道徳科における質の高い多様な指導方法 その3〜道徳的行為に関する体験的な学習〜

 道徳的行為に関する体験的な学習では、役割演技などの疑似体験的な表現活動を通して、道徳的諸価値の理解を深め、様々な課題や問題を主体的に解決するために必要な資質・能力を養うことをねらいとしています。

 道徳的行為に関する体験的な学習では、道徳的な問題場面の把握や考察なども大切にしながら、次のような授業展開が考えられます。
○ペアやグループをつくり、実際の問題場面を役割演技で再現し、登場人物の葛藤などを理解する。
○実際に問題場面を設定し、道徳的行為を体験し、その行為をすることの難しさなどを理解する。

 例えば、実際に挨拶や丁寧な言葉遣いなど具体的な道徳的行為をして、礼儀のよさや作法の難しさなどを考えたり、相手に思いやりのある言葉を掛けたり、手助けをして親切についての考えを深めたりするような道徳的行為に関する体験的な学習を取り入れることが考えられます。
 さらに、読み物教材等を活用した場合には、その教材に登場する人物等の言動を即興的に演技して考える役割演技など疑似体験的な表現活動を取り入れることも考えられます。
 これらの方法を活用する場合は、単に体験的行為や活動そのものを目的として行うのではなく、授業の中に適切に取り入れ、体験的行為や活動を通じて学んだ内容から道徳的諸価値の意義などについて考えを深めるようにすることが重要です。