最新更新日:2024/04/19

10.31 聞く力《校長室》

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 昨日、茨城県つくば市への出張の道すがら、『阿川佐和子の世界一受けたい授業』(阿川佐和子著・文芸春秋社刊)を読みました。
 夏休みに、阿川佐和子さんの著書『聞く力〜心をひらく35のヒント〜』(文春新書刊)を紹介しました。この本では、「聞く力」を養う35のヒントが書かれていました。今回、紹介するのは、『「聞く力」実践編』として出版された対談集です。小澤征爾さん、河合隼雄さん、五木寛之さん、室伏広治さんといった各界の第一人者14人との対談を通して、その世界の奥義を聞き出そうとするものです。
 対談の切り出し方、相手の話への相槌の打ち方、話を深彫りする切りかえし方、本音の引き出し方など、絶妙のタイミングで対談を進める阿川さんのトークは、まさしく『「聞く力」実践編』の名に恥じないものでした。
 こういった対談には、対談前の予備知識を十分に用意し、その人のどこに切り込んでいったらよいのかを予め予測しつつ、臨機応変に話題を振っていく技術が要求されます。そうでなければ、平板な話題に終始し、奥義に迫ることなどできません。
 私が興味を惹かれた対談に一つに、宇宙飛行士・野口聡一さんとの対談がありました。阿川さんは、アメリカとロシアの宇宙船の違いを分かりやすく聞き出しました。

《野口》「アメリカは最先端テクノロジーを使った、いわばF1みたいな感じ。ロシアはポンコツを大事に使うって感覚があるんですね。F1はちょっとした故障で全く走らなかったりするじゃないですか。でも、ロシアのほうは古い、枯れた技術なんだけれどよく考えられていて、しょっちゅう故障しているんだけど、危機的な状況にならずにちょこっと直せば使えるんです。」
《阿川》「ヒエ〜ッ!?計器がアナログだったりして?」
《野口》「そう。でもそれ、いいポイント。たとえば………」

 こんな言葉のやり取りが続きます。
 こういった「聞く力」は、対話力、すなわちコミュニケーション力そのものです。そして、私たちが授業で生徒たちの考えを聞き出す参考になります。
 生徒に話を「聞く力」を求めることが多い私たち教師こそ、聞き上手でなければなりませんね。

10.30 研修会より発信《校長室》

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茨城県つくば市の教員研修センターに来ています。 参加者のみなさんに、本校のホームページ運用についてお話しさせていただいています。

10.30 give and give 続編《校長室》

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 コラムニスト・志賀内泰弘さんの講演「幸せな人生を送るための3つの方法」から、今日はその第2弾をお届けします。
 “give and give”の精神を如実に示す例として、志賀内さんは中国の漢民族の一支流である客家(はっか)民族の話をされました。
 写真は、その客家の人々が暮らす土楼(円形のものは円楼、正方形など四角形のものは方楼)と呼ばれる独特の集合住宅です。これは、客家全体の習俗ではなく、福建省の一部山間部の客家人だけに見られるもので、外部からの襲撃を防ぐために作られています。その集合住宅には、一族がまとまって居住しています。大きなものだと、200戸・700人ぐらいが暮らしているのだそうです。ですから、客家の人々は、他の漢民族と比べ規律を重視する気風が生まれたそうです。
 その規律の中に、「右隣の人に親切にされたら、その人に返してはいけない。左隣の人に返せ。」というのがあるそうです。つまり、親切は見返りを期待するものではないという教えです。次々に左隣の人に親切にすれば、巡り巡って自分のもとに帰ってくるというわけです。まさしく、“give and give”の精神。giveの連続でつながれるのです。
 私たちは、客家民族ではありませんが、その精神は見習うべきものが含まれているように思います。
【写真と説明文の一部は、Wikipediaから引用しました】

