作業の流れをコントロールすることが大切

前回の日記の続きです。

2年生の図工の授業は、グループで秘密基地をつくるというものでした。
子どもたちは新聞紙を丸めて棒にするなど、思い思いに作業をしています。しかし、グループとして活動しているというよりも、個人でつくりたいものをつくっているように感じられました。秘密基地という名前はワクワクしますが、秘密基地が秘密基地たりえるためには、そのような要素が必要なのでしょうか。グループ全員がその中に入れるといった条件を意識させたいところです。

授業者は事前に新聞紙をどのように使えるかの例を見せているようですが、子どもたちはそれ以上の工夫はしていないように見えます。新聞紙でつくった部品がどのような構成要素として使えるのかを子どもたちが考える時間や、新聞紙でどのようなものがつくれるのかをいろいろと試してそれを全体で共有するといった時間が必要だったと思います。
また、いくつかのサンプルを用意して、どのようなものをつくればよいのかのイメージを持たせることも必要でしょう。似たものをつくろうとすれば、自然にそれを見てどうなっているのかを知ろうとするはずです。子どもたちにいろいろな動きや思考を促すための仕掛けを意識してほしいと思います。

目先の作業に没頭して、ゴールが頭から消えている子どもが多いように感じました。テンションが上がり気味で、まわりの子どもにちょっかいをかけている子どもも目に付きます。
一連の作業の流れを明確にし、そこで必要なスキルやポイントを子どもたちに意識させることが必要でしょう。例えば、次のようなことです。

・何をつくるのか、その目的や目標をはっきりさせる(具体物を見せるとよくわかる)。
・条件内(新聞紙)で何ができるのか、できそうかを考える(どんな構成要素をつくれるかを見せる)。
・グループで、何をつくるかを考えさせる(ラフでいいので具体的なスケッチができるとよい)。
・グループで作業の手順と分担を考えさせる(細かい部品をグループ全員で先に全部つくってから組み立てるのか、構成要素ごとに分担するのか等を考える)。
・進捗を適宜確認しながら進めて、進行の調整する(子どもたちに任せっぱなしにすると、完成しないグループが出てくる)。
・完成した物を評価するだけでなく、進め方なども評価し振り返らせる。

一連の作業の流れを授業者がコントロールすることが大切です。

この続きは次回の日記で。
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31