第7回は赤坂真二先生です。対面で行います。開催日時は、2月10日(土)午前10時〜12時です。よろしくお願いします。

佐藤暁先生セミナー2

〈視線が向かわない領域〉
『青い鳥』を解釈学、系譜学、考古学的な視点で考える。
解釈学
「解釈学は、鳥がもともと青かったという前提で再編された記憶と一体化した、チルチルとミチルのサクセスストーリーを作り出しています。」(障がいのある子の保育・教育のための実践障がい学より)
今が幸せだと過去の出来事も幸せであり、幸せなストーリーができる。逆に今が不幸せだと過去も不幸せになる。今が幸せか不幸せによって、過去にあったことも幸せか不幸せか反転してしまう。
教育に結びつけて考えると
元気に登校⇒子育ては間違ってなかった
不登校⇒甘やかしてはいけなかった
今の捉え方が過去にも繋がってくる。

画像1

佐藤暁先生セミナー3

系譜学
チルチルとミチルは、鳥が青かったと信じているが、じつはそうではなかったかもしれない。(本当は幸せを感じていなかったかもしれない)思い込んでいるだけかもしれない。
私たちにおいてもそうである。自分に合っていると思っている仕事が本当に合っているとは限らない。意外と自分が見えていないのかもしれない。
今、青く見えているのは、もともと青かったのか、途中で変わったのか
⇒系譜学の視点
もともと青かったことにしてしまおう⇒人間の心理、視点
実際にあったのか探求するのが系譜学

佐藤暁先生セミナー4

考古学的な視点
理解と支配は紙一重、自分の視線から他者を見るときに、自分の都合のいいように見ていないか。自分の都合のいいように理解してしまうとそれは支配になる。相手が望むような理解をしていく必要がある。
過去⇒現在とは無関係に過去
他者⇒自分とは無関係な他者
無関係が大切。意識しないといけない。自分と無関係に存在するのが子ども。
「鳥はある時点でもともと青かったことにされたとはいえ、ほんとうはもともと青くなかった、などとはいえない。もともとというなら、鳥は青くも青くなくもなかった。そんな観点はもともとなかったのだ。そういうことを問題にする観点そのものがなかった。」(障がいのある子の保育・教育のための実践障がい学より)
子どもは自己肯定感がある・ないは、気にしていなかった。そんなことを問題にする観点はなかったのに大人が言うから気にし始める。

自分が変わるには環境を変えるしかない。学びとは別の環境で行うことである。「そうだったのか」と思いもよらぬショックで人生が変わることこそが学びである。そのために私たちが枠を超えないと子ども達に経験させてあげられない。

視線が向かわない領域は、自分が変わらないと見えてこない。私たちが変われば、困り感の向こうに気付けるのではないか。
画像1

佐藤暁先生セミナー5

音の連なりと「過去把持」「未来予持」
「トントントン」という音を私たちはどのように受け取っているのだろうか。
一回目の音が耳に残る。二回目の音を聞き、「前と同じかな」と思う。もう一回なると、「さっきからなんだ」と思う。
一回だけなら空耳、もう一回聞こえると意味ができる。さらにもう一回なると、意味の度合いが強まる。
この流れが時間である。時間は意識から作られる。
障がいの重い子にとっては、音の連なりが「今今今」となる。音の意味が残らないから時間が作られない。
時間を作ると意味ができる。自我になる前の「匿名的先自我」。自我の始まりのようなものから自我が芽生えて「あなた」になる。

佐藤先生が冒頭でお話された、「学びとは何を学べるか分からないのが学びである。」という言葉を改めて考え、参加された人によって得られた「学び」が違う、そんなセミナーになったと思います。
画像1

【第3回】特別支援教育の第一人者「佐藤暁先生」登壇

■日時 9月3日(土)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 佐藤暁先生(岡山大学大学院 教育学研究科教授)
■演題 実践の「考え方」を学ぶ
■プロフィール
専門は学校教育学。通常学級で学ぶ発達障害児に対して、どういった支援が可能かを研究し、教室で様々な実践を試み、効果的な支援の方法を開発されている。現在は「インクルーシブ教育」の考え方のもと「協同学習」のあり方をみつめ、更なる授業改革を提案。いくつもの著書タイトルにある『困り感に寄り添う』『子どもをつなぐ』というキーワードに込められた先生の願いと子どもの学びを保障するということを考えていきます。

