ヒントを考える

課題はできるだけ子どもたち自身で解決させたいものです。そのために、時としてヒントを与えることが必要になります。ヒントについて少し考えてみたいと思います。

課題に取り組んでいる途中で一旦作業を止めさせて、「今からヒントを言うね」と教師がヒントを出す場面によく出会います。子どもたちは教師が言うヒントに対しては、それを素直に利用しようと考えます。教師の説明は無批判で受け止められるからです。せっかくどうすればいいのか考えていたのに、ヒントを出されるとそこでその思考は止まり、教師のヒントに従って動き始める子どももでてきます。思考が途切れてしまうのです。できるだけ子どもが考えたり判断したりすることを意識する必要があります。例えば国語であれば、「この文に注目してごらん」と具体的な一文をヒントとして示すこともあれば、「○○の言ったことに注目してごらん」、「会話に注目してごらん」とより範囲を広げることもできます。後者になるほど、子どもが考え、判断する要素が増えます。どのようなものを与えるか、子どもたちの状況によって判断することが必要です。「会話に注目してごらん」と言ったヒントは、課題に取り組む前に子どもたちに見通しを持たせるために使うこともよくあります。ヒントによる思考や判断が子どものそれまでの思考と上手くつながる保証はありませんが、いずれにしても、教師の言うヒントは、指示に近いものと受け取られます。
それに対して、同じことを言っても子どものヒントはとらえられ方が全く違います。「どの文に注目した?」と聞いて、「・・・に注目しました」という答が返ってきても、子どもはそれを無批判では受け容れません。困っていた子どもでも「そうかな?」と受け入れるべきかどうか一度判断します。友だちの考えと自分の考えを比較して考えることもするので、それまでの思考とつながりやすくなります。ですから、「いいところに注目したね」とその意見が正解へつながることを教師が示唆しないよう注意が必要です。もし評価するのなら「なるほど、○○の発言に注目したんだね」と、視点を評価するとよいでしょう。
また、算数などではより具体的なヒントでなければ手がつかない子どももいます。そういう子どもに対してのヒントを全体で言う必要はありません。机間指導などで、「・・・してごらん」と具体的に次の一手を指示すればいいのです。

教師の出すヒントは子どもにとっては指示になりやすいものです。ヒントは、子どもたちが自分で考え判断することを意識して、教師が言うのか子どもに言わせるのか、具体的なものにするのか抽象的なものにするのかを考えて提示してほしいと思います。
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