最新更新日:2024/04/19

1.31 フンコロガシ《校長室》

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 読んだ新聞のコラムが、妙に頭から離れません。
 昨日の朝刊で、毎日新聞『余禄』と中日新聞『中日春秋』が同じ題材をもとにコラムを掲載しています。

 ………『余禄』より引用………

 古代エジプト人はスカラベという甲虫(こうちゅう)を崇拝した。この聖なる虫をかたどったお守りを金や石、陶器で作り、ペンダントや印章にした。それを死者の胸に飾り、棺の下に置いて葬る習慣もあった。
 このスカラベ、実は日本語ではフンコロガシという。動物のフンを団子(だんご)状に丸めて巣に運ぶ習性がある。エジプト人はこのさまを地球を回転させるオシリス神や天空の太陽の動きになぞらえた。その産卵やふ化も天体の運行にからむ世界の再生のシンボルとみなした。
 フンコロガシは「昆虫記」のファーブルが40年間にわたって観察を続けたことでも有名である。彼はフンの玉を運ぶこの虫が険しい坂で何度転がり落ちてもあきらめず、繰り返しまっすぐ坂を上ろうとする習性に着目している(荒俣宏著「世界大博物図鑑」平凡社)。
 で、このフンコロガシ、月のない夜もまっすぐフンを転がし続けられるのは天の川の明かりを道しるべにしているからだという。天測はフンの玉に上って行っている。先ごろスウェーデンなどの研究者らが米科学誌カレント・バイオロジーに発表した調査結果である。
 この虫が太陽や月で方向を知るのはすでに確認されていた。だが今度はプラネタリウムを使い、天の川の光も目印にしているのを発見したのだ。エジプト人がこの虫の生態を天体と結びつけたのは的外(まとはず)れともいえない。むろん天の川を利用する生物の報告は初めてだ。
 自身はフンにまみれて地を浄化してゆく。しかもはるか天の星に導かれ、険しい道もまっすぐに進むのをあきらめない。なるほどこの虫、ただものではない。聖なる虫だと見抜いた昔の人はえらい。【写真は Wikipedia より引用】

 ………引用終わり………

 フンコロガシがフンの玉に上って天測し、天の川の明かりを道しるべにして移動している様を想像してみてください。私には、想像した情景が頭から離れないのです。
 何というスケールの大きさなのでしょうか。
 それに比べて私たち人間のしていることは………。

1.30 否定から肯定へ《校長室》

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 「否定から肯定へ」、この言葉は、このところ本市の教育長が、さまざまな場で多用される言葉です。
 ものごとを否定的な側面ばかりでとらえていると、しだいに閉塞感に陥り、そこから抜け出せなくなるものです。そんな経験は、だれしも持っているのではないでしょうか。
 私たち教師が子どもたちに接する時、保護者のみなさんがお子さんに接する時、地域のみなさんが本校生徒を見かけられた時、どうしても大人は子どもたちの良くない点が目につくものです。そして、それを指摘したり叱責したりすることが多くなりがちです。もちろん、それは間違いではありません。子どもたちは、大人が教えなければ分からない部分もたくさんあるのですから。
 しかし、それ一辺倒では子どもは育ちません。
 短所と長所は裏返し、とよく言われます。まったく同じ状況なのに、見方を変えれば短所も長所になります。一方から見れば「動作がのろい・もたもたしている」ことも、反対から見れば「慎重である」ことにもなります。「しつこい」が「粘り強い」に、「落ち着きがない」が「行動的」にもなります。
 人は、否定されることで伸びる場合もありますが、否定が繰り返されれば、多くの場合は自信をなくし、自己肯定感を喪失していきます。今、世の中を騒がしている「体罰問題」は、その典型でもあります。優れた指導者は、その人の持つ長所を伸ばそうとします。長所が伸びれば自信が生まれます。そして、自己肯定感が高まります。
 これまで私が紹介してきた野球のイチロー選手、サッカーの長友選手、陸上の為末選手、テニスの伊達選手、水泳の北島選手など、どのアスリートの本を読んでもそれが頷ける文章に出合います。彼らに出会っただれかが、彼らの良さを認めてくれたからこそなのです。
 本校の教室背面の黒板には、毎日、担任の先生のメッセージが書かれます。そこに並ぶ言葉には、時には厳しい一言もありますが、肯定表現がたくさんあります。そんな環境の中で、しっかり伸びてほしい木中生です。

