この時期に人間関係を考える

子どもと教師の人間関係が大切であることをこの日記でもたびたび述べています。人間関係がうまくいっている学級は、2学期の行事等もよい方向に作用して、安定した学級経営ができていることと思います。ここで、今一度人間関係について考えてみたいと思います。

学級の人間関係をつくる要素はいろいろあると思いますが、その中でも基本となることは相手を認めるということです。自分が相手に認めてもらえると感じれば、自己有用感も持てます。自分の存在を意味のあるものと感じさせてくれる相手とは、よい人間関係をつくることができるからです。
相手によかれと思って話した言葉も、自分を否定していると取られてしまえば届きません。私はあなたを認めていますということが伝わっていて、初めて言葉も届きます。子どもを指導するときなどは、特にこのことを意識する必要があります。とはいえ、ことはそれほど簡単ではありません。相手にとって厳しいこと言うときに、同時に認める言葉を発することはとても難しいからです。ですから、それ以前から人間関係をつくっておくことが大切になります。子どもたちとの人間関係ができていないうちから、あれこれと厳しく指導してしまうと、良好な人間関係はつくることはできません。まずは、子どもたちを認める場面をたくさんつくることです。

常に笑顔で接する。
子どもたちの言葉をうなずきながら、しっかりと聞く。
子どもたちのよい行動を見つけて、「えらいね」「すばらしい」とほめるだけでなく「うれしい」「ありがとう」とIメッセージを送る。

4月の教室では、特にこういうことが大切になります。面白いのが、2学期の後半くらいになると、人間関係のよい学級でもほめる言葉やIメッセージがあまり聞かれなくなる傾向があることです。人間関係ができているので、いちいち言葉にしなくても、笑顔でうなずくだけで認められていると感じるからです。こういう学級は独特の温かい雰囲気があります。その教室のそばに立っているだけ気持ちが和んできます。

では、この時期になっても人間関係がうまくいってなければどうすればよいのでしょうか。今から作り直そうとしても、おそらく3学期いっぱいかかってしまいます。4月になってリセットされたら、もう一度やり直そう。そう考える方も多いと思います。しかし、4月になっていきなり、笑顔をつくれたり、子どもの言葉をうなずきながら聞けるようになれたりするわけではありません。3学期から意識して行動して、ある意味練習することで、新しい年度のスタートがうまくいくのです。3学期は仕上げの時期と言われます。しかし、新学期へ向けての準備の時期でもあるのです。お正月をはさむ冬休みは、落ち着いて一年を振り返ることができる時です。仕上げだけでなく、4月に向かって何を意識すべきか考えてみてはどうでしょうか。
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