いろいろな場面での姿を知ることの大切さを実感する

先日の新卒対象の企業研修の後に懇親会とカラオケの2次会があり、私も参加させていただきました。まる1日の研修でしたので、一人ひとりの個性やよさをかなり把握することができたと思っていたのですが、懇親会や特に2次会でまた別の面にたくさん気づきました。研修ではぐいぐいとグループをリードしていた人が、2次会ではちょっと控えめでそれでも笑顔で場を盛り上げようとしていたり、逆に研修の時はおとなしく見えていた人が、積極的に場を作ってみんなが楽しめるように動いたりする姿を見ることができました。こういう場が得意ではないように見える人も、場の雰囲気を壊さないように自分にできるやり方で上手に参加していました。彼らのよいところをたくさん発見すると同時に、人の姿は場面によって変わることをあらためて感じました。

教師時代は教室で見せる姿と部活動や家庭での姿が異なることはよくわかっていたはずなのですが、研修や授業といった特定の場面でしか接することがなくなって、いつの間にかそのことを忘れていたようです。また、研修中と2次会での印象の差が大きかった人は、後日話を聞くとその日の午前中は体調が悪かったそうです。今回は2次会でその差に気づくことができましたが、もしこういう機会がなければ第一印象が変わることはまずなかったでしょう。第一印象で人を判断することがとても危険だということがよくわかります。人の姿は、場面でもその日の体調によっても変わります。人が見せる姿は常に一面でしかないことを肝に銘じておく必要があります。

このことは、教師にとっては特に大切なことだと思います。授業中の姿一つとっても、教科や授業者によっても大きく変わります。授業研究で自分の授業とは違った子どもの姿を見て驚いたという感想もよく聞きます。部活動や家庭ではなおさらでしょう。学級担任が時間をつくって、自分の授業以外での子どもの姿を見たり、部活動のようすみたりすることはとても大切です。教科担任の先生や部活動の顧問、保護者から子どもの姿を教えてもらうことも、日常的におこなう必要があります。小学校の先生は中学校や高校と違って、学級の子どもに触れる時間が多いため、子どものいろいろな姿を知っています。それでも、いやそれだからこそ、自分の印象に縛られずに、他の視点での子どもの姿を知る努力をしてほしいと思います。
いろいろな場面での子どもたちの姿を知ることの大切さを実感させていただきました。
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