任せることの大切さを改めて気づかされる

先日、社員研修で進行役を務めました。研修の中では、ヒアリングの進め方を全体で考えることやその結果を共有したり、感想を聞き合ったりする場面が設定されています。こういった場面ではこれまで私が、意図的に参加者の意見を聞きだしたり、つないだりしていました。
事前打ち合わせの時に一緒に研修を担当する先生から、彼らに任せても大丈夫じゃないのか、また上手くいった、いかなかったも含めて、経験を積ませた方がよいのではという意見をいただきました。確かに、やってみる価値はあると考え、今回は最初の課題把握と準備段階以外は、参加者に任せてみました。

結果は、私の想像以上に自分たちで上手く進めてくれました。全部で7人でしたが、全体で話し合う場面では誰言うとなく車座になり、司会も自然にあらわれます。司会者役はすべてを仕切るわけではなく、他の参加者と協調して柔らかい雰囲気で話し合いが進みます。ヒアリングの共有場面で、発言後に一緒のグループのメンバーに発言を促したり、グループの全体発表で、視線でコミュニケーションを取りながら発表を進めたりする姿も見られました。仲間の発言にうなずき、発言をつなぎながら考えを深めていきます。私が進行役をやったとしてもこれだけうまくできるか自信がありません。ほとんどが新人の時から知っている方たちですが、わずか3年ほどで驚くほど成長していました。そして、このわずか1日の研修中にもいろいろな面で成長している姿を見ることができました。

彼らの成長を過小評価し、自分の役割にとらわれ過ぎていました。危うく彼らの成長の機会を奪いかねないところでした。これと似たようなことは学校の先生にも起こりえることではないでしょうか。学級経営や授業で先生が果たす役割は、子どもの成長とともに変わっていきます。自分が指示しなければ、コントロールしなければと思いすぎて、子どもの成長の機会を奪っている可能性もあるのです。勇気のいることですが、時には、子どもを信じて任せることも必要です。上手くいかなければそこからどうするか考えればよいのです。失敗を子どもたちの糧にするという発想も必要です。子どもたちを信じて任せることの大切さに改めて気づかされた1日でした。
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