本日の朝礼で校長による人権講話を以下の内容で行いました。

　どの学校でも毎年この時期になると人権に関する授業を実施します。これは、「世界人権宣言」が、１９４８年１２月１０日に国連で採択されたことを記念して、１２月１０日を「人権デー」と定め、すべての加盟国に、人権思想の啓発を行うように国連が要請しているからです。
　本校でも、毎年人権の授業を実施しています。皆さんはこれまでも、人権というと、いじめはダメ、差別はダメと学んできています。何度も聞いているから、そんなことは分かっているよという人たちが大半だと思います。しかし、いじめなどの人権に関わるトラブルは私たちの身近からなくなりません。そこで、昨年度も話しましたが、人権に関する根本的な考え方を話します。
　今合唱コンクールが近づき、皆さんは日々真剣に取り組んでいることだと思います。一方で真剣に取り組んでくれない子もいます。合唱に真剣にやるのかは、「俺の、私の勝手だろ」と思っている人はいると思います。つまり、自分がどうするのかは「自由だろう」と言いたいのですね。
　この「自由だろ」を考えていきます。人は生まれながらにしていろいろな権利を持っています。その中でも、「自由」であることは最も大切な権利の一つです。これは皆さんの誰もが、自分らしく自由に生きたいと思っていることからも分かります。しかし、全ての人が、人間は自由なのだからと言って、まさに自由に「自由権」を行使すれば、いろいろな問題が起きます。皆さんの周囲でも実際起きていることだと思います。そこで、今日紹介するのは「自由の相互承認」という考え方です。これは、簡単に言えば、自分の自由を守るためには、相手の自由も守らなければいけない。そのため、お互いが相手の考えを知り、お互いが折り合いをつけながら、相手の自由を守りつつ、自分の自由を守っていくことが大切だという考え方です。そのためには、自分の考えを言うだけでなく、相手が何を考えているかを知り、相手の考えていることに対して、自分の考えていることを伝えることが大切です。つまり、お互いがコミュニケーションを十分にとるなかで、お互いが納得できる方法や回答を見つけ出すことで、お互いの自由が守られるのです。
　生活の中で「自由の相互承認」という言葉の意味を考えながら生活してみてください。今までとは少し違った友人関係や社会の見方ができるようになります。

　本日の終業式では、２点生徒たちに話をしました。二つ目にいじめに関して次のような話をしました。

　最近の新聞記事で気になっているのは、中学生のいじめ自殺です。学校の先生の不手際が大々的に報道されています。亡くなった生徒を助けられなかったことは残念で、大変悲しいことです。しかし、一番いけないのは、亡くなった生徒をいじめていた生徒だと思います。これだけ、全国各地でいじめ自殺が報道されているにも関わらず、中学３年生が、同じ仲間を自殺に追い込んでしまいました。何度も言われていることですが、いじめは犯罪です。今後警察がどのような対応をするのかは分かりませんが、加害生徒やその保護者は責任を問われることになると思います。いじめ自殺だけでなく、若者の自殺が増えているとの報道があります。今日の新聞にもマンションから転落した中学生の記事がありました。自殺は本人が命をなくすだけでなく、周囲の人に大きな悲しみをもたらします。自分だけで悩みを抱え込まず、周囲のだれかに相談をしましょう。助けてほしいと弱音を吐きましょう。自分の命を大切に生きていきましょう。南部中学校には多くの大人がいます。誰かに弱音を伝えましょう。

　本日から４０日余りの夏休みが続きます。９月２日の始業式に、全員の元気な姿が見られることを願っています。気になる点がありましたら、学校に連絡をいただければと思います。

　1時間目に各学級で「ピア・サポート」に取り組みました。いくつかの事例について、個人や全体で考えながら、話し方で相手が感じる感情の違いを知ることができました。

　２年生の道徳の様子です。本日は「わたしのせいじゃない」という資料をもとに、いじめについて考えました。
　他校の先生や他学年の先生が参観されるなか、緊張しながらも積極的に意見を出す姿が多くみられました。