10.29 give and give《校長室》

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 昨夜、コラムニスト・志賀内泰弘さんの講演をお聴きする機会を得ました。
 志賀内さんは、日曜日の中日新聞・県内版コラム『ほろほろ通信』の執筆者です。毎回、心の温まる内容のお話が綴られています。お読みになっている方も多いのではないでしょうか。
 昨夜の講演は、「幸せな人生を送るための3つの方法〜プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動」というタイトルでした。その3つの方法のうちの1つが、日ごろ志賀内さんの提唱している“give and give”の精神でした。
 今朝の集会では、全校生徒にそのお話をしました。

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 人間関係には“give and take”というものがあります。「何かを与えたお礼に、何かを受け取る」という関係は、日常的によく結ばれています。日本語には「持ちつ持たれつ」という言葉があります。それはそれで、良好な人間関係を保つことができます。しかし、それは「〜に〜してあげたのに、〜は〜してくれない」という感情につながることもあり、与えた見返りを期待している人にとっては、人間関係の破綻をきたします。
 人生を幸せに送るためには、“give and take”を“give and give”の関係に変えてみることが必要です。だれかに何かをしてもらったら、してもらった相手ではなく、別の人に何かをして感謝の気持ちを伝える、giveに対してgiveで返していく考え方です。それは、いずれ巡り巡って自分のもとにかえってくるものなのです。日本語には「恩送り」という言葉があります(すでに江戸時代からあったとか)。まさにそれが“give and give”の精神です。
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 例えば、トイレのスリッパを揃える行為も“give and give”です。だれだか分からないけれど、私のためにスリッパを揃えてくれた人がいる。だから私は気持ちよく使える。でも、直接その人にお礼はできません。しかし、私が使った後に揃えておくことで感謝の気持ちは伝えることができます。それをだれもがすれば、素敵な環境となります。
 “give and take”から“give and give”へ。発想の転換をしてみませんか。

※興味のある方は、志賀内さんのHPへ    

10.28 間もなく11月《校長室》

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 間もなく11月に入ります。
 一雨ごとに寒さが増し、季節は確実に晩秋へと向かっています。
 生徒たちは、どの学級も11月10日に迫った合唱コンクールに向けて熱のこもった練習を展開しています。朝、昼、帰りに時間を見つけては、自主的な練習に取り組み、ハーモニーの精度を上げようとがんばっています。
 その一方、中間テストの反省に基づいて、苦手な部分を克服しようとがんばっている生徒も多くいますが、こちらは個人としての取り組みが中心です。こういった部分にも、学級全体の意気込みが高まるとよいと思います。
 11月ともなれば、3年生はいよいよ進路選択の時期に入ります。進路希望が、夢と現実の狭間で揺れ動き、不安定な気持ちになっている生徒もいると思います。しかし、今一度自分の進みたい道を、自分自身に問い直し、実現のために必要なことを整理したいものです。この時期は、担任の先生との個人面談も進められています。じっくり相談しながら進路決定に向かってください。
 また、「受験は団体戦」とも言われます。学習の雰囲気をみんなで作っていくことも大切です。授業中の集中力、課題への取り組みなどは、学級のムードが大きく影響します。みんなで乗り切っていってほしいものです。
 充実の春を迎えるためには、晩秋から厳冬にかけての過ごし方が問われます。

10.27 子どもたちの夢を育む《校長室》

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 昨年に引き続き、「ペットボトル水ロケット大会」を開催しました。
 これは、「木中おやじの会」のみなさんが、地域の小学生のために企画・運営しているものです。
 参加した小学生親子は、おやじの会の会員のみなさんの指導でペットボトル・ロケットを制作しました。ロケットのほんの少しのゆがみが、飛距離に大きな差を生みます。慎重に作業を進めたお陰で、素晴らしいロケットが完成しました。
 ロケットに水を注入し、空気入れでロケット内の空気を圧縮します。これは大人の役目です。発射スイッチは子どもたちがONします。発射台から勢いよく飛び出していくロケットに大きな歓声が上がりました。ペットボトル・ロケットは、子どもたちの夢を乗せて飛び出し、大きな放物線を描きながら飛行していきます。見ているだけで胸がわくわくします。
 100mを軽く超えて落下したロケットもたくさんありました。中には飛びすぎて飛距離が測定できないものもありました(推定160m?)。昨年は、測定エリアからそれたロケットもありましたが、今年は制作の精度が上がり、ほとんど真っ直ぐに飛んでいきました。これも、おやじの会のみなさんの研究の賜物です。
 表彰式では、どの子どもたちも嬉しそうに賞状と記念品を受け取っていました。この笑顔が見たくて、おやじの会のみなさんはこの大会を企画・運営しているのです。
 案内した当初は参加申し込みがほとんどなく、開催が心配されましたが、何とか参加予定数に達し、実施することができました。来年度も実施する予定ですので、ぜひ多くの親子のみなさんに参加してほしいと思います。
 地域の子どもたちのために、このような活動をしていただける「木中おやじの会」のみなさんに心から感謝いたします。ありがとうございました。

