【岡崎市立恵田小学校】4年生道徳科「神戸のふっこうは ぼくらの手で」の授業実践

 本校では、「自ら進んで学び続ける子の育成」を研究主題として、現職教育を進めるとともに、心豊かな児童の育成を目指して道徳教育の充実を図っている。
 今回は、4年生の授業実践を紹介する。教材名は、「神戸のふっこうはぼくらの手で」である。阪神・淡路大震災での避難所で、トイレの汚物を処理する大山先生を見て、みんな自発的に仕事を分担するようになった。「ぼく」も、女の子が牛乳を温める仕事をするのを見て、小さい子のために絵本や紙芝居を読むことを始める。その様子を見て、大山先生は、「君たちがいれば神戸は立ち直る」と励ました、という内容である。
 最初は、大型テレビに映し出された阪神・淡路大震災直後の写真をみせ、地震被害の大きさを実感させた。そして、避難所での生活がどんなに大変だったかを理解させた上で、「大山先生が、避難所の仮設トイレに山盛りになった大便を、手袋をはめた手ですくう姿に対して、どんなことを思ったか」を子供たちに問いかけた。多くの児童は、「大人ってすごい」「わたしも手伝おうかなあ」と前向きな意見を述べた。しかし、中には「くさいから僕にはできない」という意見もあった。次の発問は、「『ぼく』は、どんな思いで熊の絵の書いてある本を探したのでしょう」と発問した。子供たちの意見から、「ぼく」が「自分にも何かできることはないかな」「自分も何かしたい」という思いが芽生えたということに全員が気付くことができた。
 次に、「君たちがいるかぎり、神戸は立派に立ち直る」という大山先生の言葉の意味を考えさせたところ、「一人一人が、困っている人たちのために、自分のできることを考えて行動しているから」ということに気付くことができた。
 最後に、振り返りとして、「今までの自分」と「これからの自分」について考えさせ、ワークシートに書かせたところ、「学区の人と、今まで以上に明るいあいさつを心がけ、みんなを元気にする」「これから先、大変なことがあっても、みんなで支え合いたい」という感想が書かれていた。
 今回の授業を通して、児童は、自分にできることがたくさんあることに気付いたと思う。これから高学年に向かっていくこの子たちが、この授業を通して学んだことを、学校や地域で実践してくれることを願っている。
 今後も、道徳科の授業実践を積み重ね、自己を見つめたり、自己の生き方について考えたりすることのできる児童の育成を目指していきたい。

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