企業の研修で新人の成長を見る

4月に企業の新人研修で元校長先生3人と一緒に講師を1週間務めさせていただきました。社会人経験のある方(いわゆる第2新卒)も含む、総勢12人でした。

研修の前半は仕事をするための基礎となる知識面の講義が中心です。講師の方は授業技術に長けた方ばかりです。講義と言っても一方的なものではなく、切り返しで考えを深める場面や、互いに意見を聞きあったり考えを発表したりといったかかわり合う場面が随所にあります。
しかし、まだ互いの人間関係ができていないからでしょう。グループ活動の場面で、特定の者がしゃべり続けたり、ペアではしっかり意見を言えていた者が口を開かなくなったりといったことが見受けられました。そこで、研修の様子を見ながらプログラムごとグループのメンバーを意図的に入れ替えました。
最初のころは相性があるように見えても、次第に人間関係ができてくると誰とでも意見を交換できるようになっていきます。慣れもあるのでしょうが、組み合わせをいろいろと変えることでかかわり方を学んでいるようにも見えました。このことは、学校でも同じだと思います。私たちはこの子とこの子は相性が悪いから離そうといったことを考えたりしますが、多様な友だちとかかわることで子どもたちは成長していきます。経験を積むことで、再び同じグループになった時にかかわれるようになっていることもよくあります。相性が悪いと決めつけるのではなく、そういった友だちも含め他者とかかわり合う機会をたくさんつくることが子どもたちの成長にとって重要な要素だと思います。

後半は、課題解決の研修が中心です。今年度は新人にとってかなり難易度の高い課題を与えましたが、なかなか見事にこなしてくれました。
各グループのチームワークがよくなったことも上手くいった要因ですが、3つのグループが互いの中間発表や取り組みの様子から学び合えていたことが大きいと思いました。12人それぞれの持っているよさがよい形で課題解決に生かされていたと思います。
今回の研修がすぐに実践に役立つかどうかはわかりません。しかし、他者から学ぶことのよさ、大切さを知っていることはどのような仕事でも基礎となる大切なことです。そして何より、同期という素晴らしい財産をこの研修期間で得たことが大きな成果だと思います。これからの社会人生活で苦しむこと、悩むことがあるはずです。その時身近で相談できる同期の存在がきっと助けになることと思います。

彼らが社会人としてこれからどのように成長していくのかとても楽しみです。少し遠くからですが、彼らの成長を見守っていきたいと思います。
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