来年度の研修の打ち合わせ

昨日は来年度の研修の打ち合わせをおこなってきました。市内の管理職対象の講演を1回と全小学校を訪問して年に2回、主に若手を対象に研修を行うという企画です。市内全小学校で授業アドバイスを行うというのは私にとって初めての試みです。いろいろな意味で地域性ということを考えるよい機会になると喜んでいます。

担当の指導主事の先生から、この研修の目指すところの説明をいただきました。一気に何かを変えようというのではなく、まずは若手をきちんと育てることが市全体の学力向上にもつながるという、堅実な考え方です。また、私のような外部からの指導だけでは学校が変わることがないこともよく理解されていました。管理職やリーダーが継続的に育てようとしなければ、人は育ちません。そのために、まず管理職対象の研修を開いてから、各学校で指導するという計画を立てられていました。

私としては、若手の指導を通じて管理職や教務主任にその学校の授業の特徴と授業改善の具体策を考えていただけるものにしたいと思っています。そのために、管理職の方にはできるだけ授業を一緒に参観し、指導の場に立ち会っていただきたいと思います。このことを各学校に伝えていただくようにお願いしました。
若手の先生方に一緒に授業を参観する時間を作っていただきたいことも要望しました。授業を見る視点、子どもを見る視点を客観的に学んでいただくことで、授業アドバイスがより理解しやすくなります。特に若手の場合、授業中の子どもの様子をもとにアドバイスしようとしても、子どもをよく見ていなかったり、記憶に残っていなかったりすることがあります。子どもを見る視点を意識するようになると、今まで見えていなかったことが見えるようになり、また、たとえ見落としていてもどのような状況か説明した時に想像ができるようになります。アドバイスがより実感を持って理解していただけるようになるのです。
事前に資料をお送りいただく際に、どのような子どもの姿を目指しているのかをできるだけ具体的に伝えてほしいこともお願いしました。管理職の方には学校として、授業アドバイスを受ける方には授業を通じて、どのような子どもの姿を見たいのかを具体的な場面で教えていただきたいのです。このことを事前に意識していただくことで、当日お話しする時に、質問やアドバイスの視点がはっきりします。

個別にアドバイスするにしても、市全体としての方向性を知っておくことは重要です。資料をもとに教えていただきました。担当の先生は、私の細かい質問にもその背景や考え方までしっかりと答えてくださいます。この市の学力学習状況調査の結果についても、とてもていねいに説明していただきました。また、小学校英語における小中連携やその内容、背景などの話は、授業アドバイスという枠を超えて、とても参考になるものでした。こういったこと以外にも、学校経営や学級経営、授業に対する個人的な考えも聞かせていただきました。校長や指導主事としてのエピソードをうかがっていて、こういう方が上におられると組織は元気になるだろうなと思いました。とても素敵な先生にお会いできて、楽しい時間を過ごすことができました。
4月からは他市の校長として現場に戻られるということです。私としてはちょっと残念ですが、その学校の方々にとっては幸せなことだと思います。

私にとっては新たな挑戦となる企画です。授業改善が市全体の学力向上につながるように、いろいろと工夫をしてみたいと思います。とてもよい機会をいただいたことに感謝します。
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