1.29 木中生あれこれ《校長室》

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 朝は冷え込みがきつかったのですが、日中は暖かな陽射しがあり、過ごしやすい日でした。
 明日は、愛知私学の推薦入試と岐阜工業高等専門学校の入試が行われます。明日の朝も厳しい寒さが予想されますので、受験するみなさんは早めに起き、防寒対策をしっかりして出かけてください。
 さて、千人を超える生徒が生活する木曽川中学校。毎日のように、地域や保護者のみなさんからお叱りのお電話やメールをいただきます。ほとんどが自転車や歩行者の交通マナーに関する苦情です。登校・下校時には、たくさんの生徒が動きますので、数々のご迷惑を地域に対しておかけしています。さまざまな面で、集団としては木中生の良さが発揮できても、個々になるとできないところに問題があります。ご指摘をいただいた点に関しては、その都度、指導をするとともに、今後も道徳や学級指導などを通して、生徒の道徳的価値観を高める工夫をしていきます。
 その一方、こんなお電話もありました。「今朝、ごみ出しをしようとゴミを持って歩いていたら、2人の男の子が『持っていってあげるよ。』とゴミを運んでくれました。いい子たちですね。」と。さらに「先日の夕方、学校帰りの男の子とすれ違うときに、『おかえりなさい』と声をかけたら、『ただいま』と返事をしてくれて、とても嬉しかった。」とのことでした。さっそく、生徒指導主事から給食時の放送で全校生徒に伝えました。
 また、来校者のために閉まっている校門の開け閉めをしてくれた生徒がいる、という話も聞きました。その方は、本校の生徒の行動に感動を覚えた、と他校の先生にお話しされたそうです。
 成長途上にある中学生。当然、失敗もあります。許されない行為に及ぶこともあります。そんな生徒の言動に対して注意や指導をしますが、その生徒の人格否定まではできません。人間は失敗を通して学ぶことも多いのですから、同じ失敗を繰り返さない木中生に育ってほしいと願います。
 生徒たちの良さをさらに伸ばしていく学校でありたいと思います。
 

1.28 危うい「便利さ」《校長室》

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 今日の朝日新聞『天声人語』が心に留まりました。引用して紹介します。

 ………引用………

 大ニュースではないが、驚いてしまう記事がある。3年前にこんな記述があった。ある人が幼稚園で講演したとき、若い母親に「お茶って自分の家で作れるんですか」と聞かれた。「はい」と答えると、彼女はこう言ったそうだ。
 「私のお母さんがお茶を作っているところ、見たことがない。いつもペットボトルのお茶を飲んできた」。彼女はどうやら、お茶を「いれる」という言い方も知らないらしい。
 一昨年も似た記事があった。料理教室の先生に、急須を「これは何ですか」と聞く受講生がいたという。だが、そうした例が驚くにあたらないのを、きのう東京で読んだ記事で知った。日教組の教研集会で「今の高校生は日本茶の入れ方を知らない」という報告があったそうだ。
 福岡県立高校の家庭科教諭が生徒にアンケートしたら、冬に家で飲むお茶を「急須でいれる」と答えたのは2割しかなかった。授業では急須を直接火にかけようとする生徒もいたという。
 おそらくは「粗茶ですが」や「茶柱が立つ」といった言葉も知らないのだろう。市販の飲料は手軽でいいが、文化や歴史をまとう「お茶」と無縁に子らが育つのは寂しい。
 「客の心になりて亭主せよ。亭主の心になりて客いたせ」と言ったのは大名茶人の松平不昧(ふまい)だった。庶民もお茶でもてなし、もてなされる。いれてもらったお茶は、粗茶でも心が和むものだ。コンビニエンス(便利)と引き換えに大事なものをこぼして歩いているようで、立ち止まりたい時がある。

 ………引用終わり………

 先日、所要である場所に出かけたとき、カーナビを使いました。安価なカーナビというせいもあるとは思いますが、近くまでは案内してくれても、肝心のその場所には到達できず、付近を何度もウロウロする始末。頭の中の地図を頼りに方向を再度確認し、やっとの思いで到着したときには、予定時刻を過ぎていました。
 カーナビはある地点を探すには便利かもしれませんが、到達地点までの経路は省略されるので、運転中は音声案内が頼りだと思います。ペーパー地図を頼りの運転の場合は、ゴール地点そのものよりも、その途中経路の方が大事になります。面倒ではあっても、全体把握の中での地点確認ができるのです。
 途中の手間を省く「便利さ」は、確かに時代の要求かもしれませんが、大事なものを捨てているような気がしてなりません。

