【岡崎市立広幡小】豊かな心を育む道徳教育 モラルジレンマによる道徳授業実践

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 広幡小学校は「ひ=人に迷惑をかけない子」「ろ=労苦をおしまない子」「は=励まし合い、いたわり合う子」「た=正しいこと、美しいものを求める子」の育成を目指しています。道徳では「他人の立場や気持ちを考える優しい心を育てる」「筋道を立てて考え、工夫し、積極的に活動する心を育てる」「健康で明るく、はきはきした行動のとれる心を育てる」を重点目標とし、道徳の授業を中心に各教科や総合的な学習の時間、特別活動等が相互に結び付き、実践を行っています。その一例として、5年生「図書委員会の仕事」について紹介します。
 【道徳資料について】
 本資料は、図書委員会の委員長である「めぐみ」が科学研究発表会を控えて貸し出し禁止の本を借りたいという下級生の「さとし」に対する思いやりと、委員長としてきまりを守り、全校のために責任を果たそうとする責任感という2つの価値の間で揺れる資料です。児童は、5年生になって委員会活動に参加し、この活動が学校全体にかかわる重要な役割を担っていることを実感しています。そのため、本資料は、児童が主人公「めぐみ」に投影しやすく、自己とのかかわりで道徳的価値について考えることができます。委員会としての責任ある行動と下級生への思いやりという2つの価値の間での葛藤は身近な問題として捉えることができます。「めぐみ」は「さとし」に対して本を貸すべきか、あるいは本を貸さないべきかを中心発問とし、児童にその立場と理由を考えさせました。
 【授業について】
 「めぐみ」の葛藤を考え、話し合い活動を通して、自分の役割を自覚し責任を果たそうとするためにどうすればよいか、相手のために何をすることが大切なのかを巡っての判断力を児童一人一人が高めていくことができました。
 この学習を通して、対立する2つの価値から「本当の思いやりとは何か」「規則を守るとは何か」について児童一人一人が深く考えていくことは大変意義のあることだと思いました。また、他者の見方や考え方と自分の考え方を照らし合わせたり、広げて捉え直したりする中て、自分の思考をさらに深めることができました。