【刈谷市立雁が音中学校】 思いを伝え合う

 給食の配膳室で、ある二人の生徒が思いを交錯させる中で、互いの思いが伝わり合った様子が見られた場面についての話です。
 Aくんはその週の給食委員の一人でした。ある日、給食のデザートにゼリーが出ました。ゼリーは段ボールに入っているため、段ボールの処理や容器の処分があり、いつもより給食委員の仕事が忙しくなります。Aくんは各クラスの給食コンクールの記録や残飯の回収に加え、ゼリーの入っていた段ボールの処理もしていました。一通り、給食委員の仕事を終え、教室に帰ろうとしたAくんのもとに隣のクラスのBくんが走ってきて、
「Aくん、記録用紙を記入する場所が間違っているぞ」
と、少し怒り気味にAくんを問い詰めました。それに対して、Aくんは
「ごめんね。教えてくれてありがとう」
と、答えました。
 本校では、生徒会企画として全校レクリェーションが行われたり、全校討論が行われたりします。また、各教科の授業でも、盛んに話し合い活動が行われています。しかし、ふだんの生活では、それができずに仲違いすることもあります。Bくんの言動に対して、Aくんが怒ってしてしまってもおかしくない場面でした。しかし、AくんはBくんの考えを受け入れ、ふだん何げなく使っている「ごめんね」や「ありがとう」という言葉を、優しい声で、Bくんの目を見つめて伝える姿が見られました。Bくんにもその思いが伝わり、温かい雰囲気で教室へと戻っていきました。 
 互いの思いを大切にし、互いに受け入れ合う。そんな心を大切にしていってほしいと思います。