1.27 いよいよ受験本番へ《校長室》

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 「行く月」1月も残りわずか。
 明日は愛知・岐阜私学一般入試の出願日。大勢の生徒が公共交通機関を使い、それぞれの受験校の下見を兼ねた出願に出かけます。交通機関の乗降や所要時間、受験校周辺の地理の確認など、本番をスムーズに迎えるためにも、受験前にしておかなければならないことがらが山ほどあります。しかも、誰かにしてもらうのではなく、自分自身がそれをしなければなりません。これも経験の一つですね。
 また30日(水)には愛知私学推薦入試が行われ、希望校合格めざして、いよいよ本番に臨みます。受験者のみなさんは、体調の維持・管理はうまくいっていますか?これまでがんばってきた成果を心おきなく発揮するためにも、あと数日間の過ごし方が重要です。油断大敵!ベストコンディションで臨んでください。
 昔から、私学の入試の頃にはよく雪が降ると言われています。実際、そんな年がいくつもありました。今年の冬も厳しい寒さが続くので、雪模様になる可能性もあります。交通機関に乱れが出るかも知れません。そんな時は、早めに起き、早めに家を出る必要があります。登校時、いつもぎりぎりに校門をくぐり抜ける人たちは特に危険です!今から余裕を持った生活習慣に切り替えておきましょう。
 人生の中で、誰もが経験する入試です。これを機会に、ふだんの自分自身の生活を見直し、改善すべきは改善するというのも、大事なことだと思います。
 がんばれ!受験生!

1.26 研究会参加《校長室》

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 午後、春日井市で開かれた「愛される学校づくり研究会」に参加してきました。
 前半は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授・豊福晋平先生を講師に、『学校評価の設計から提言まで』と題してお話しいただきました。東京都のある区で実際に行われている学校評価の方法を通して、保護者や生徒対象のアンケートの設問のし方、その集計・分析のし方、それを基にした改善提案のし方など、とても参考になるお話を伺うことができました。
 本校も12月に学校評価アンケートを実施し、その結果や分析をホームページと紙面で公表してきました。冬休みには、分析したものをホームページ上でシリーズ化し、お知らせいたしました。しかし、今日の豊福先生の指摘をお聞きしながら、アンケートの設問について、もっともっと改善していかなければならない点もあると感じました。評価者が回答に窮したであろう設問もあり、次回には改善していきたいと思います。
 また、学校評価は学校をよりよくしていくための手段です。今年度の結果を十分に活かし、来年度の教育計画につなげていきたいと思います。
 後半は、2月に東京で開催予定の研究会フォーラムの準備に追われました。校務の情報化について、私たち研究会としての思いや考え方をフォーラムに参加されるみなさんにどのように伝えていくとよいのか、それぞれのアイデアを出し合い、まとめていきました。
 愛知県下や一宮市内からも大勢の教育関係者の方々が参加するフォーラムで、本校が日々取り組んでいることがらの一端をお伝えできればと考えています。

1.25 飛島村にて《校長室》

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 昨日、『尾張小中学校PTA研究発表大会』の会場となった飛島村中央公民館で、写真のような表示を見つけました。
 「伊勢湾台風」を体験した世代がどんどん減っていますが、みなさんはいかがでしょうか?
 1959(昭和34)年9月26日、潮岬に上陸した後、紀伊半島から東海地方を中心として甚大な被害を及ぼした台風が「伊勢湾台風」です。当時5歳であった私にとって、忘れられない記憶として残っています。というのは、私の家も屋根瓦が吹き飛んだり、折れた電柱が玄関に飛び込んできたりと、大きな被害を受けたからです。
 この「伊勢湾台風」による被害は、強風による「吹き寄せ」と低気圧による「吸い上げ」の効果により、予想を上回る「高潮」が起こったことによって大きくなりました。伊勢湾に到達したのが満潮時を外れていたにもかかわらず、名古屋港では何と海水位が平均海面上3.89mを記録しました。
 この高潮が飛島村にも襲いかかり、大きな被害をもたらしました。それを忘れないために、飛島村中央公民館の玄関には、その最高水位3.89m(写真右上)と玄関位置の海抜高度1.10m(写真右下)が示されているのです。玄関は階段を上ったところにありましたので、実際の地表面は海抜ゼロメートルなのです。
 現在、一宮市も東海地震などの大きな地震が予測され、その対策を迫られています。飛島村などの湾岸地域は津波対策も重要となります。東日本大震災が示すように、自然災害は想定外の被害をもたらすことがあります。被害を最小限に食い止めるためにも、できうる対策は講じなければなりません。
 公民館玄関の表示を見て、今一度、備える心を新たにしました。

