【豊田市立稲武中学校】 SNSの使い方について考える

画像1 画像1 画像2 画像2
 本校は、全校生徒45名の市内最小規模の中学校である。山間部に位置し、友達同士の家も遠く、なかなか遊びに行けない実態があるため、生徒からはSNSでコミュニケーションをとる機会が多いという話を聞く。
 本校の生徒に、スマートフォン・タブレットに関するアンケートを行ったところ、「両親の物を使用させてもらっている」を含むと、SNSを使える環境にある生徒が9割を超えるという現状が分かった。また、ある学年では、SNS上でのもめ事が起き、対処に時間がかかったことからスマートフォン・タブレットに関する全校集会を行った。
 全校集会では、まず、スマートフォン・タブレットの所有率を示した。次に、SNS上で、「明日遊びに行かない?」というA男の書き込みに対し、B男は「何で来るの」と返信したやりとりを事例として示し、A男の気持ちになって生徒たちにどう感じたかを聞いた。生徒たちは、「何か嫌な感じがする」「もっと違う言い方がある」などの意見をもった。実際に手をあげさせてみると、嫌われている感じに思うと答えた生徒が8割、交通手段を聞かれていると感じた生徒が2割という結果だった。このことから、SNS上のやりとりだけではうまく相手に意図が伝わらないことがあるということに気づかせることができた。
 最後に、過去にSNS上のもめ事がきっかけでいじめに発展し、自殺に至ってしまったという事件を生徒たちに伝えた。そして、自分たちの行動を、再度、見直してほしいと指導を終えた。
 指導後、「いじめの始まりは悪意からだけではなく、何げない会話の中から起きてしまうかもしれないから、気をつけないといけない」と話す生徒もおり、身近にあり気軽に使用しているSNSだが、危険性があるということを実感した様子だった。