第1回は、5月11日10時〜12時です。講師は『田中博史先生』です。田中先生は算数科教育の第一人者です。算数の授業を通して、学級経営や子どもとの接し方を学びます。ふるってご参加ください。

【第3回】 「福山憲市先生」登壇

■日時 7月4日(土)10時〜12時
■会場 大口町立大口中学校
■講師 福山憲市先生(下関市立勝山小学校教諭、「ふくの会」主宰)
■演題 「20代からの教師修業の一端 〜出会いと挑戦の日々〜」
■プロフィール
“ 授業のプロ”と言われる福山先生も、かつては子どもに「授業が面白くない」と言われていました。そこからどう這い上がったのでしょうか? そこには20 代での「出会いと挑戦」があったのです。20 代に教師人生を大きく変えた熱い話など、教師修行の数々は若い教師やその指導者必見です! 著書は『スペシャリスト直伝! 学級づくり“ 仕掛け”の極意』『授業づくりの成功法則』シリーズ、『ミスを減らす指導法』シリーズなど多数。

【6/13志水先生&大羽先生1】算数授業のユニバーサルデザイン

今回は、志水廣先生と大羽沢子先生のコラボ。今注目されているユニバーサルデザイン(以下UDと記す)について語っていただきました。 
参加者116名。満足度100%のセミナーでした。参加者からは、理論だけでなく模擬授業(解説付き)もあったので、理解が深まったという声が多数ありました。セミナーの様子は【6/13志水先生&大羽先生1〜5】、詳しいアンケート結果は、ここをクリックすると見ることができます。

はじめに大羽先生から、次の話がありました。

●授業のUD化とは?
「学力の優劣や発達障害の有無にかかわらず、全員の子どもが楽しく『わかる・できる』ように工夫・配慮された通常学級における授業デザイン」(授業のUD研究会)
●キーワード
・視覚化・・・見てわかる
・焦点化・・・シンプルに
・共有化・・・分かり合う、学びあう
●課題
これがUDの授業です!といえるモデルが「分かりにくい」
・理由1 UDの視点を持っていないと見えない
・理由2 「これだったら、やってるわ」と思うことが多い
・理由3 「何だか難しそう、できない」と思い込んでいる

まずは、UDの視点で、UDセルフチェックシートにチェックしてみましょう。
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【6/13志水先生&大羽先生2】うまくいかない子どもたちへの対応

●うまくいかない子どもたちの気持ち
・また失敗するかも→不安
・どうしていいかわからない→パニック
・自分にはできそうもない→あきらめ
・自分はダメ人間だ→自己肯定感の低さ
・どうせ自分が悪いんだ→開き直り
以上のような気持ちがあるので、授業中そわそわする、みんなと一緒にできない、こだわりが強くなる。
そこで、このような子どもにはどのようにかかわったよいか。

●かかわり方を見直そう
・3つの枠で行動を考えよう
・結果OKで子どものやる気を引き出そう
・行動の「意味=機能」を考えよう
・できていることをつかもう

●かかわり方の基本
できるだけ「ほめられて終わる」「できて終わる」「満足して終わる」
具体例は、下のスライドを見てください。
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【6/13志水先生&大羽先生3】UDとは何か?

ここからは志水先生のお話。
◎「UDとは何か?」
授業に置き換えると、どの子にも分かりやすく、適切な環境で学習できる教師の配慮や工夫といえる。
・わかりやすい…視覚化、焦点化、共有化
・できるようになる…そろえる化
●視覚化
・黒板の左端に前時の学習で学んだこと、右側に今日の問題
・子どもとともに創る授業は子どもの言葉を書く。
●授業展開の視覚化
・「つかむ、くりかえす、ひろげる、たしかめる、まとめ」のように黒板の左端にこの時間でやることを書いておく。
→子どもたちも今授業のどのあたりをやっているかがわかる。先生も頑張ろうと思える。
●そろえる化
・道具をそろえる(例:分度器→いろいろな分度器がある。なので、啓林館の教科書では、付録に分度器をつけた)
・ノートの書き方をそろえる
・操作をそろえる
・授業の冒頭をそろえる→集中力がUPする。
●手順の視覚化
・教科書は結果の絵しかないので、黒板の図に1、2、3と順番を書くとわかりやすい。
・先生が話をしてできる子とできない子がいるから手順を示すとよい。
以上のことをふまえて、UDの考えに基づく授業(わかりやすい授業)とは、
1 見やすい…板書、ノート
2 聞きやすい…教師の言葉、子どもの言葉、数学言語、生活言語
3 考えやすい…確かな見通し
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【6/13志水先生&大羽先生4】志水先生の模擬授業から学ぶ(長文)