1.24 PAT研究発表大会《校長室》

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 飛島村中央公民館を会場に、『平成24年度尾張小中学校PTA研究発表大会』が開催され、本校PTA母親代表さんとともに出席してきました。
 開会行事の後、「家庭教育力の強化を図る」というテーマで大口町立大口西小学校PTA、「学校支援を積極的に進める」というテーマで尾張旭市立西中学校PTA、「地域社会との密接な連携を築く」というテーマで弥富市立十四山西部小学校PTAがそれぞれ発表を行いました。
 どの学校PTAも活動の軸として、児童生徒の「安全・安心」がキーワードとなっていました。例えば、ネットトラブルに巻き込まれないために、あるいは、交通量の多い道路が校区内を横切るために、交通安全の徹底を図るために、地域の問題として巨大地震の際の津波被害を防ぐためになど、それぞれ子どもたちを守るためにPTAが積極的に活動しているという発表でした。
 学校教育にPTA活動が積極的に関わり、しかも地域の諸組織と連携しながら児童生徒の「安全・安心」を守ろうとする取り組みは、変化の激しいこの時代、ますます必要になります。決して派手さのある活動ではありませんが、地道に積み上げる息の長いこのり組みは、必ず効果が出てくるはずです。
 本校のPTAも役員・委員さん方のお骨折りで、さまざまな活動をしていただいています。本日研究発表された学校PTAの実践の中には、本校も参考にできる部分が含まれていますので、今後の糧としたいと思います。

1.23 カウント・ダウンとカウント・アップ《校長室》

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 あと30日!
 卒業までの登校日数が示されたカウント・ダウン・カレンダーが、日ごとにその数を減らしていきます。しかも、そのペースがどんどん上がっていくように感じます。
 「行く月の1月」、「逃げる月の2月」は、本当に早く過ぎていきます。そして、瞬く間に「去る月3月」がやって来ます。誰もが気ぜわしく感じられる毎日ですね。
 この時期、カウント・ダウンを強く意識することは当然です。しかし、私は残されたわずかな日々の中で、積み上げていくカウント・アップの行動や気持ちも極めて大切だと思います。
 何もしなくても時間は確実に流れていきます。誰もカウント・ダウンの流れをを止めることはできません。しかし、カウント・アップは何かを具体的にしなければ一向にその数は変わりません。進路実現のための勉強、日々の自分自身を律する心、これまでお世話になった人や物への恩返し……、今こそ積み上げるべきことがらがたくさんあると思います。数値には表しにくいかも知れませんが、今日は何々をした、昨日よりも加算できたというものを残しながら、前に向かって歩んでほしいと願っています。
 ぜひ、各自がカウント・アップ・カレンダーを持ち、具体的に加算した内容を、日々その中に記入できるようにしたいものです。

1.22 一枚の葉書《校長室》

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 学校宛てに、一枚の葉書が届きました。
 それは、奥町にお住まいの65歳の女性からの葉書でした。裏面は、その方のお母様(94歳)が塗られたという素敵な塗り絵で飾られていました。
 お名前は記されていませんでしたので、その方にご了解をいただくことができませんが、文面を本欄にてご紹介させていただくことをどうかお許しください。

…………原文のまま引用…………
 
 先日の1月20日、朝のことです。
 木曽川堤防を歩いていると、野球のユニフォームを着た中学生が沢山走ってきました。
 一人一人が、私のようなおばあちゃんに「おはようございます」と声をかけてくれて、とても気持良い気分になりました。
 私は一人の子に「どこの学校の子?」ときくと「木曽川中学校です…」と言ってくれました。
 とても素直に育っているなあ…と感心しました。
 先生も野球部の子達をほめてあげて下さい。
 気持の良い一日になりました。

…………引用終わり…………

 情景を想像しながらこの文面を読み終えたとき、私自身も気持ちよくなりました。
 「おはようございます」というあいさつのたった一言が、見ず知らずの人の気持ちを明るくさせる。あいさつには、そんな大きな力が秘められているのです。野球部の生徒たちの声に思わず筆を執られたこの女性の心と、自然にあいさつができた生徒たちに、私は素直に感動を覚えました。
 しばしば、地域の方々からは、本校生徒の交通マナーや態度の悪さ(何列も道いっぱいに広がって歩く・自転車で右側通行をする・注意しても素直に聞かないなど)に対するご指摘を受け、指導に頭を悩ませることも多いのですが、今回のお葉書のように、本校生徒には良さもあります。どちらも本校生徒の生の姿です。
 プラスであろうとマイナスであろうと、出会った一部の生徒によって学校全体が評価されることになります。どんどんプラス面を伸ばし、マイナス面を改善していく木中生であってほしいと強く願います。そして、誰からもプラス評価がいただける学校をめざしていきたいと思います。