10.26 PTA情報交換会《校長室》

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 尾西生涯学習センターにて、「平成24年度愛知県小中学校PTA情報交換事業」として、情報交換会が開催されました。
 この会は、毎年、県下10ヶ所で開催され、それぞれの市町PTA連絡協議会ごとに情報交換をし、自校のPTA活動の参考にしようというのが目的です。一宮市で開催されるのは4年ぶりだそうです。
 市内61校のPTA会長(または母親代表)・校長(または教頭)が一堂に会し、日ごろのPTA活動について情報交換をしました。本校からも、PTA会長さんと私が参加しました。
 はじめに東西南北4つのブロック(本校は北部ブロック)に分かれ、主にPTA組織・運営に関して、PTA活動及び「おやじの会」について、地域との連携について、家庭教育の充実について、各校の取り組みを紹介し合いました。
 本校からは「おやじの会」についてPTA会長さんが説明をしました。「おやじの会」を設置している学校、設置していない学校、さまざまです。設置していない学校にとっては耳寄りな情報となります。学校という単位でなく、地域連携やコミュニティ・スクールという観点からも、本校の「おやじの会」の存在は大きな意味があります。
 それぞれの学校が規模も違えば、地域の様子も違います。情報交換をしながら、何か結論めいたものが出るわけではありません。あくまで、本校に活かせるものはないかという観点で聴かせていただきました。
 両親とも仕事を持った家庭が増え、PTA活動への参加が難しい方も多いと思います。しかし、市内小中学校PTA役員のみなさん方は、いかにして活性化させようかとアイディアを捻り、地道な活動に取り組んでみえます。
 PTA活動の入り口は、やはり学校を知っていただくこと。11月10日(土)に開催される合唱コンクールにぜひお越しください。その折りには、PTA研修で制作した常滑焼の展示もあります。併せて、ぜひご鑑賞ください。

10.25 いざに備える《校長室》

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 部活動時に大きな地震が来たら……、今までとは違う状況下を想定した避難訓練を実施しました。
 生徒たちへは事前予告をせず、緊急放送で訓練地震を伝えました。活動場所への移動中、更衣中、ミーティング中、すでに活動中、生徒たち個々の状況はまちまちという状況下での実施でした。
 まずは、身の安全の確保が最優先。顧問の先生や、近くの先生に指示を受けながら、安全な場所を探しました。しかし、自分一人で判断しなければならない場所にいた生徒もいます。現実にこのような状況下では、自分自身で判断しなければならないことになります。大きな揺れを感じたら、落下物、倒壊物から離れて、頭部を中心に身体を守らなければなりません。瞬時の判断は、訓練を経験していないとできません。
 第1次避難のあとは、避難場所である運動場への第2次避難です。クラスごとに集合しましたが、人員点呼に戸惑う場面もありました。また、担任や顧問の先生に部活動の欠席を知らせていない生徒もいました。人員確認の際には「行方不明者」となってしまいます。現実に、今日は「行方不明者」が1年生・2年生とも数十人出ています。これが、本当の地震だったらと思うとゾッとします。
 3年生のほとんどは下校途中でしたので、特別の用事があったりや下校に遅れたりした生徒、10名ほどが訓練に参加しました。在校中の生徒の安全確保が優先されますので、通学路途中の生徒の安否確認は、現実的には相当遅れることになります。
 地震災害はいつ発生するのか、誰にも分かりません。授業中であれば、教師はマニュアルに従って対応しやすいのですが、部活動時の場合、私たちも生徒もこれまで訓練経験がありません。今日の避難訓練の目的は、今後の方策を立てるための問題点を拾い集めることでした。
 今後、見つかった課題を整理し、部活動時の安全対策を練っていきたいと考えています。

