学校評議員会で、学校の姿勢から学ぶ

昨日は、中学校の学校評議員会に参加してきました。先日卒業式に参加した学校です(「卒業式で学校と地域の連携を考える」参照)。学校側の説明から、この学校が課題や問題点に対して素早く対応しようとしていることがとてもよくわかります。ともすると原因や反省、ひどいときには言い訳だけで終わってしまうこともあるこの種の会ですか、次年度へ向けて着実な一歩を踏み出そうとしていることがよく伝わります。

子どもの実態調査から、読書は嫌いではないが実際の読書量が少ないことが以前の会で問題になっていました。その具体的な対策を今回は示してくれました。着実に前へ向かっています。子どもの読書量に関するデータも、市内と全国を3年分比較して、より詳しく見せてくれました。市内の他の学校がどのような対応をしているかも教えてくれます。私たちが考えるための材料をちゃんと与えてくれます。子どもたちの読書の機会を増やすことで何を目指すかについての質問にも、明確に答えていただけました。子どもたちの現状を冷静に判断していることが伝わります。その上での取り組みです。自然と応援したくなります。より成果が出る方向で意見を言いたくなります。

アンケートをもとにした学校評価については、資料の見せ方も改善されていて実態を推測しやすいものになっていました。実は、先日の卒業式の子どもの姿から想像していたものとアンケートの結果はずれていました。教師に対する信頼度や人間関係が思ったほどよくないのです。先生方もこの結果はショックだったに違いありません。表面的によい関係でも、深いところまでしっかりとかかわれていなかったということかもしれません。また、子どもの「積極的に学ぼう」という気持ちは、学年が進んでも決して下がっていないのですが、「授業がわかる」という割合が下がっているのです。これも、引っかかるところです。
一方保護者のアンケートでも気になることがありました。この学校はホームページや冊子でかなり積極的に学校のことを伝えようとしています。教員評価でも地域に関することはしっかりやっていると自己評価しています。実際、保護者の学校に対する評価も高いのですが、学校に関する設問に対して無回答が一定数存在するのです。子どもに関するものは、無回答がほとんどないので、決していい加減なわけではないと思います。学校に対する関心が薄い層ではないかと想像します。データを見るとこの層が広がりつつあるように見えます。保護者の意識が変わってきているのかもしれません。学校の広報のあり方をもう一工夫しなければならないように感じました。
教員の評価は、自分自身に対する評価は肯定的ですが、他学年や学校全体に対しては否定的な傾向があります。教員間の関係があまりよくない傾向が見て取れます。教師同士の価値観がずれているのかもしれません。基本となる目指す姿の共有化がうまくいっていないことが原因なのでしょうか。学校側はこの問題点をしっかりと意識しています。こういったネガティブな面もごまかさずにしっかりと伝えてくれる姿勢はとても好感が持てます。

次年度に向けては、これらに対して具体的にどのようにしていくかをしっかりと聞かせていただけました。
重点目標も抽象的でなく、具体的に示されました。その実現方法についても組織的な面まで考えられていました。担当者レベルで素早く動けるように具体的な方向性を明確にして管理職がバックアップすることをお願いしました。
そして、今回学校目標達成チェックリストが明示されました。年に1回ではなく学期に1回程度、目標達成の状況をチェックすることにしたのです。具体的なチェック項目が経営目標にリンクしているのでわかりやすくなっています。「チェックリストを意識させることで先生方の行動を変える方法もある」と、以前お話したことを受け止めていただいたように思いました。このチェックリストに基づいた評価がどのように変化していくのかとても楽しみです。

ネガティブもオープンにし、厳しい意見もしっかりと聞く耳を持つ姿勢は素晴らしいものです。私たちが忌憚のない意見を言えば、きっと学校がそれをうまく生かしてくれる。そう思わせてくれます。だからこそ、学校評議員の方々の姿勢も真剣なのだと思います。私自身、この学校にかかわらせていただいてとても多くのことを学べています。学校と評議員の皆様に感謝です。
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