【刈谷市立平成小学校】「いただきます」の意味を考えよう(2年生道徳の実践)

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 子供たちは、給食の時間になると、元気よく「いただきます」とあいさつをします。ところが、その後、盛り付けられた給食を減らしたり、食材を食べ残したりする子が多く見られました。そこで、紙芝居『いのちをいただく』を教材に取り上げ、「いただきます」という言葉にはどんな思いが込められているかをじっくり考えさせることで、毎日の食事を見つめ直してほしいと考えました。
 実際の授業は、次のような流れで行いました。
1 日頃の食事では、どんな気持ちで「いただきます」と言っているかを考える。
2 教師が紙芝居を読み聞かせ、牛の食肉加工の仕事をしている坂本さん(主人公)の気持ちが揺れ動く様子を、話の展開に沿って考えていく。
3 これからどんな気持ちで「いただきます」を言いたいかを考える。
 子供たちは、授業の最初には、「早く食べたいな」「おいしそうだな」「作っている人にありがとう」などの気持ちで「いただきます」と言っていると答えていました。しかし、紙芝居を通して、坂本さんが苦悩しながら食肉加工の仕事を続けている姿に触れたことで、「おいしくいただくよ」「これからも食べ物を大事にするよ」「ありがとう、そしてごめんね」などの気持ちを込めて、これから「いただきます」を言うと答える子が増えました。
 さらに、この授業を終えてから、給食の残食が少なくなってきました。そして、教室のカレンダーには、「完食シール」がほとんど毎日貼られるようになりました。ある日の給食では、次のような心温まる場面に出合いました。一人の男の子がおかわりをしていたので、担任が近づいていって、小声で「最近残す人が少ないね。何でだろうね」と問いかけました。すると、その子は、「きっと『いのちをいただく』の授業をやって、みんな残さなくなったんだね」とすぐに答えたのです。ここで紹介した授業の内容が、生活に生きているとはっきり感じることができ、授業者としてうれしさでいっぱいになりました。