10.24 高い潜在能力《校長室》

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 教師にとって、授業は命。
 私たち教師は、生徒が分かる、生徒ができる授業を目指して毎日の授業を行っていますが、独りよがりの指導ではよりよい授業をすることができません。そのため、指導案を提示して積極的に授業を公開し、他の先生からアドバイスを受けたり、意見交換をしたりしています。このところ、毎日のように授業公開があり、私も都合のつく限り参観し、気づいた点を伝えています。
 先週と今週、違う指導者が同じ内容の3年生道徳の授業を公開しました。先生によって細かなアプローチは違っても、柱立てや発問(教師の問いかけ)、扱う資料などは全く同じです。教師が切磋琢磨し、お互いに力を伸ばすには、こういった授業公開の方法が効果的です。
 非常に興味深かったのは、どちらのクラスも生徒たちが書くこと、話すことに対してほとんど抵抗感がないことです。全員が自分の意見や感想をプリントに書けます。しかも、授業のポイントをよく把握し、論理的かつ情緒的な文章が書け、それをみんなの前で発表できるのです。教科の公開授業では、こういった状況はあまり見ることがありません。しかし、道徳では素晴らしい能力を発揮しているのです。
 教科では、積み上げた学習の基礎・基本が定着していなければ、高い次元で考えたり発表したりすることは困難です。それに対して、道徳では感性が問われます。本校の生徒たちの良さは、素直で純朴であることです。ですから、道徳で提示される資料に対して、実に感性豊かに反応することができます。
 そんな生徒たちの姿に、私は高い潜在能力を感じています。教科の学習は感性だけでは習熟できませんが、興味を持ったり疑問点を追究したりする力を伸ばすには、感性の後押しがあれば可能だと思います。
 「凡庸な教師は喋る。良い教師は説明する。優れた教師は示す。偉大な教師は心に火を付ける。」(ウィリアム・アーサー・ワード)と言われます。「心に火を灯す教師」を目指していきたいと思います。

10.23 教育懇談会《校長室》

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 一宮市長さん、一宮市教育委員会・教育委員のみなさんと市内中学校長との教育懇談会が開催されました。
 この教育懇談会は、毎年この時期に開催され、中学校長から各校の今年度の取り組みについて中間報告し、今後の方向性について意見交換する機会となっています。
 今日のテーマは、「学力向上に向けての取り組み」と「豊かな心の育成にための取り組み」についてです。各校共通の課題ではありますが、一宮市には19の公立中学校があり、その規模や地域の状況に違いがあり、アプローチのし方には各校独自のものがあります。
 各校長の報告をメモしながら、熱心に耳を傾けていただく市長さん、教育委員さんの姿勢には頭が下がりました。時には身を乗り出し、時には頷きながら、市内の中学校の現状を把握しようと努めてみえました。
 各校が共通する内容以外に、本校からは、「学力向上に向けての取り組み」として、学力の基盤となる「凡事徹底」の生活指導、小中一貫して指導している「学習ルール5か条」、本校教師が心がけている「木中授業6か条」について説明しました。他校の説明の中には、本校にも取り入れたい取り組みもありました。懇談のあとで、市長さんや各教育委員さんから数々のご指導をいただきました。
 こういう機会を通して学校の現状を知っていただくとともに、今後の一宮市の教育の方向性をお互いに確認していくことは、非常に価値のあることだと思います。ありがとうございました。

