授業規律を提示する前にチェックしよう

新学年のスタート時期ですので、授業規律をきちんとしようとする方は多いと思います。ある学校の学年会で提案された授業規律の中に、「居眠りをしない」「私語をしない」「隣の生徒と近づかない」といったものがありました。これを見て違和感を覚えました。一つは、否定文であることです。「してはいけない」と書かれています。こういうことをすると先生は「注意するぞ」という威圧を感じます。こうしようという前向きな表現にしてほしいと思います。とはいえ、それぞれを肯定文にすると「起きていよう」「(発言を求められた時以外は)黙っていよう」「隣の生徒と離れていよう」というようになります。私には、あえて子どもたちに推奨したい行動のようには思えません。

「居眠りをしない」は、子どもの問題ではありませ。教師の問題です。居眠りをしない授業をしているかどうかが問われているのです。子どもたちは正直です。つまらない授業だから居眠りをしてしまうのです。教師が工夫をすれば居眠りをする子どもはいなくなります。授業規律の問題と考えているようでは、いつまでたっても改善されることはないでしょう。
「私語をしない」「隣の生徒と近づかない」というのは、学習に関して子ども同士が相談する機会をつくろうとしていないということです。「いやいや、まずこういう基本的なルールを守らせなければ、相談させてもおしゃべりをしてしまう」ということを言う方もいます。しかし、順番が逆なのです。私語をするのは日ごろの「プライベートでの人間関係」が授業に持ち込まれているからなのです。子どもたちに「授業での人間関係」ができれば、私語やムダ話は起きません。「わかりたい」と思う課題に出会えば、子ども同士相談してわかろうとします。授業に関係のない話はしません。今自分のそばにいる誰とでも聞きあえる、相談し合える関係をつくることが大切なのです。ですから、授業規律として必要になるのは、「わからなければ、教えてと言おう」「聞かれたら、わかるまでつきあおう」「友だちの言葉をしっかりと受け止めよう」といったものなのです。

もうすぐ授業が始まります。皆さんは子どもたちにどのような授業規律を求めますか?授業規律を禁止事項の形で提示して、できなければ注意をするのではなく、求める姿や行動の形で具体的に提示して、できたときにほめるようにしてほしいのです。子どもたちに提示する前に、今一度チェックしてほしいと思います。
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