ある校長の退職に思う

昨日はお世話になっている校長先生とお話をする機会がありました。今年度で定年退職されるのですが、勤務校やこの町の教育への思いをいろいろと聞かせていただきました。

町として新しいことに挑戦した学校でした。新しいことは最初からうまくいくわけではありません。理想と現実の間で、手探りでの試行が続きました。取り組みの成果が見えず、混乱した状態が批判を受けることになり、学校のことが選挙の争点となるなど、政治が絡んできました。そういった批判に対して、学校の考えを理解いただき、職員が自分たちの信じる教育をおこなえるように多くの力を割いてこられたことと思います。学校の中のことに力を注ぐべき時に、余計なことに力を割かれ悔しい思いもされたことでしょう。言いたいこともたくさんあると思います。その努力が正しく評価され報われたのかはわかりません。
地元の方なのでいろいろなしがらみもあったようです。次の校長にはそういったしがらみのない方がなって、学校運営に専念してほしいとおっしゃっていました。退職後は学校現場からは完全に離れられるようです。その方がこの学校にとっても良いことだと考えられてのことでしょう。一方、町としてすべての小中学校で最低限の授業規律や授業の進め方の共通化を図るよう取り組むべきだと、その実現に向けて働きかけてもおられます。学校への強い思いを感じました。
退職後はどのような形で学校教育とかかわられるのかお聞きすることを楽しみにしていたのですが、とても残念です。長い間お疲れさまでした。

今、学校現場への政治の介入が話題となっています。安易に是非を語ることはできませんが、そのために現場の教師が教育と関係ないところに力を割かなくてはいけない、よりよい学校をつくろうとする意欲がそがれる、少なくともそんなことだけは無いようにしてほしいと思います。政治には子どもたちのために先生方がその力を存分にふるえる環境をつくることを期待します。
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