数学の本質を問いかける書籍

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明治図書出版より発刊された、「中学校新学習指導要領 数学の授業づくり」(玉置崇著)を読了しました。
新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」の実現や、各教科の「見方・考え方」を働かせるといったことが謳われています。何となく言われることはわかるが実際に授業をどうすればよいのかわからないと困っている方がたくさんいると思います。また新しい教科書が出てくれば、それに従って授業を勧めればよいのだろうと楽観的に考えている方もいるのではないかと思います。

本書は、玉置先生のかつての実践等を例にして、新学習指導要領でねらっていることを実現する授業の姿を具体的に示してくれています。具体的な授業場面を新学習指導要領の視点で説明することで、なぜこのような視点がこれからの教育に求められるのかも明確になっていると思います。新学習指導要領の目指す授業の具体的な進め方の大きなヒントを得られると思います。

新しい学習指導要領では、これまでになかったことが突然求められているのではありません。授業の本質は何も変わっていないと思います。玉置先生のかつての実践が、新学習指導要領の視点でみてもその価値が変わらないことからもよくわかります。逆に、数学的な「見方・考え方」や数学の本質が何かを十分に理解していなければ、本書を読んだといっても、紹介された具体例以外の場面で、何を問いかけ価値付けすればよいのかはすぐに見えてこないと思います。教科書や指導書に書かれたことの底にある、数学の本質は何かを意識することが大切になるでしょう。

本書は新学習指導要領の目指す数学の授業がどのようなものかを具体的にしてくれるとともに、数学の本質や数学を学ぶ意味は何かを読者に問いかけていると思います。中学数学を教える立場の方には是非一読をお勧めします。
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