【小牧市立陶小学校】 やさしさのバトン

 本校は、校区が広く、遠くから時間をかけて通ってくる児童がたくさんいます。さらに、児童数が少なく、わずかな人数だけで登下校する地域があります。体の小さい低学年の子供たちにとっては、登下校の道のりはとても長く感じられることでしょう。
 ある日の下校中の出来事です。その日は、1年生と2年生だけで下校する日でした。2年生の女の子一人と1年生三人で下校していました。その道中で1年生の一人が坂道で転んでしまいました。そして泣きながら、その場に座り込んでしまったのです。そこは、まだ通学路の道半ば。家までは、まだ距離がありました。そのときです。2年生の女の子が、とっさに「おんぶしてあげる」と声をかけたのです。さらに、他の1年生も「私がランドセルを持ってあげる」と言って、手を差し出しました。その後も、「だいじょうぶ?」と声を掛け合いながら、ようやく下校することができたそうです。
 翌日。この出来事を1年生から聞きました。2年生の子供たちに紹介すると、おんぶをした女の子は、大きな拍手を受け、少し照れくさそうな表情を見せていました。また、女の子の母親に、この出来事について電話で伝えました。すると、母親から「実は、あの子が1年生のときに、6年生におんぶしてもらったことがあるんですよ。きっと、それを覚えていて」とおっしゃっていました。
 2年生の女の子は決して大きな子ではなく、転んでしまった1年生とそれほど背丈は変わりません。それでも、自分がおんぶをしてもらった経験を思い出し、女の子を必死に助けようとした行動に、心温まりました。これからも、子供同士で「やさしさのバトン」を受け継いでいってくれることを願っています。
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