【田原市立若戸小】校長先生の卒業式

 「校長先生、全校のみなさんは席についてください。」
 3月15日の卒業式予行演習のあと、突然6年生の前期児童会長が前で指示を出しました。6年生の後期児童会長ともう一人の子が壇上に上がっていき、同時に前期会長が「今から校長先生の卒業式を始めます。」と一声。
 予行演習が終わり、一旦緩んだ空気がもう一度引き締まりました。続いて「校長先生は、先生として38年間つとめられ、今年で教員生活が終わります。お世話になった校長先生に感謝の気持ちをこめて、少し早いですが、卒業式を行います。」との言葉。唖然とした校長先生は驚きながらも子どもたちの指示に従って壇上へ。壇上では先に上がっていた2名の子からそれぞれ、手作りの卒業証書と校長先生のイラストの入った色紙が渡されました。この頃になると、校長先生の目も心なしか「うるっと」してきたように感じました。そんな中でも、さすがは校長先生、子どもたちへのお礼と今の所感をかたってくれました。
 その後、校長先生、退場。子どもたちが真ん中を向いて作った花道を「スマイルアゲイン」の歌声に包まれながら、ゆっくりと進んで行かれました。1年生から6年生88名の中の多くが泣き、涙を流していました。職員の私たちもつい、うるっとしてしまうような感動の場面でした。
 子どもたちを退場させた後、職員室へ戻る途中、1年生の教室から大きな声。何事か、と思い、急いで行くと、校長先生との別れの切なさに教室へ戻ってからも号泣している子が2,3名。何と感情豊かな子たちでしょう。
 こんな素朴で素直な子どもたちに囲まれ、生活している私たち職員の幸せをあらためて感じた瞬間でした。
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