噂話で考える

ある学校での噂話です。校長が新任の先生を校長室で怒鳴りつけたというのです。
新任が情報科の教師だったので、学校ホームページを担当するように校長が命じたところ、「できない」と答えたそうです。それに対して「命じられたことはやれ」と怒鳴って、その先生をホームページ担当にしたということです。
この話を聞いてどんなことを考えますか?

新任は、先生になったばかりで学校ホームページで何を発信してよいかもわからないのでできないと言ったのかもしれません。一方、校長は、単に書いた記事をアップするという技術的な作業を担当させたかっただけなのかもしれません。そうだとすれば、単にコミュニケーションの問題のようです。
そもそも、校長が学校ホームページの意味やその活用のことをわかっていないから新任に担当しろという無茶振りをしたのかもしれません。校長の学校ホームページの理解度の問題と考えることもできます。
いやいや、状況はどうであれ、新任に怒鳴るという威圧的な行為は校長として絶対やってはいけないことだ。校長のパワハラだと思うかもしれません。

私もこのようなことを考えたのですが、実際のところは軽々しく結論づけることはできません。噂話はあくまでも噂話の域を出ません。それよりも気になったのは、このことが噂話になって、他の先生が知っているということです。ことの真偽がわからないまま、「校長が新任の先生を怒鳴った」ということだけが校内に流布しているのが一番の問題なのです。噂話なのだからほっとけばいいという考えもありますが、先生方の校長に対する不信は残り続けるでしょう。これを拭い去るのは簡単ではないと思います。

個別の先生に対する指導は、オープンな場所で行われることはまずありません。当事者にしかわかりません。きちんとコミュニケーションがとれていないと思わぬ誤解が生じたり、それが歪んだ形で広がったりする危険性があります。この校長は、きちんと新任の先生に納得させることができていなかったので、このようなことになってしまったのでしょう。
私も、毎年多くの先生方に個別にアドバイスをします。きちんとコミュニケーションをとらないと思わぬ誤解を生んだり、信頼を失くしたりしてしまいます。このことの大切さを改めて気づかされた話しでした。

「授業と学び研究所」のフェローとなりました

4月1日に設立された「授業と学び研究所」のフェローとして活動することになりました。「授業と学び研究所」は、以下のようなことを目指して活動していきます。

昨今、教育のスタイルや価値観が多様化する中、古くから変わらぬ学校の「授業」とそこでの「学び」の大切さに注目し、ICT等の新しい環境を有効に活用しながら、
1 教師が授業に集中できる環境
2 授業力や学級経営力向上のためのしくみ
3 学びをさらに深化させる教材
等の調査・研究・開発を行い、これを通じて教師と子どもたちを支援していく。

同じフェローとして、前小牧市立味岡小学校長の神戸和敏先生、岐阜聖徳学園大学教授(前小牧市立小牧中学校長)の玉置崇先生も参加されます。お二人とは、25年以上のおつき合いです。教育ソフトや校務支援システムの開発なども協力して行ってきました。学校でのICT活用に通じているだけでなく、教育行政や学校経営でも素晴らしい実績を上げておられる方々です。もちろん授業についても一流の方です。私はお二人の授業からとても多くのことを学ばせていただきました。
このお二人と一緒にお仕事をさせていただける機会を得られたことをとても幸せに思います。学校教育に新しい波を起こせるのではないかと思っています。

授業アドバイス等の教育コンサルタントとしての仕事に加えて、新たな領域に挑戦することになりました。フェローもこれから増えていく予定です。どんな出会いがあるかワクワクしています。入学式を迎える子どものような気持ちで4月を迎えることになりました。
具体的な活動はこれから検討していきますが、この日記でも随時報告していきたいと思っています。楽しみにしていてください。
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