10.22 「絆」の意味《校長室》

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 天台宗大阿闍梨・酒井雄哉さんの『今できることをやればいい』(PHP研究所刊)を読みました。
 以前、この欄で同じ著者の『ムダなことなどひとつもない』を紹介したことがあります。難行といわれる「千日回峯行」を二度も満行した現代の「生き仏」が語る人生の知恵や歩み方は、語られる言葉の一つ一つに重みがあります。それでいて、文章は平易で、だれにとっても読みやすく、その内容がすうっと心の中にしみこんできます。
 今回の著書は、全部で6つの章で構成されていますが、その中でも、私が惹きつけられた章は、「みんなに支えられて生きている」です。
 人生は、人との出会いです。だれと、どんな出会いをするかによって、人生は豊かになることもあれば貧しくなることもあります。出会い方によっては、180度人生は変わるといっても過言ではありません。

☆☆☆以下引用☆☆☆
「絆」という言葉は、親子の絆、夫婦の絆、兄弟の絆を表すときによく使われるけど、今の時代は、この「絆」があまり大事にされなくなってきている。
 もともと「絆」の意味は、牛や馬をつないでおく紐のことだったんだ。牛の鼻に輪をつけ、そこに紐を結びつけることで、人間が紐を引っ張り、牛をリードしていたんだよ。そこから転じて、「絆」は、いい道へ導いてくれる人がいて、その人に導いてもらうという意味になったんだ。
 けれど、今は、「絆」は単なる「つながり」のことだと思っている人が多いよね。実際、絆を持って、いい道へリードする人が少なくなってしまった。
 人間の「絆」は、自分をいい方向に導いてくれる人がいて、その人に感謝するから、導いてくれた人と自分との間に「絆」が生まれていく。
☆☆☆引用終わり☆☆☆

 大震災以後、「絆」という言葉がよく使われます。学校でも、「クラスの絆」「○○部の絆」などとよく言います。果たして、大阿闍梨・酒井雄哉さんの言う「絆」になっているでしょうか?単に感覚的・感情的な「つながり」に終わるのではなく、「絆」によってどんな方向に進んで行くのかが問われますね。

10.21 アスリートが書いた哲学書《校長室》

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 私は、しばしばアスリートが書いた書籍を読みます。
 これまでも、野球界のイチロー選手をはじめ、サッカー界の長谷部誠選手・長友佑都選手、テニス界のクルム伊達公子選手など、多くの著書を紹介してきました。
 今回は、為末大選手の『走る哲学』(扶桑社新書)です。為末選手はすでに引退しましたが、400mハードルの日本のトップ選手として長い間活躍し、トラック競技における日本人初のプロ陸上選手でした。
 そんな為末選手が、これまでツイッターを通して発してきた言葉の数々を集め、一冊にまとめたのがこの『走る哲学』です。
 この本は、これまでのアスリートの著書とは内容がずいぶん異なります。言葉の一つ一つが、すべて自分との対話です。自分に問いかけ、自分で答える、そんな内容です。しかも、その一つ一つに重みがあり、著書名の如く、まるで哲学書を読んでいるような感覚に襲われます。
 著書の中から、いくつかの短文を紹介します。
☆☆☆☆以下引用☆☆☆☆

社交的で知り合いが多い人が視野が広いかというと必ずしもそうでなかったりする。結局、気づきや学びは自分の考えとは違う考えにぶつかった時に起きて、自分に考えのないひと、他の考えを一切認めようとしない人は、視野が広まらない。ぶつかる自分がある事と、理解しようとする自分が必要。

スランプの時、自信がない時、人は後から考えると驚くほど近視眼的になっている。人の言葉に左右されたり、ふらっと何かを妄信してしまうのもこの時期。辛い時期に、こうだと答えらしきものを言い切ってくれるものに人は弱い。でも直接的に人が答えをくれる事はない。

相手は自分を映している。これがわからない人は相手を攻撃し続ける。いくらしてもしたりない。鏡に映った自分に吠える。相手の姿は変わらない。変わらないのは自分の姿。

☆☆☆☆引用終わり☆☆☆☆
 いかがでしょうか?もとはツイッターですから、こういった自問自答のような短文が並びます。興味のある方は、ぜひお読みになることをお薦めします。

