地域と学校の連携に関する講座の打合せ

昨日は、生涯学習センター主催の講座の打ち合わせに出かけてきました。中学校区の保護者を対象にした学校・家庭・地域の連携に関する講座です。通常、生涯学習センターは学校、PTAと保護者との橋渡しが中心で、細かい打ち合わせにはかかわらないのですが、今回の講座は特別なもので、区内の中学校をモデル的に1校選んで、5回の講座を総合的にプロデュースするそうです。

講座の内容は、情報モラル、思春期の子どもとの接し方、コミュニケーションスキル、防災など多岐にわたっています。私はその第1回ということで、ガイダンス的に学校、保護者、地域が連携して子どもを育てることの意味をお話します。とはいえ、あまり抽象論になってもいけないので、できるだけ具体例をあげながら、自分の子どものことだけでなく、地域の子どもを自分たちで育てるという意識を持っていただけるような話をしたいとお伝えしました。
やらされている感の強い活動ではなく、自分たちが充実感、有用感をもてるような活動にするためのヒントとなるような話しができればと思っています。
幸いにも、私がかかわっている学校の中には、地域と学校が一体となって積極的に子どもを育てているところがあります。この学校で起こってきたことを伝えることで、地域と学校の連携のポイントを理解していただけると思います。

今回の講座のように、行政が地域と学校の連携に対して積極的な支援活動をおこなうようになってきました。子育てを学校や保護者だけの問題でなく、地域社会の問題としてとらえるようになってきた証拠だと思います。とはいえ、現実はそれほど簡単なことではないでしょう。各地で試みられている色々な取り組みを通じて、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ前進していくものだと思います。
私にできることはごく限られたことでしかありませんが、与えられた機会を少しでも意味のあるものにしたいと思っています。

うれしいメール

昨日私がアドバイザーをしている学校の前教頭を通じてある学校から授業アドバイスの依頼がありました。喜んでお引き受けしましたが、その夜に1通のメールが来ました。私がアドバイザーをしている学校から昨年その学校へ異動になった先生からでした。メールでこの先生が今年度から現職教育の担当となって私を推薦してくださったのだと知りました。

初めてこの先生の授業を見せていただいたときに、授業規律とそれをつくる指導力に感心したことをよく覚えています。このようなベテランに私が直接アドバイスする機会はほとんどなかったのですが、数年の間にその授業は笑顔が増え、子どもを受容する場面が多くみられるようになりました。まわりから吸収して、コミュニケーションのあり方を意識的に変えようとしていることがよくわかります。自分のスタイルを持っているベテランはなかなか変わろうとしないものですが、授業にこだわり、進歩しようとしている姿勢をとても素晴らしいものだと思いました。
このような方に推薦いただけたことを本当にうれしく思いました。

メールの中で次のようなことが書かれていました。

授業で生徒を変える、授業で学校を変える、こういう意識が先生方に芽生えれば学校は良くなると思っています。意識して授業力をアップしていくことが生徒の信頼と信用を得ることにもつながります。

全く同感です。こういう視点で現職教育が組まれていけば、学校はきっとよい方向へ変わっていくと思います。どのような形でかかわっていくかはこれからですが、私にとってもよい学びの機会なると確信しています。

授業を大切にしたい、授業を通じて子どもを育てる、そういう学校が増えてきているように感じます。とてもうれしいことです。また、授業を大切にしようとしている学校のお手伝いができることに感謝しています。5月の連休が明ければ、学校への訪問も本格化していきます。どのような出会いがあり、どのような学びがあるのか、今からとても楽しみです。

入学式で式辞を考える

昨日は、中学校の入学式に来賓として参加しました。

着なれない制服姿が初々しい子どもたちの姿と先日の卒業式の子どもたちの姿が重なります。3年後にはあのような立派な姿に成長するのだと思うと、子どもたちの3年間がいかに大切なものかよくわかります。子どもたちの成長にわずかでもかかわれることの幸せを感じました。

新任校長の式辞も、子どもたちと同じく初々しいものがありました。日ごろとはちょっと違う緊張した姿に、校長としての意気込みを感じました。失礼ながら、式辞のときは子どもたちの話を聞く姿を観察することが常で、その内容や言葉が強く記憶に残ることは少ないのですが、今年は「涙をたくさん流せるような生活をしてください」という言葉がしっかりと残りました。「うれし涙」「感動の涙」「悔し涙」をたくさん流せるように、一生懸命中学生活を送ってほしいとの願いです。私の耳にも残ったのですから、きっと子どもの心にも残っているはずです。教室で新しい担任はこの言葉を子どもたちにもう一度問いかけてくれたでしょうか。子どもたちに、たくさんの「心の涙」を流して成長してほしいと思いました。

自宅に戻って、何人かの校長の式辞を読ませていただきました。HPに式辞を載せる学校が増えたので、こういったこともできるようになりました。原稿にすると短い式辞でも、伝えたいことがシャープであると、きっと子どもたちの心に残ると感じました。校長として言いたいこと、伝えたいことがたくさんあります。しかし、伝わらなくては意味がありません。話が終わった後に何が子どもたちに残っているかです。短い式辞の校長は、きっとそのことを意識されたのでしょう。

式辞のメインは子どもたちに向けての話ですが、担任はそれをどのように聞いているのでしょうか。式典をただの通過儀礼にしてしまうと、静かにしていればよいという表面を取り繕う子どもになってしまいます。式後の学級で、子どもに「校長先生の話はどうだった」「どんな言葉が残っている」と問いかけてほしいのです。人の話から何を学んだか、何を学べたのか、子どもに意識させてほしいと思います。担任がこのようにすることで、校長の式辞もより洗練されていくと思います。式辞を形式的なものではなく、子どもたちの成長につながるものにするのは、式辞を述べる校長だけでなく、担任の働きも大切なのです。
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