教材研究の大切さに改めて気づく

先日、模擬授業をもとにした市の研修会を行いました。今回の模擬授業での検討をもとに次回は実際の学級で授業を行います。教材は小学校1年生の道徳でした。

この教材は、ジャングルジムでさるくん、くまくんが遊んでいるところにやってきたねこちゃんが、くまくんに、さるくんと遊んでいるからと拒絶されることから始まるお話です。イラストとセリフで話が進んで行きますが、場面ごとに3人の登場人物の心情を理解する必要があります。授業者はある場面での3人の気持ちを細かく確認したり、場面を越えて特定の登場人物の気持ちを問いかけたりして状況把握をしました。
子ども役は参加者の先生方です。こちらは教材の意図や授業者のねらいがわかるのでかえっておかしな反応をしてしまいがちです。小学校1年生であれば、子どもたちは私たちの想像の斜め上を行く反応をしたりします。想像することも容易ではなく、リアルに演じることは難しいものです。
子ども役は状況把握の場面で、戸惑いを見せていましたが、気持ちを問う人物や場面が何度も入れ変わったことが原因のようでした。大人ですから、どうということもないはずですが、素直に子どもの視点に立っていたからでしょう。状況把握をする時に、どのようなことが大切かに気づけたようです

この日の主課題は、3人が仲良く遊ぶようになるきっかけとなった場面での、それぞれのセリフを3人のグループで考えるものですが、くまくんが「ごめんなさい」、残りの2人が「いいよ」という以外のセリフが浮かばないと困っている方もいらっしゃいました。子どもの立場で考えられていることがよくわかります。

授業検討ではそれぞれのグループから、自分たちが感じたことをもとにこうしたらよいのではないかという提案がなされました。子どもの気持ちに立ったからこそ見えるものがあったようです。子ども役を経験することのよさを実感していただけたのではないかと思います。

今回の教材は、小学校1年生のイラストが中心のものでした。言葉が少ないので余計に教材研究が必要です。私も事前に眺めただけでは気づかなかったことをこの模擬授業と検討会の時間を通じてたくさん気づけました。
さるくんとねこちゃんが遊んでいるときに、くまくんが、昨日は自分がさるくんと遊んでいたので、ねこちゃんは違うところで遊んでと言う場面があります、続いて、さるくんがどうしてねこちゃんと一緒に遊ばないのか、楽しくないから帰るという場面になります。この場面をしっかり押さえないと、単にさるくんが正義の味方のようになってしまいます。イラストをみると、さるくんがくまくんに言い返している時に、ねこさんは困った顔をしています。
次の場面ではジャングルジムから帰る2人をくまくんが見送っているのですが、さるくんは泣いているねこさんの手を引きながら困っています。この場面にはセリフがありません。ねこさんは最初にくまさんに拒否された時には泣いていませんでした。この違いを意識する必要があるように思いました。さるくんとくまくんがけんかのようになったことが原因で泣いているとも取れます。また、さるくんが怒って帰ると言ったことも決して良いことではないのです。少なくとも、ここの場面で、それぞれがどのような気持ちになっているのかをきちんと押さえて置かないと、仲直りをする場面のセリフが浮かんでこないと思います。
イラストは言葉の説明がないだけに微妙な描き分けで違いを伝えようとしています。小学校1年生の教材と軽く見ずにしっかりと分析する必要があることを痛感しました。3人が仲良く遊んでいる場面でも、さるくんは少し離れていて、くまくんとねこちゃんが楽しそうに遊んでいます。このことに注目すると「くまくんはさるくんと遊びたかったんだよね。でもねこちゃんと楽しそうに遊んでいるよ。何があったんだろうね?」と子どもたちを揺さぶることもできそうです。

今回の模擬授業を通じて私も含めて参加者全員が多くのことが学べたと思います。授業者が次回の授業をどのように工夫してくれるか今からとても楽しみです。よい学びの時間となりました。
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