最新更新日:2024/04/19 | |
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ちょっといい話 6月28日(火)
泣ける話ちゃんねる
親父の金庫 3年前に親父が死んだんだけど、ほとんど遺産を整理し終えた後に親父が大事にしていた金庫があったんだよ、うちは3人兄弟なんだけどおふくろも死んじゃってて誰もその金庫の中身を知らなくてさ。とりあえず兄弟家族みんな呼んで、その金庫を開けることにしたんだけど、これがまた頑丈でなかなか開かないんだよ。仕方ないから鍵屋を呼んで開けてもらうことにしたんだけど、なかなか開かなくてさ。何となく俺たちは子どもの頃の話を始めたんだよ、親父は昔からすごい厳格で子どもの前で笑ったことも1度もなくて旅行なんてほんとに行かなかった。子育てもお袋に任せっきりでガキの頃はマジで親父に殺意を覚えたよ。んで、1番下の弟が、そういうわけだからしこたま溜め込んでるんじゃねえか?みたいなことを言い出して、その後に真中の弟も親父が夜中に金庫の前でニヤニヤしながらガサガサやってんのを見たとか言ったから、俺もかなり金庫の中身に期待を抱いちゃったんだ。んで、そのときに鍵屋がちょうど「カギ、開きましたよ」と言ったからワクワクしながら金庫の前に行き、長男の俺が金庫のドアを開けたんだ。 そしたら、まず中からでてきたのは、古びた100点満点のテストなんだ。それを見た一番下の弟が「これ、俺のだ!」と言って俺から取り上げたんだよ。次に出てきたのは、何かの表彰状、すると次は次男が”俺のだ”と言い出して……。その後にネクタイが出てきたんだ、見覚えがあるなあと思って気がついて叫んじゃった「あ、これ俺が初めての給料で親父に買ってやったネクタイだ」。その後に次々と昔の品物が出てきて、最後に黒い小箱が出てきたんだよ。その中には子どもの頃に家の前で家族全員で撮った古い写真が一枚出てきたんだ。それを見た俺の嫁さんが泣き出しちゃってさ、その後にみんなも何だか泣き出しちゃって、俺も最初は、何でこんなものが金庫の中にあるのかが分からなくて。何だよ、金目のものがねーじゃんとか思ってちょっとウツになってたんだけど、少したって中に入っていたものの意味が理解できたとき、その写真を持ちながら肩震わして泣いちゃったんだ。人前で初めて本気で号泣しちまったよ。このとき俺は、親父がどんなに俺たちのこと想っていてくれたかと、さっきまでの自分が金目当てで金庫を開けようとしたこと、子どもの頃に親父に反感を抱き、喧嘩ばっかりしたことが恥ずかしくて仕方がなかった 親父は金よりもほんとうに大事なものを俺たちに遺していってくれたと思っている。 |
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