【設楽町立清嶺小学校】地域の方に支えられて

 本校には、64年間続いてきた「お茶配り」という伝統行事がある。地域の方の茶畑で摘んだお茶を、一人で暮らしているお年寄りのみなさんに届けるという行事である。この長く続いてきた行事に危機が訪れた。長く茶畑を貸してくださっていた方の事情により、お茶畑を借りることができなくなってしまったのだ。子供たちも職員も、「残念だけれども、もうお茶配りはできない」と、あきらめていた。そのとき、「うちの茶畑を使ってくれていいよ」と、声をかけてくださる人が現れた。子供たちは、大喜び。お茶配りに行くと、お年寄りの方がとても喜んでくださることを、子供たちは知っているからである。1年間、下刈りをしたり肥料をあげたりして手入れをした茶畑を、快く貸してくださる地域の方に感謝するしかなかった。
 そして、今年度、65回目のお茶摘みとお茶配りをすることができた。例年のようにお茶と手紙を持って、一人暮らしの方のお宅や老人施設を訪問した。子供たちの訪問に涙を流して喜んでくださった方もいた。「もう一度握手してくれる?」と、何度も言われ、恥ずかしそうにしながらも、お年寄りの方と握手する子供は、とてもやさしい表情をしていた。
 地域の方が茶畑を貸してくださったおかげで、今年もお茶摘みをすることができた。そして、お茶配りをすることで、地域のお年寄りの方に喜んでいただき、子供たちには豊かな心を育むことができた。この行事を通して、子供たちは、自分たちが地域に支えられていること、地域に大切にされていることを感じたであろう。これからも、地域の方につないでいただいた伝統行事「お茶配り」を大切にしていきたいと思っている。