介護に携わる方から学ぶ

昨日、介護に携わっている方とお話をする機会がありました。そこで、「いろいろな施設をまわったがその施設が一番自分にあう」といってくださる利用者が多いということを聞きました。「○○(施設名)だから、行く」。そう言ってもらえる施設だということです。学校も同じですね。「行かなければならないから行く」のではなく、「行きたいから行く」。そうありたいものです。
どうして、そう言っていただけるのか聞いてみると、雰囲気がよいということでした。笑顔がとても多い施設なのです。もう少し具体的に聞くと、職員と利用者だけでなく、利用者同士の関係もよいということです。新しく来られた方に対しても、利用者の方が積極的に声をかけてくださるというのです。なるほど、納得させられます。こういう話を聞くと、この雰囲気がどのようにしてつくられているのか気になります。さらに聞くと、利用者同士の相性なども考慮して座席も決めるなど、人間関係にとても配慮しているそうです。もう一つは、ムードメーカーになる職員の存在でした。この方は、「○○さんすごい」「すばらしい」「○○さんきれいだね」と、とにかく利用者をほめるのだそうです。介護施設の利用者は家族の世話になることが多く、家庭では肩身の狭い思いをしているのだと思います。だからこそ、ほめられることはとても力づけられることに違いありません。この方に、「どうして、ほめようと思ったのですか。教えてもらったのですか?」とたずねてみました。すると、「いろいろやってみて、利用者さんが一番笑顔になるのはほめたときだったから」という答でした。これには感動しました。「利用者さんの笑顔が見たい」という思いで接することで、「利用者から学ぶ」ことができるのです。この姿勢であれば、利用者に選ばれる、愛される施設になるのもうなずけます。

ここでの話は、学級経営や授業にもつながることです。介護の職員を教師に、利用者を子どもに置き換えるとよくわかります。教師と子どもだけでなく、子ども同士の関係をよくする。認め、ほめることで子どもたちに自己有用感を与える。目指す子どもの姿を明確にして、その姿が見られるように工夫し、子どもの姿から教師も学ぶ。異業種とはいえ、その構図はとてもよく似ていました。介護も教育も「人を前向きにする」という意味では同じなのです。

この日お話を聞いた方は、どなたも介護の仕事に対して誇りと熱い思いを持っておられました。こういう方々に介護の現場は支えられているのだと実感しました。学校現場も同じですね。素敵な方々からとても大切なことを学ぶことができました。ありがとうございました。
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