みなさん、「人権週間」は知っていますか。12月4日から10日までの1週間は、世界的に人権週間といって、人権について考える期間と決められています。これは、68年前に国際連合で「世界人権宣言」が採択されたことから決められました。
「人権」とは何でしょうか。「人権」とは、人のもっている権利のことです。人は、生まれながらにしてだれもが、自由であり平等です。顔かたちや考え方などで差別することは絶対にしてはいけないということです。そして、誰もが人として、安心して安全に暮らすことができる権利です。毎日の生活の中で安心して暮らすためには、まずは自分の身の回りにいる人たちと安心して暮らすことです。周りの友だちを見ても、みんなが同じことを考えているわけではありません。生まれ育った生活環境が違います。好みも価値観も違います。そんな友達と安心して暮らすためには、お互いを認め合うところから始まります。
今回は、言葉使いについて考えます。『負けず嫌い』という言葉を知っていますか。自分は『負けず嫌い』だと思っている人もたくさんいるでしょう。負けたときには、何かのせいにして、負けを認めたくないところもあると思います。ところで、『勝ち好き』という言葉はどうでしょうか。負けるのが嫌いに対して、勝つことが好き。だから、負けたときには何かのせいにするのではなく、「負けてしまった。何が悪かったのだろう」と、勝つために、負けを認めて反省することができます。そして、負けを認めないのではなく、「あなたは、こんなに頑張った自分より強いなんてすごいな」と相手のことをたたえることができます。「おめでとう」と素直に言うこともできると思います。『負けず嫌い』が勝つと「ざまあみろ」と言ってしまいがちですが、『勝ち好き』が勝つと「本気で戦ってくれてありがとう」といえそうです。負けたときにも「本当にすごいな。おめでとう」と言えそうです。そうすると、勝った相手も「ざまあみろ」ではなく「ありがとう」と言えるかもしれません。気がついた人がいるかもしれませんが、言葉が『ちくちく言葉』から『ふわふわ言葉』なっています。
その他にも、日頃、知らず知らずに使っている「キモイ」「死ね」「近寄るな」という『ちくちく言葉』も、『負けず嫌い』から出ている言葉かもしれません。自分とは違う、周りの友達や、その場の状況を認めたくないがために、自分から遠ざけようとして使ってしまう言葉かもしれません。『勝ち好き』の考えから、自分とは違うことを認め、周囲の友達のよさを認めたり、自分の周りの環境が自分を成長させてくれると考えたりすることは、素直に「ありがとう」が言え、『ふわふわ言葉』になっていきます。周囲の人が心和む優しい言葉『ふわふわ言葉』を使うことから、自分の心も相手を思いやることができる優しい心になってきます。
日本の文化に『言霊』という考え方があります。自分が使った言葉には命が宿っており、使った言葉のように使った人の心も変わっていきます。『ちくちく言葉』を使えば、意地悪な人になっていきます。『ふわふわ言葉』を使えば、思いやりのある人になっていきます。これから、自分の使う言葉を振り返るようにしてください。
最後に、「ありがとう」を本気で誰かに言ったことがありますか。本気で言った「ありがとう」の言葉は、相手の心にも伝わっていきます。そして、本気の「ありがとう」が自分にもかえってきます。こうした繰り返しが、お互いに相手を認め合う、安心して暮らせる毎日につながってきます。みんなで『勝ち好き』になって、「ありがとう」があふれる毎日にしていきましょう。いじめのない、ますますみんなの笑顔が輝く、浅井北小学校を、これからも続けていきましょう。
※ 参考「子どもがやる気になる短い言葉がけ スクール・ペップトーク」 岩崎由純 著
地域の方より、嬉しい話を聞きました。それは、最近、子どもたちの方からあいさつをしてくれるようになってきたということです。先に挨拶をされると、心が温かくなると、嬉しそうに話していただきました。これからも、地域の皆様の心を温かくできる挨拶を続けていきたいです。