第2回白石範孝先生セミナー報告 1

 白石範孝先生の「論理的に思考する『考える』国語の授業〜問題解決学習をめざして〜」について、簡単にご紹介します。
 <アクティブラーニングへのつながり>
アクティブラーニングは、基礎基本と技能の定着を土台に、その上に言語活動(思考力・判断力・表現力)、さらに上にアクティブラーニング(論理的な思考活動)がある。
国語での基礎基本は「用語」・「方法」「原理・原則」。この土台を身につければ国語の授業がぶつ切りにならず、授業内容が他へ転移できる力になる。
<漢字学習の原理・原則について>
○ 成、感、反、皮、灰という漢字の1画目はどこか。原理がある。貫く縦線があるものは縦が先(成、感、皮)など。筆順に原則がある。
○ 漢字は「音読みしなさい」が原則。音読みをすると、2種類に分かれる。音読みがある方が形成文字、音読みがない方が会意文字。
形成文字がさらに二つに分かれる。音読みする部分を「音符」、残った方を「意符」という。その意符の部分が部首になる。
 これを知っていたらどの漢字にも適用できる。

画像1

第2回白石範孝先生セミナー報告 2

画像1
<説明文の授業について>
○ 説明文の3つの基本文型
 ア 頭括型・・・結論が最初にきている。低学年に多い。
 イ 尾括型・・・結論が最後にきている。中学年に多い。
 ウ 双括型・・・結論が最初と最後にある。
  双括型は「はじめ、中、おわり」で考えると、「中」の後半で新しい情報が入る。「おわり」の内容は「はじめ」の内容に「新しい情報」が加わり、筆者の主張になる。

 新聞記事を例にすると、事件記事は頭括型、コラムは尾括型(最後の結論に驚き、発見がある)、論説文は双括型(相手を説得する)
○ 筆者の意図を読み取るために、歩み寄る表現や主張する表現、文末表現等に注目する。
○ 段落分けから入り、最初の段落から内容を確認する授業では、子どもの論理的な思考活動は行われない。段落の因果関係やつながりなど作品全体の構成を捉えると筆者の主張を読み取ることができる。作品を丸ごと捉えることが大切。

<物語文の授業について>
○ 物語文を丸ごととらえる
 物語文は、中心人物がある出来事を通して、幸せになるか、不幸になるかが描かれている。一つの物語文の指導の初発と最後に「(中心人物)が(出来事、事件)によって(変容)する、になる話」と一文で書かせる。初発に書かせた一文からは子どもの読みの実態、学習の最後に書かせた一文からは子供の学習状況が把握できる。
<実践例>
○「モチモチの木」(光村図書3年)を用いて
物語全体を通して描かれている人物像に注目し、その変化と因果関係を読み取り、作品を丸ごと捉える。
○「たんぽぽのちえ」(光村図書2年)を用いて
意味段落や三部構成を捉えるときに、形式段落の主語が同じものを一つの段落にするという原理・原則がある。主語連鎖という。
○「いろいろなふね」(東京書籍1年)
順番を考える。1文ごとをカードにし、バラバラに並べ、その順番を考える。考えるなかで、言葉の注目の仕方や理由を考えさせ、気づかせる。

第2回白石範孝先生セミナー報告 3

画像1
<教材分析と教材研究>
 それぞれの教材の特徴や論理を生かした授業をつくるためには、教材分析と教材研究が大切である。
教材分析・・・教材のもつ特徴や論理を捉えること
教材研究・・・教材分析によって明らかになった教材の特徴や論理を生かした授業を計画すること。
これらのためには「教材課の視点」が必要である。
○「花いっぱいになあれ」(東京書籍1年)
紙芝居を作らせ、山場を理解しているか、文章を丸ごと、論理的に捉えているかを確認した。

<短歌について>
ア 短歌の内容(書きたいこと)を200字ほど書く。(日記を使う)
イ 言葉を取り出す。
ウ 助詞や切れ字を使って言葉を5音7音にする。
エ 組み合わせる。
オ 同じ音数の言葉を入れ替える。
カ 作品を決める。
キ 俳句から短歌へかえる。
ク 展示作品をつくる。(コーヒーフィルターを使った例を提示)

