(本日の学校集会で、以下のようなお話をしました。)
(屋内運動場が工事中なので、運動場での集会でした。)
おはようございます。
今日は、運動場でお話ができるので、この運動場で見渡せるもののことについてお話ししようと思います。
それは、この運動場を囲んでずっと皆さんのことを見守ってくれている、3本の木のことです。
先生は、少し歴史を調べてみました。
まずは、皆さんの右斜め前にある「伝統のエノキ」です。看板にはこう書いてあります。「昭和30年まで、木造校舎がこのエノキのそばに建てられていましたが、校舎が改築され、エノキだけが運動場の中に残りました。」
確かに、この西成小学校の「百年のあゆみ」という本には、昭和30年ころまでそれがわかる写真が載っています。
また、いつからこの木があったのかと思い、その「百年のあゆみ」の中に載っている写真を調べると、もしかしたら明治時代からすでに植えられていたのではないかということが分かりました。そうであれば、この木はもう100歳を超えています。
そしてちょうど10年前に、運動場をグリーンサンドにしたときに、根っこのところを今のように丸く残したようです。しかし、根っこがもうそれ以上伸ばせなくなったことと、かなりのお年寄りになっているので、あまり元気がありません。なので、皆さん、エノキのことは大事に大事にいたわってやってくださいね。
次に、皆さん、回れ右をしてください。南門のすぐ左手にある、「千歳の松」を見ましょう。看板にはこう書いてあります。「昭和14年まで運動場の真中にあり、運動会では、この松を中心にして、その周りを走ったそうです。その後運動場を拡張したときにここへ移植されました。」
そこで「百年のあゆみ」を見ましたら、昭和12年に「大松を中心に運動会」という写真が載っていて確かに運動場の真ん中に立っていました。当時はこの松のことを「大松」と言っていたようです。
そして昭和16年には、今の位置にあることがわかる写真が載っています。
また、この「大松」はいつからあったのか、ということなのですが、これもはっきり分からないのですが、大正の初め頃の写真にそれらしい木が写っていたので、やはり、この木も100歳くらいなのでは、と思います。
この木もかなりお年寄りで、しかも植え替えをされているので、あまり丈夫ではありません。でも、毎年1年生は、この「千歳の松」から松ぼっくりをいただいていますね。なので、この先の1年生のためにも「千歳の松」を大事にしていってください。
最後に右手にある「ふるさとのイチョウ」です。看板にはこう書いてあります。「明治42年の卒業記念です。イチョウの木はオスとメスがあり、この木はメスです。だから黄色い丸い実がなります。実はギンナンといって食用にします。」
百歳超えたおばあちゃんです!でも今もしっかり実をつけてくれます。お元気な証拠なんですね。
なので、皆さん、秋には臭いからといってこのイチョウのことを嫌わないでくださいね。「また今年も頑張って実をつけてくださったね。長生きしてね、おばあちゃん。」と思ってください。
はい、ではまた回れ右をして指令台の方に向いてください。
以上のことからすると、この3本の木は、どれもおそらく100年前からこの西成小学校の子どもたちを見守ってきてくださっています。そしてこれからもずっとずっと、見守っていってくださることでしょう。いつか、皆さんがこのふるさとを離れることがあり、久しぶりに帰ることがあれば、きっとこの木が真っ先に優しく迎えてくれることでしょうね。
今日のお話はこれで終わりです。