【一宮市立中部中学校】言葉の向こうに

 「私たちの道徳」を活用した授業を提案し実践した。
【ねらい】
 情報社会に生きる子供たちは、インターネット等を通じて、多くの情報を得たり、同じしこうをもった人々と出会ったりすることができる。そして、様々な見方や考え方に触れることになる。その際に、自分と違う考えの人を批判したり、排除しようとしたりするのではなく、互いに相手の独自性を認め、相手の考えを尊重することが大切である。それは、相手が不特定多数であるインターネット上でのコミュニケーションだけでなく、実際のコミュニケーションでも同等に必要となる。さらに、謙虚な心をもち、他に学ぼうとすることで、よりよい人間としての成長を促していくことができる。そのためには、違うものを受け止め、認める寛容な広く開かれた心を育てることが重要であると考えられる。
【実践】
 サッカーチームのA選手のファンで、インターネットを通じて交流を楽しんでいる加奈子が主人公である。ある試合の結果をきっかけに、喜ぶ加奈子であったが、心ない書き込みに対して怒り、自分もひどい言葉でやり返してしまい、注意されてしまう。加奈子は、自分の思いを理解してもらえず、やり場のない思いにいら立つ。しかし、「言葉の向こうにいる人々の顔を思い浮かべてみて」という言葉に心を揺さぶられ、言葉を受け取る相手の存在や思いを忘れていた自分に気付く様子が描かれている。
 そこで、プレゼンテーションソフトで書き込みの疑似体験をさせ、書き込まれた内容に対する返答を考えさせる中で、言葉を発信するがわの気持ちや受け取るがわの気持ちを考えさせた。
 そして、様々なものの見方や考え方を受け止め、認め、寛容な心をもって謙虚に学び、行動していくことの大切さに気付かせたいと考えた。
【成果と反省】
 多くの生徒に気持ちの変容がみられた。

「生徒の感想」
・書き込みをする前に、相手の気落ちを考えてから書き込まなければいけないと思いました。
・攻撃的な書き込みに対して、同じように返事をしてはいけないと思いました。
・世の中には、自分とは違う、いろいろな考え方の人がいると実感しました。
 上記のように、「書き込みをしない。」という選択をするのではなく、よりよい書き込みとはどのようなものかを考えさせることができた。
 しかし、ねらいとした「寛容の心」までは深められることができなかったため、今後も発問や展開の工夫が必要であると考える。