流・板書の価値付け
- (24)教科書を上手に使う教師
- (25)教師の動きを見るべきとき
著者紹介
- 大西 貞憲(おおにし さだのり)
- 1955年大阪にて生まれる。東京大学卒業後、愛知県公立中学校・高等学校教諭として約10年間教壇に立つ。その後約11年間、ベネッセコーポレーションにて教育ソフト開発と活用研究を行う。2000年より小中高等学校のアドバイザーとして活動する。学校教育現場で、授業評価・改善、管理職のための学校の活性化、学校のICT 活用、保護者向けの子育てへのアドバイス等、指導・講演を年50回以上おこなう。現場に出掛けてのアドバイスは「明日からの元気が出る」との定評がある。現在、有限会社フォー・ネクスト代表取締役、NPO法人元気な学校を支援し創る会理事。
- ●主な著作 「正門からどうぞ−学校をひらく」(共著)、「情報化時代の学校変革力」「すぐにできる評価アイデア」「響け心に(小牧の学校教育1)」「学べともに(小牧の学校教育2)」(以上編書)
- 玉置 崇(たまおき たかし)
- 1956年愛知にて生まれる。愛知教育大学卒業後、愛知県公立小中学校教諭、愛知教育大学附属名古屋中学校教官、小牧市立小牧中学校教頭、小牧市立光ヶ丘中学校長、愛知県教育委員会指導主事、主査を経て、現在、愛知県教育委員会海部教育事務所長。日本数学教育学会全国大会(愛知大会)で師範授業を行ったことをはじめ、依頼を受けて、各地で数学や道徳の飛び込み授業や講演なども行っている。また、ICTを活用した授業や学校経営においても実績があり、文部科学省発行の「教育の情報化に関する手引」(2009年3月)の執筆を行った。また2010年4月より、文部科学省「学校教育の情報化に関する懇談会」委員に就任している。
- ●主な著作 「情報化時代の学校変革力(高陵社書店)」「できる教師のデジタル仕事術(時事通信社)」「数学大好き(明治図書)」「数学の授業を感動の連続に(明治図書)」「正門からどうぞー学校をひらく(フォー・ネクスト)」(いずれも共著)など、多数あり