10.20 素晴らしいレース《校長室》

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 県営一宮総合運動場周辺をコースに、「西尾張中学校駅伝大会」が開催されました。
 この大会で10位以内に入れば、11月に新城市で行われる県大会への出場権を得ることができます。昨年は、女子が滑り込みで10位となり、県大会出場を果たしました。しかし、男子はあと一歩の11位で悔し涙を流しました。
 今年は、県大会男女アベック出場をめざし、部活動終了後、厳しい練習を重ねてきました。男女とも、3年生にもかかわらず昨年のメンバーが数名残り、後輩たちを引っ張りながら練習してきました。とりわけ男子は、昨年の悔しさをバネに「西尾張優勝!」を誓って、この大会に臨みました。
 女子は、残念ながら目標達成は叶いませんでしたが、各選手が持てる力を発揮し、悔いのないレースをしてくれました。
 男子は、第1走者が予想通り、2位以下を大きく引き離す会心のレースをつくってくれました。その後、徐々に力のある丹葉地区のチームに追われる展開でしたが、各選手が粘り強い走りを見せ、2位でゴールしました。目標には一歩届きませんでしたが、堂々の準優勝を飾ることができました。また、この大会は「一宮市中学校駅伝大会」を兼ねていますので、市大会優勝となりました。
 選手の活躍はもちろんのこと、コースの途中途中で、声をからして声援していた控え選手の存在を忘れることはできません。一緒に練習をしてきた仲間たちは、レースの苦しさを知っています。ですから、大きな声援を送りながら、心の中で襷をつなぎ、レースに参加していたのです。これが駅伝の素晴らしさだと思います。
 男子のみなさんは、これからまた1ヶ月、厳しい練習が待っています。さらにレベルの高いチームと互角に戦うためには、さらなるスピードが要求されます。やればできるという自信を持って臨んでください。

10.19 授業法研究会《校長室》

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 5時間目、3年1組を舞台に道徳授業の研究会を開催しました。
 今日は、校内の授業法研究会ではありますが、指導・助言をいただくために京都市総合教育センターの鈴木先生をはじめ、愛知県総合教育センターや一宮市教育委員会の指導主事の先生方をお招きするとともに、一緒に研究したいという市内の先生方も含め大勢の参観者に来校いただきました。
 そんな参観者の多さに臆することなく、3年1組の生徒たちは、ふだん通りの姿勢で授業に臨んでくれました。
 私が驚いたのは、提示された資料に対して、どの生徒も本当に素直に自分の意見や考え方を述べていたことです。また、誰かが発表しているときには、他の生徒たちはしっかり聞くことができていました。決して大勢の参観者が見ているからではありません。そこには、日ごろの担任の先生と生徒たちの信頼関係が見て取れました。どんな授業も、まずはその基盤がなければ成立しません。
 道徳の授業は、決して何らかの価値観を押しつけるものではありません。さまざまな意見を出し合うことで、多様な価値観に触れ、自分自身の考え方を問い直し、自分自身の中で葛藤するところに意味があります。
 価値に対する答えは、必ずしも一つではありません。これは世の中に出たときに直面することです。さまざまな選択に迫られ、自分自身で判断していくことが求められます。常に「問題解決能力」を求められるわけです。
 今日の授業を見る限り、生徒たちにはその能力が十分に育ちつつあると感じました。今日の研究会を通して得た成果と問題点を共有しながら、さらによりよい道徳授業を模索していきたいと思います。

10.18 秋の深まり《校長室》

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 昨日から、曇ったり雨が降ったりで、日中の気温も上がらず、肌寒さを感じます。今週は、生徒たちの冬服登校がめっきり増えました。
 朝夕の冷え込みが徐々に厳しくなり、体調を整えるのが難しい季節です。ついうっかり、が風邪を引くもと。十分に気をつけたいですね。
 校内の樹木も、昨日からの雨で埃が払われたこともあってか、紅葉・黄葉の色合いがぐっと鮮やかになりました。しかも、樹木の種類によって、その色合いがすべて違っています。それらが重なり、少しずつ錦織のように織り上げられていく様は、本当に味わい深いものです。
 徐々に秋が深まっていることが、皮膚や視覚を通して実感できる。そして、日々移り変わる自然を感じることができるというのは、つくづく、四季のある日本に生まれてよかったと思います。
 生徒のみなさんは、まだまだ季節の移ろいの「侘び」・「寂び」を語る年齢ではないと思いますが、そんな季節感の中に身を置いて生活することが、将来、それを実感できる素地をつくることになります。
 校内には、四季を体感できるものがたくさんあります。ぼんやり眺めるのも、それはそれで意味があります。また、じっくり観察する眼を育てるのも学校の役割の一つだと思います。