 お葉書をいただいた方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

1.21 進路実現に一直線《校長室》

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 今朝の学校集会では、昨日の全国都道府県対抗男子駅伝で大活躍した本校3年生を称えました。その生徒は、今日広島から戻ってきましたので、集会時には不在であったのは残念ですが……。日を改めて、全校生徒で拍手したいと思います。
 本番の活躍もさることながら、日々の精進の結果であることを全校生徒に話しました。というのは、今朝、集会の前に校長室に一本の電話が入りました。地域の方からです。
 その方の話によれば、このところ、朝早くから、あるいは夜遅くまでランニングしている中学生の姿が地域の方々の話題になっていたそうです。そして、昨日のテレビ中継で、その中学生が全国を舞台に走っていることに気づいたとのことでした。そして、彼のがんばりに賛辞を惜しまれませんでした。
 その話を全校生徒に伝えました。「愛知県」という大看板を背負って走るプレッシャーは、並大抵ではありません。時には、重圧に押しつぶされそうになったことでしょう。しかし、それに打ち克つためには、ひたすら走り続けて自信をつける以外にはなかったと思います。その思いが、早朝や夜のランニングだったのです。
 夢を持つだけでは実現しません。夢を目標に変え、実現のために今できる具体的な行動を続けていくことが、最終的に目標に到達し、夢を実現する唯一の方法なのです。
 3年生は、いよいよ全員が最終的な進路目標を見定める時期に来ました。担任の先生との進路相談も頻繁に行われています。今一度、進路実現に向けて自分は何をしていけばよいのか、自問自答してほしいと思います。
 夢を信じ、ひたすら努力を積み上げる姿勢を保ってください!

1.20 大健闘に拍手《校長室》

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 広島で行われた第18回全国都道府県対抗男子駅伝に、愛知県の中学生を代表して、本校3年生S君が出場を果たしました。
 今年度、本校の男子駅伝部が一宮市駅伝優勝、西尾張駅伝準優勝、愛知県駅伝第16位という輝かしい成績を残せたのも、各大会で第1区を走ったS君の功績が大です。襷をつないだ本校駅伝部員も、今日の全国を舞台にした彼の走りをテレビ観戦し、注目していたことでしょう。
 私もスタートと同時にテレビ中継に釘付けとなりました。彼が走る第6区まで上位で襷をつなげれば、テレビに映る可能性が高いだけに、その順位に注目していました。愛知県チームは、序盤から好位置につけていましたので、彼の出番が来るのを今か今かと待ちわびました。
 4位で襷を受けたS君は快走を見せ、前を行く選手を一人かわし、第3位を維持して最終第7区に襷を渡すことができました。途中、何度かテレビの画面に登場し、元気な走りを見せてくれました。とは言っても、全国の並み居る強豪選手を相手に順位を上げたり、それを維持したりすることは簡単なことではありません。想像を絶するプレッシャーがあったに違いありません。それをはねのけての快走に、私は大きな拍手を送りました。
 最終的に、そのままの順位を維持した愛知県チームは第3位でゴールテープを切ることができました。メンバーの一員として、彼の走りがこの結果に十分に貢献したと思います。テレビ観戦していただいたみなさん、本校の生徒・教職員とともに、大いにS君の健闘を讃えたいと思います。
 S君の走りを本校の誇りとするとともに、彼のがんばりを全校で見習いたいものです。
【写真は、NHK総合テレビの画面より】
※大会結果の詳細は、都道府県駅伝HPをご覧ください。

1.19 おやじの会VSソフト部《校長室》

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 「木中おやじの会」恒例の部活動交流戦。
 今日の対戦相手はソフトボール部でした。昨年は、大雪のために中止となりましたが、今年はまずまずのお天気に恵まれ、開催することができました。
 ソフトボール部員にとっては初めての対戦相手。しかも、大人の男性とあって、かなり緊張して試合に臨みました。そんな生徒たちに「おやじの会」メンバーは容赦なくつけ込み、初回に大量得点を挙げました。大人だからといって、プレーに手を抜くことこそソフトボール部に失礼ですから、パワー全開で試合に臨みました。
 いつもとは勝手が違う打球の強さに手こずったソフトボール部員たちでしたが、徐々に慣れ、調子を取り戻しました。試合に勝つことはできませんでしたが、冬場の練習としてよい機会をいただくことができました。
 試合終了後、「おやじの会」の会長さんから、「力は互角でしたが、結果の差は守備力の違い。」と指摘された点を意識してこれからの練習に励みたいものですね。
 私も1打席だけバッターボックスに立たせていただきました。フルカウントからの6球目。エースが投げ込んだど真ん中のストレートを見逃し、あえなく三振を喫しました。毎日の鍛錬の大切さを思い知りました。参りました!
 休日のひとときを生徒のために快く提供していただいた「木中おやじの会」のみなさん、ありがとうございました。(明日は筋肉痛かも知れませんね。お大事に。)