本時は「180度より大きい角を調べる」授業。

導入では、分度器を使って、角のはかり方の復習。実に丁寧にされた。
・小刻みに指示し確認して足場をそろえていた。
・押さえたいところをわざと間違えて子どもに言わせるようにしていた。
・先生がしゃべりすぎず、大事なことは子どもに言わせるようにしていた。

その後、まるく開くおうぎを使って、本時の課題に迫っていた。
T (一直線に開いて)「何度?」
C 「180度」
T 「今日やる角度へいくよ。これは何度ぐらい?」
C 「200度」
T 「そうだね、OK」
C 「190度」
T 「よし」
T 「今日はどういう問題をやるのかな?」
C 「180度より大きい角を調べます。」
T 「そうだね、じゃあ、めあてを書きます。『180度よりも大きい角を調べよう』」
T 「一回分度器を当ててごらん。」
C 「・・・・・」
T 「はかれない?じゃあ、どうすればできるか考えてみて。30秒だけ考えて。」
T 「(机間指導しながら)なるほど、おもしろいね、素晴らしい」
T 「分からない子は手をあげてごらん。いいんだよ。」
  「じゃあ分かった子は?聞いてみようかな。」
C 「分度器を2つ当ててやればできる。」
T 「なるほど、2つ当ててやればできる。」
(志水:ちゃんと予想をして分度器を2つ用意しておいた)
(この時黒板に「2枚あればできる」と書いておく)
T 「分度器1枚でもできるんだよ。1枚だったらどうやる?」
T 「補助線を引く」
T 「難しい言葉を知っているね。補助線のこと説明してくれる?」
C 「本当は見えない線、直線を延長する」
T 「どこに引けばいいかな。やってくれる?」
 (子どもに前に来てもらって線を引いてもらう)
T 「線を伸ばして・・・この後どうするの?」
C 「ここをもう一回はかる」
T 「これではかれる?はかってみよう」
  (ここではかれないと言っていた子に個別指導)
  ○つけ法を行う。180度と書くように伝える。

〜大羽先生、志水先生による解説〜
・短い言葉で指示をする(教えるのではなく問いかけ、本人に決めさせる)
・最後に「素晴らしい、できたね」
・先生が沈み込んではいけない(特定の子につきっきりにならないように気を付ける)
・まだ習っていない言葉を言った子にも「すごいね」と伝える
・どの子もほめながら、伸びようとしている子も大切にする
・180度が分かったら180という数字を書かせる⇒見えていることを増やす
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【6/13志水先生&大羽先生5】志水先生の授業ビデオから学ぶ

最後に志水先生の授業ビデオを視聴。
このビデオから学んだこと。
・わざと間違えて子どもたちが言いたくなるような雰囲気をつくっている。
・子どものちょっと気になる発言を取り上げて黒板に書いている。
・子どもをできるようにさせてから練習問題に入っている。(「できた感」が弱いまま練習問題に入らない)
・不適切な行動にどう対応するか事前に考えておくと叱らずに済む。
 うるさい子に対しての対応は次のとおりである。
 おこらない。適切なことを言ったときだけ「あ、そうか」と反応する。しゃべりたい子には「ここで声を出していいよ」という場面をつくる。
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