10.17 キーワードは「情報」《校長室》

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 音楽室から合唱コンクールに向けた練習の歌声が聞こえてきます。
 どの学年、どの学級も金賞を目指してがんばっていますが、やはり3年生の歌声は、他学年とは明らかに違う「風格」を感じさせます。今年も大いに期待できそうです。

 さて、昨日は茨城県つくば市に出かけ、本校のホームページの取り組みについて発表させていただきました。私の話の前には、東京都三鷹市教育委員会の課長さんが、コミュニティ・スクールについて発表されました。本校も今年度からコミュニティ・スクールとなり、地域の学校として、これまでの活動を継続発展させる取り組みをしており、興味を持って話をうかがいました。(※本校のコミュニティ・スクール組織図はこちら
 コミュニティ・スクールと学校ホームページ、2つの発表を終えたところで、国士舘大学・北神正行教授から講評をいただきました。
 講評の中で、コミュニティ・スクールにしても、学校ホームページにしても、学校と家庭や地域を「つなぐ」手段(ツール)であって、目的ではないというご指摘がありました。学校と家庭・地域の新たな関係づくりのキーワードは「情報」。北神教授は、共有する「情報」でつなぐ関係こそ、今の時代に求められる学校改善であると話されました。
 最近は、授業改善についても、ICT活用が重要なウェートを占めるようになりましたが、ICTも活用することが目的ではなく、学習をより効果的にする手段(ツール)です。ICT活用も「情報」を学習にどう活かすかがキーポイントとなります。
 北神教授は、いくら手段(ツール)が整備されようとも、それを使う人の意識が変わらなければ宝の持ち腐れであるともおっしゃいました。
 私は学校ホームページについて体系的に考えていたわけではありません。ただ、これまでの経験を通して「情報」の大切さと危うさの両面を感じてきました。北神先生のお話をうかがって、また新たな視点をいただいたように思います。

10.16 東京駅《校長室》

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 茨城県つくば市への出張帰り、東京駅丸の内駅舎に立ち寄りました。

  ……… 東京駅の歴史 ………

 東京駅が開業したのは、98年前の1914(大正3)年12月。すでに開業していた新橋駅と上野駅を結び、首都の鉄道網の中心駅として建設されました。

 駅舎の設計を担当したのは、日本近代建築の祖とされ、日本銀行本店などを手がけた辰野金吾(1854〜1919)氏。赤レンガ造りの3階建て駅舎を6年9か月かけて完成させました。南北の駅舎にそれぞれ取り付けたドーム形の屋根が目をひく洋風デザインでした。

 重厚に作られた駅舎は、1923年の関東大震災でもほぼ無傷でしたが、終戦直前の1945年5月、米軍機による空襲で駅舎が炎上し、ドーム屋根と3階部分を焼失しました。修復工事では、ドームに代えて八角形の屋根がかけられ、3階部分は再建されませんでした。

 戦後長く、修復後の姿で利用され続けたましたが、駅舎復元を求める住民運動もあって、JR東日本は1999年に復元を決定しました。駅舎は2003年に国の重要文化財に指定されました。

 今回の復元工事は、2007年5月に開始され、5年をかけた工事が完成し、10月1日に開業したばかりです。
            【2012年9月25日 読売新聞記事を参考にしました】