1.18 健康管理も受験のうち《校長室》

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 新しい年が明けたばかりと思っていましたが、すでに1月も後半に入っています。
 今日は、今月末に私学推薦入試を受験する3年生が、早朝から出願に出かけました。いよいよ受験本番を迎える時期となりました。
 気になるのは、拡大傾向にあるインフルエンザの流行です。ニュースによれば、そのピークが今月末から来月初めにやって来ると予想されています。私学推薦入試、私学一般入試に影響しかねません。
 いつも言われている予防策(手洗い・うがい・換気・適度な湿度・マスクの着用など)は実践しなければ絵に描いた餅。自分は罹らない、そう思っている人が危ないのです。予防に心掛けるとともに、規則正しい生活をし、無用の外出は避ける、人ごみには絶対に行かないなどの約束事を守ることが肝心です。
 受験は団体戦。一人一人の心掛けが、みんなを救うことになります。これは3年生だけのことではありません。1・2年生も協力しなければなりません。受験も「千人力」で乗り切る木中生であってほしいものです!
 明日・明後日は大学入試のセンター試験。木中生の兄弟姉妹の中にも受験する人がいると思います。ベストコンディションで臨んでください。

1.17 あれから18年《校長室》

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 6434名の尊い命が犠牲となった「阪神大震災」から今日で18年になります。
 あの日の記憶は、今でも鮮明に残っています。
 この地域でも相当の揺れを感じ、これはただ事ではないと思いました。慌ててテレビをつけて情報を集めました。
 刻々と明らかになる情報に絶句。私が担当するこの日の社会科の授業は、テレビが伝えるニュースを生徒とともに注視する形となりました。私も生徒たちも、ただただ黙ってテレビ画面を眺めていたことは忘れられない記憶です。
 昨年度の修学旅行は、東日本大震災直後ということもあり、関西方面で実施しました。その際、神戸市内では、ほとんど震災の痕跡が見当たりませんでしたが、神戸の「人と防災未来センター」や淡路島の「野島断層保存館」を訪れ、震災当時の様子を改めて見ることができました。そして、生徒たちと一緒に、地震に対する備えはどうあるべきかを学んできました。
 神戸市では、震災後に誕生、転入した市民が昨年11月で約41%になったそうです。震災を知らない人たちが増え、あの震災体験をどう伝えていくかが問題になっています。また、自治体が民間などから借り上げた復興住宅では、20年間の契約期間が迫り、住んでいるお年寄りたちが転居の不安を抱えているそうです。
 東日本大震災から、間もなく2年が経過しようとしています。まだまだ、復旧すら進んでいない状況が報告されています。復興を遂げるためには、時間や費用がかかります。阪神大震災後の教訓を東日本大震災の復興でも活かしていかねばなりません。また、日本人一人一人が、今できることをしていく必要があります。
 地形的特色から、自然災害が避けられない日本です。防災・減災対策を進めるとともに、いざというときに助け合える心の教育を、さらに強く進めていかねばならないと感じます。
【写真は毎日jpより】

1.16 スマホ18の約束《校長室》

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 毎日閲覧している他校のホームページに「スマホ18の約束」という記事が掲載されました。
 とても興味を惹かれましたので、転載許可をいただきました。長文ですが、ぜひ、みなさんにもお読みいただきたいと思います。

…………以下引用…………

 アメリカのお話です。昨年のクリスマスに、母親が13歳の息子がかねてから欲しがっていたスマートフォンをプレゼントしました。そのスマートフォンにつけられた使用契約書が、今日本で話題になっています。少し長いですが、読んでみてください。
(英文の和訳なので、情報元によって文章に差があります)

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「スマホ18の約束」

1.これはママのスマートフォンです。ママが買って、あなたに貸しているのよ。だからママの言うことをよく聞きなさいね。

2.パスワードは必ずママに教えてね。

3.電話が鳴ったら必ず出ること。画面に「ママ」や「パパ」と出ても、絶対に無視しないで、きちんと「ハロー」と応えてね。

4.電源を入れるのは朝7時半から。夜は学校がある日は7時半に、週末は9時になったら、電源を切って電話を返してね。

5.学校に持っていくのは禁止。友達とは面と向かって会話をしてね。

6.トイレや地面に落として壊したり、電話を失くしてしまったら、責任を持って自分のお金で修理・弁償すること。お金が必要になるから、草むしりや赤ちゃんのおもりをして、おこづかいを貯めておくのよ。

