「楽しい授業研究」の研究が始まる

昨日は、愛される学校づくり研究会に参加してきました。今年度の第1回ということで、まずこの1年の活動予定についての説明がおこなわれました。今年度は楽しい授業研究をテーマに、授業研究の方法について研究していきます。具体的には、会員の代表がおこなう模擬授業に対して、毎回異なる方法で授業研究をおこない、その方法についてよさや課題を検討し合います。その成果を2月に開催するフォーラムで発表する予定です。

今回は、「3シーン授業検討法」で道徳の授業研究をおこないました。ここは参考にしたい、面白い、よくわからない、疑問だと参加者の心が動いた場面をその時間帯とともにメモします。どこで心が動いたかを挙手で確認し、多い順に3つを選び、その場面をビデオで確認しながら検討をします(「楽しく授業研究をしよう【第2回】3シーン授業検討法」参照)。
授業者はテンションを抑え気味にし、子どもの発言をしっかり受け止めています。子どもとのやり取りの基本がしっかりできています。そのためか取り上げられた3つのシーンはいずれも発問と焦点化にかかわることで授業技術に関することは話題になりませんでした。授業者の力量が安定していたことと、参加者の多くがそういった授業技術に関してよく理解していること。逆に、企業の方など授業技術に詳しくない方から見れば自然すぎて意識されなかったことが理由だと思います。
まず、挙手した方に理由を発表してもらい、その意見をもとに授業者、子ども役にも考えを聞きながら話し合いを深めていきます。3つの別々のシーンなのですが、論点は子どもがどのような立場で考えるか、いろいろな視点をどう焦点化していくのかという共通のものに向かっていきました。最後にどのように授業を変えればよりよくなるのかについて、それぞれまわりで話し合い、何人かが発表して終わりました。1時間の授業検討でしたが中身の濃いものになったと思います。しかし、ここまでの検討会になるには授業の質、コーディネータの取り回しの力や参加者の質の高さも大きく影響していることも否定できません。この授業でこのメンバーであればどんなやり方でもよい検討会になると言われれば、確かにその通りです。

「3シーン授業検討法」の検討は私がコーディネートさせていただきました。
今回の授業検討で出された意見は授業者にとっては納得できるものでした。参加者の多くは自分の学校でもやってみたいと思ってくれました。しかし、そうではないという方ももちろんいます。その方たちの意見はとても貴重なものでした。教師集団の質によっては授業者として名乗り出る人が出てこないのではないか。わざわざ挙手で進めなくても検討会の前に一部の人間でどの場面を話し合うか決めてもいいのではないか。なるほどと思います。この点について話し合うことで、授業を見る力もつけることができるというこの授業検討法の価値がより明確になったように思います。

模擬授業を含め、2時間余りの授業検討会とその検討でしたが、頭が休む暇がありませんでした。充実していただけでなく、もちろん楽しい時間であったことをお伝えします。この「3シーン授業検討法」に関する詳細は、5月27日(月)公開予定の、「楽しく授業研究をしよう【第3回】3シーン授業検討法は使えるのか?!」で。
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