【蒲郡市教育委員会】令和元年度蒲郡市現職研修活動道徳部会の取り組み

 令和元年度、蒲郡市の道徳部会は「豊かなかかわりの中で自己を見つめ、よりよく生きる子どもを育む道徳教育」をテーマに取り組みました。10月4日(金)には、中学校1年生を対象に「いのちを考える(生命の尊さ)」を主題とした授業研究会を行いました。ねらいは、主人公の姿を通して、「互いに支え合うことでいのちがつながっていることに気づき、自分のいのちと同じように他人のいのちも大切にしていこうとする心情を育むこと」です。
 日本で初めて骨髄移植を行った田中重勝さんが、骨髄提供を行うまでの心の葛藤を描いた実話をもとに2時間の授業を展開しました。第1時では、生徒たちがビデオ視聴を通して、白血病で同世代の子が死に直面していることを知り、自分たちが健康に生きていることやいのちのありがたさを感じることができました。第2時では、田中さんが骨髄提供の決断を迫られた場面において、「自分が田中さんの立場ならどうするか」について考え、「断る」「迷う」「提供する」の3つの立場に分かれて意見を出し合いました。補助発問による葛藤場面を設けたことで生徒たちは活発に話し合い、自分の考えを多面的に見つめ直し、深めることができました。その後「どうして田中さんが骨髄を提供しようと思ったのか」を考えることを通して、いのちを支えることの大切さに気づき、いのちの尊さへと思考を深めることができました。
 今後も、子どもたちが意欲的に話し合い、考えを深められるような授業の工夫を行い、道徳科の授業力の向上に向けてさらに研究を進めていこうと考えています。