7.これで人を騙したり、馬鹿にしたりするのは禁止。常にいい子で、誰かを傷つけるような会話には入らないこと。

8.面と向かって言えないことは、これでメールをしてもだめ。

9.相手の親に言えないようなことは、メールしてはだめ。自分自身で厳しくチェックすること。

10.ポルノは禁止。インターネットではママと一緒に見られるようなものを見てね。何か知りたいことがあったら、人に聞くこと。できればママかパパに聞いてね。

11.公共の場では電源を切るか、マナーモードに。特にレストランや映画館では。あなたは礼儀正しい子よ。スマートフォンを持つことで変わらないでね。

12.体の大事なところの写真を送ったり、受け取ったりしてはだめ。笑わないで。もしかしたらそうしたくなるときが来るかもしれないわ。でもそれは、あなたのこれからの生活を台無しにしてしまう行為なの。ネットの世界は、とても巨大で、あなたよりも強大な力を持っている。噂や風評でさえ、簡単に消すことができないわ。

13.写真やビデオはたくさん撮らないこと。すべてを記録する必要はないの。それよりも経験を大切にして。それはあなたの記憶に永遠に残るものなのよ。

14.ときどき電話は家に置いて行きなさい。その選択は正しいと自分を信じていいのよ。電話は生き物でもないし、あなたの一部でもない。携帯なしで生活することが大事。なくなるのを恐れないで。

15.最新曲やクラシックなど、たくさん音楽をダウンロードして、同じものをずっと聴くより様々な音楽を聴いて。あなたの世代は歴史上でもっとも音楽に触れることができる世代。その恩恵を受けて、世界を広げてね。

16.ゲームは言葉遊びやパズル、脳トレをやりなさい。

17.常に上を向いていること。周りの出来事に目を向けること。窓の外を見ること。鳥の声を聞くこと。外を歩くこと。知らない人とも話をすること。グーグルで検索しないで感動できることを探しなさい。

18.約束を破ったら携帯電話を取り上げます。そしてそれについて話し合い、一からやり直しましょう。ママはあなたのチームの一員。一緒に学んでいきましょう。

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 息子さんは、契約書にサインをしてスマートフォンのプレゼントを受け取ったそうです。
(中略)
 例えば上のような指導を家庭でしていただき、家庭で使用状況を見ていただくことができれば、現在学校で指導している、7のような内容や「ネットに潜む罠」などの内容も、よく理解できるようになるのではないでしょうか。
 携帯やネットに関わることについては、家庭では使用上の約束を、学校ではネット社会に潜む危うさなどを、のように役割を分担していくことが大切ではないかと思います。

………引用終わり【一宮市立尾西第三中学校HP「校長室から」より】………

 本校でもスマホをめぐる問題が起きています。
 「スマホ18の約束」を、ぜひご家庭でも話題にし、お子さんと約束事を確認してみてください。

1.15 テストは通過点《校長室》

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 3年生の学年末テスト(1日目)、1・2年生の課題テストが行われました。
 テスト直前の3連休を活用して、いつも以上にテスト勉強ができたはずですが、十分に力を発揮することができましたか?
 勉強というものは、どれだけやったから「完璧」というものではありません。どんなにやったとしても、誰もが不安を抱えながらテスト問題に立ち向かったことと思います。事前の学習が功を奏して解けた問題もあれば、問題を見た瞬間、手も足もでない問題もあったかも知れませんね。どんな種類のテストも、そういうものです。
 テストはゴールではありません。入学試験といえども、合格すればそれで終わりではありません。そこから先がまた始まるに過ぎません。いわば、テストは一つの通過点に過ぎないのです。
 通過点なら、通り過ぎるだけのことだから必死に努力する必要はない、と考えるのは早計です。竹が節を作りながら生長するように、テストは勉強の節目なのです。節のない竹を想像してみてください。あの竹特有の弾力性は生まれるのでしょうか?少々の風が吹いただけで、しなうことなく折れてしまうはずです。
 定期テストは、学習の節を作るためのものです。私は、生徒のみなさんに、そんな心構えを持ってほしいと願います。
 3年生のみなさんは、明日は学年末テスト2日目。丈夫な節を作るための努力を怠ることなくテストに臨んでください。それが、結果として進路実現につながります。

