つまずきを予想できるようになる

教材研究では、課題や発問、授業の流れなどを考えるだけでなく、子どものつまずきを予想することが大切になります。何がわからないか、どのような間違いをするかといったことを考えるのです。実は教師にとってこのことは意外と難しいことです。例えば小学校の低学年の内容は、教師(大人)にとって当たり前のことばかりです。また、自分の専門教科は得意だったこともあり、わからない経験があまりせん。子どもたちのつまずきが想定外であることがよくあるのです。ある初任者が、「子どもがわからないと言った時にどうしていいかわからない」と悩んでいたことがありました。自分が思いもよらないところでつまずかれると、とっさにどう対応していいかわからないのです。経験の差がでるところです。しかし、経験だと言われてしまえば経験の少ない若い教師は何ともできなくなります。その差を埋めるために、日ごろから子どものつまずきを意識して想像することが大切になります。

予想しないつまずきに対応するためには、机間指導が有効です。つまずきを見つけた時にわずかかもしれませんが、対応を考える時間があるからです。ただ漫然と子どもたちの手元をみるのではなく、子どもたちのつまずきとその原因を見つけようとする姿勢が大切です。確認のための小テストなども行うといいでしょう。○×をつけるのではなく、どこで間違えているのか、何につまずいているのかを見つけるのです。小テストを回収すれば、時間をかけてつまずきの原因と対応を考えることができます。こういう経験を積み重ねていくことで、子どものつまずきを予想できるようになるのです。事前に予想できるようになれば、どんな声かけをするか、どんなヒントを与えるかといった対応を合わせて考えておくこともできます。とはいえ、経験の少ない教師にとっては手間と時間がかかることです。
この経験の差を簡単に埋める方法があります。それは先輩に聞くことです。課題や進め方をたずねる方は多いのですが、意外に「子どもたちはどこでつまずきますか?どんな誤答がありますか?」と聞いているのを目にすることは少ないのです。先ほどのわからない子どもの対応に悩んでいた教師の先輩は、授業のことを聞かれたら「子どもからこんな答えがでたよ」と子どものつまずきや、誤答を教えていました。この情報があれば、対応を考えておくことができます。その教師は子どものつまずきに対応する準備ができるようになり、自信を持って子どもたちに向かうことができるようになりました。

授業アドバイスをしている私にとって、実は一番厳しい質問が「子どもはどこでつまずきますか?」です。自分の専門教科であれば自信を持って答えられますが、教えた経験のない校種や教科であれば想像するしかありません。それでも何とかお答えできるのは、たくさんの授業を見せていただいているからです。授業中の子どもの様子を見ながら、どこでつまずいているのか、その原因は何だろうと考える経験をたくさん積ませていただいているので、教える経験の足りないところを埋めることができているのです。そうです、経験の差を埋めるもう一つの方法が授業を見ることです。余裕を持って見ることで、客観的につまずきを見つけたり対応を考えたりできます。もちろん授業者の対応からも学ぶことができます。忙しい毎日ですが、何とか同僚の授業を見る時間をつくってほしいと思います。

教材研究は、子どものつまずきを予想しその対応を考えることが大切です。若い先生は自分一人で悩まずに、先輩に教えてもらい、同僚の授業を見ることで経験の差を埋めてほしいと思います。
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