会場から感嘆の声があがりました。

【第2回】国語教育の第一人者「白石範孝先生」登壇

■日時 6月11日(土)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 白石範孝先生(元筑波大学附属小学校 教諭)
■演題 論理的に思考させる国語の授業をめざして
■プロフィール
2回目のご登壇です。昨年度まで筑波大学附属小学校教諭(H28.3 ご退官)、明星大学教育学部講師、全国国語授業研究会理事、国語ICT 研究会会長。「国語は、論理的だ。論理的な文章を論理的に読むのは当たり前であり、算数と同じ。今までの国語の授業は、『イメージと感覚』だけの授業。この問題は日本の国語教育には昔からある」(前回セミナーより)国語の力とは? 何を学ばせるのか? 何を考えさせるのか? 方法を明確に示し、論理的に思考させる国語の授業づくりについて、教材を用いて具体的に講義していただきます。

金大竜先生セミナー1

画像1
今回は、大阪市立の小学校教諭 金大竜先生をお迎えし、「やっぱり子どもが好き」から始める学級づくり〜魁・殿教師と凸凹のある子ども達〜をテーマに語っていただきました。
参加人数は197人と、セミナーが始まって以来、最高の人数となりました。講演内容も素晴らしく、考えさせられることが多くありました。このホームページでは、その一部を紹介します。

金大竜先生セミナー2

画像1
金先生のセミナーでは、はじめにペアをつくりました。セミナーを通して色々な方とお話することで多様な考え方が学べるようです。ペアをつくり、自己紹介をし合います。このペアでは、隣同士ペアA・前後ペアBといったペアにします。これは、機嫌の悪い子も日によっているため、考えながらペアを変えていくためです。共通点を探しました。お互いの共通点を見つけることで、親近感がわきます。たくさんの人と話をすると話すことが楽しいと感じます。これらの内容はクラスの実態を考え、取り入れて、実践していきたいと思いました。

金大竜先生セミナー3

画像1
金先生は、なぜ教師になったのか、学級経営とは何?など改めて考えさせる質問をペアで考えさせました。特に、学級経営については、個が成長する環境つくり、集団つくりとおっしゃっていました。あらゆる実践がある中で、その実践をそのまま実践しても成功することは、限らないともおっしゃっていた。地域や子どもの実態が違うことも考えて、実践をしていきたいと感じました。
自分の「観」を広げる大切さも学びました。
見えないことは、指導できません。例えば、今回は司会者のネクタイの色をあてることを行いました。教師は、興味のあることしか覚えません。そこで、何事にも視野を広げ、興味をもつことが大切です。
 

金大竜先生セミナー4

画像1
目指したい子ども像は?このようにクラスの子どものゴールイメージをもつことが大切です。授業においては、子どもが受け取れるように投げかけが子どもの考えを変えます。

子ども同士のつながりをつくるために、子どもたちが欲しがっている環境をつくってあげることが大切である。子どもをとにかく観察し、記録をする。そして、取り組み、反応を見て、妄想する。また取り組みを考える。このように何度も何度も繰り返し、教育していくことが大切です。


金大竜先生セミナー5

画像1
最後に、「よしあしの 中を流れて 清水かな」を詠まれ、このことから教師として。歩き続けることの大切さを学ばせていただきました。
今回の金先生のセミナーでは、教師が子どものために指導していることが、実は子どもを苦しめていること、また、子どもの視点に立って考えないといけないことを学びました。近年の教育本には、how to〜の本が多く、若手教師のは大変わかりやすく、勉強になっていると思います。しかし、子どもは地域や実態が違うため、必ずしも成功するとは限りません。教師自身が本から学び、考えて実践することが大切だと思います。

【第1回】ハッピー先生こと「金大竜先生」登壇

■日時 5月8日(日)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 金大竜先生(大阪市立小学校 教諭)
■演題 日本一ハッピーな学級づくり
■プロフィール
1980年生まれ。日本一ハッピーな学校をつくることを夢見る。周囲からは“ ハッピー先生”と呼ばれている。教育サークル「教育会」代表。「明日の教室」をはじめ、各地のセミナーで講師を務める。また、「あいさつ自動販売機」など、学級づくりにかかわる取り組みが、様々なメディアに取り上げられている。「日本一ハッピーなクラスのつり方」「エピソードで語る教師力の極意」「子どもが教えてくれたクラスがうまくいく魔法の習慣」など単著・共著多数。ブログ「日本一ハッピーな学校をつくろう」において、日々のクラスの出来事や取り組みを発信中。
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31