 《2年生のみなさんは、来年の修学旅行で見ることができますね!》

10.16 貴重な体験《校長室》

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 茨城県つくば市の教員研修センターで行われた「学校組織マネジメント指導者養成研修」に参加してきました。
 全国から集まった小中高の管理職・各県の教育センターや市町の教育委員会指導主事など、学校経営に携わる先生方150名の前で、ホームページを通した学校広報について発表させていただく機会をいただきました。
 私に課せられたのは、学校組織マネジメントの改善策の1つとして、学校からの情報発信の工夫をお話しすることです。私は研究者ではありませんので、日常的に行っている本校のホームページについてお話しし、実践を通して得たことや感じていることを素直に述べさせていただきました。
 「発信なければ受信なし」が基本的なスタンスであること、保護者や地域の方々が求める情報とは何か、アクセス数から読み取れることがら、無理や手間をかけずに更新を続けるシステムの工夫など、受講者の方々に本校のホームページをお見せしながら説明しました。また、参加者の学校のホームページを事前に閲覧し、その中から私が参考にしたい学校のホームページもスクリーンで紹介しました。
 研修会後、わざわざ私に声をかけていただいた方もみえました。参加されている方々の研修意欲の高さに、私も勉強になりました。そして、何よりも、このような場を与えていただき、改めてホームページについて考え直す機会をいただいたことに感謝したいと思います。
 片道たっぷり4時間以上かけての日帰り出張。大変疲れましたが、心地よい疲労感を感じながら帰宅しました。

10.15 中間テスト終了《校長室》

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 今日は、中間テストが行われました。
 1日5教科実施は、生徒にとっては厳しいかも知れません。高校入試が1日5教科実施であること、年間を通した授業時数の絶対的確保などを考慮し、本校では中間テストは1日・期末テストは2日の日程で実施しています。日ごろの学習を大切にし、テストに向けて計画的に学習を進めていけば決して無理なことではありません。
 午前中、午後とも、テスト中の各教室を巡回しました。生徒たちは、一生懸命に問題用紙に立ち向かっていました。テスト時間の終盤には、あちらこちらの教室で、何度も自分の書き上げた解答を見直し、ミスがないかを確かめている姿を見かけました。特に、3年生の生徒たちにとっては、進路選択に直接関わってくる定期テストですから、慎重の上にも慎重を期すのは当然のことです。
 今ごろは、どの生徒もほっと一息ついているところでしょう。しかし、明日には多くの教科が採点を終えて戻ってきます。点数に一喜一憂するのではなく、自分のしてきた学習がどれだけ効果的であったのか、逆に、効果がなかったのかを、じっくり考えてほしいものです。
 各教科担当の教師にとっても、採点はこれまでの自分の指導を振り返る機会です。生徒の理解の度合いに読み違えはないか、十分に理解させられなかった点はないか、設問の仕方は良かったかなど、大きな反省材料となります。
 明日からは、生徒も教師も反省の上に立った学習を展開しなければ、中間テストの意味が薄れてしまいます。お互いにがんばっていきましょう!

10.14 地域の一員《校長室》

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 本校を会場に「木曽川町連区市民体育祭」が行われました。
 地域の結びつきが薄れつつある社会が問題視されていますが、この体育祭に参加されている方々とは無縁の話。地域住民が一致協力して、地域の親睦を深めつつ、対抗戦に臨んでいます。
 そんな中に、20名の本校生徒が自らの意思でボランティアに名乗りをあげ、体育祭運営の一翼を担いながら、立派にその役目を果たしてくれました。9月の連区敬老会同様、その献身的な働きぶりは、地域の大人たちに認められ、地域の一員としての存在感を示してくれました。
 また、昼食休憩中に行われた「防犯・交通安全パレード」では、吹奏楽部がパトカーの後につき、パレードの先導役として演奏行進してくれました。「一豊まつり」同様、会場のみなさんに、木中ブラスバンドの生演奏をお聴かせすることができました。
 地域行事に中学生がいろいろな形で積極的に参加し、地域の一員として活動することは、今年度から制度化されたコミュニティ・スクールの考え方に合致し、今後も継続・発展させたい取り組みの一つです。地域の中に生徒が活躍する場があることは、大変意義深いものです。
 明日は中間テスト。そんな時期でありながら、自分の持てる力を地域の人たちのために使おうとしてくれた生徒たちに、大きな拍手を送ります。ありがとう!
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