1.14 準備はできてますか?《校長室》

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 終日、冷たい雨が降り続いています。
 前線を伴った低気圧の通過で、全国的に荒れ模様となり、関東地方には雪が降っています。いつも思うことですが、東京方面に雪が降るときは、この地方では雪が降らないことが多いようです。やはり、風向きや地形的な特色の違いによるものなのでしょう。
 さて、3連休も終わろうとしています。明日から始まる3年生の学年末テスト、1・2年生の課題テストに向けて、生徒諸君は今日もせいいっぱいの取り組みをしていることでしょう。とりわけ3年生は、目標をしっかり見定め、その実現のためには何が必要か、自問自答しながら勉強しているはずです。テスト結果を単なる夢ではなく、実現可能な目標としてとらえ、そのために為すべきことをする、そんな取り組みを続けてほしいものです。
 あす、試験問題を前にしたときに、「さあ、どんな問題でもかかって来い!」と自信を持って臨めるとよいのですが、それは、誰にとっても難しいことですね。不安な部分を少しでも解消しておくことだけは心がけましょう。大事なことは、「やれるだけのことはやった」と言える自分にしておくことです。
 今から焦っても始まりません。「今」を大切に!

1.13 「凡事徹底」の心(2)《校長室》

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 今年の箱根駅伝は、日体大が30年ぶりの総合優勝を飾りました。
 昨年は19位に終わり、予選会からの出場という苦しい中での総合優勝。その陰には、駅伝部の体質改善があったと言います。
 1年前の惨敗の後、別府健至監督は、新4年生ではなく新3年生に新しいキャプテンを指名し、私生活から厳しい規律を持たせたそうです。いわば、4年生の奮起を促すショック療法です。午後10時半の消灯時間厳守、グラウンドの掃除は全員で行うなど、当たり前のことを当たり前にする生活からチームを立て直したそうです。
 最初は、監督と部員たちとの関係がぎくしゃくしたようですが、徐々に監督の考えが浸透し、チームに足りなかった一体感が生まれたそうです。そして、レースでは一人一人が自分の走りに徹して襷をつなぎ切り、30年ぶりの総合優勝に輝きました。
 練習と私生活は別、という考え方もあると思います。気持ちの切り替えができる力量のある選手は、それもよいのかも知れません。しかし、ともするとチームとしての一体感がなくなり、個々がバラバラのチームに陥るものです。チームとしての士気は落ち、個々の選手の力も100%を出し切れなくなっていきます。
 日体大の優勝は、当たり前のことを当たり前にすること、すなわち「凡事徹底」の結果だったのです。
 本校のめざす「凡事徹底」も全く同じです。一人一人が意識し、行動化することによって、その成果を「千人力」として出すことをめざしています。今年度の体育大会や合唱コンクールは、まさにその具現化であったと思います。
【写真:産経ニュースより】

1.12 「凡事徹底」の心《校長室》

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 本校のキーワードの一つ「凡事徹底」は、定着しつつあります。
 しかし、まだまだ自発的な行動ではなく、先生が見ているから、周囲がしているから、といった半ば外部圧力による行動に過ぎない面が本校生徒には見受けられます。
 先日、出張でいろいろな学校を訪れました。学校というのは、入った瞬間にその学校の雰囲気というものが滲み出ているものです。その学校の生徒たちが自発的に「凡事徹底」を行っている学校は、やはり温かみを感じます。
 ある高等学校では、廊下ですれ違った生徒が歩みを止め、あいさつとともに頭を下げました。頭髪から推測すれば、野球部の生徒でしょう。その学校は、甲子園出場の常連校です。野球だけでなく、ふだんの生活から厳しく指導されていることが分かります。しかし、その場に監督や他の部員がいたわけではありません。ふだんからしている自発的行為だと思います。
 また別の高等学校では、ちょうど部活動の時間帯で、グラウンドではサッカー部が練習していました。私の姿を見つけると、部員全員が次々にあいさつをしてくれました。彼らは私が中学校の校長であることを知るよしもありません。この学校では、誰であっても、来校者にあいさつすることが当たり前となっているのでしょう。また、事務室の場所を尋ねた女生徒の受け応えも、実に爽やかで親切でした。
 さらに別の高等学校では、出会う生徒のすべてが笑顔であいさつしてくれました。私は、その学校の校長先生の「勉強以前の問題として、人としてのあり方を大切にしている」というお話に頷きました。
 「凡事徹底」が自発的にできるまで指導し続けることの大切さを、改めていくつかの学校を訪れることで思い知らされました。
 さて、本校を訪れる方々には、本校の雰囲気がどのように伝わっているのでしょうか。心のこもった「凡事徹底」が生徒に、そして私たち教職員にできているでしょうか。
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