8月6日（日）広島に人類史初めての核兵器 あれから７２年。
核兵器の使用について、加害者も被害者も、あの暑い夏の日本しかありません。8月9日には、長崎に原爆投下。
●この人類の罪を背負いながら、戦争のない国際社会を構築していく使命感が日本人にはあるように思います。
昨年も紹介しましたが、私の故郷、新潟県長岡市は、太平洋戦争の連合艦隊司令長官の山本五十六（いそろく）のふるさとでもあったため、原爆投下候補地でした。アメリカ軍は、長崎型原爆の投下練習で、長岡に一つ普通爆弾をつめて投下。目標は工場でしたが、当時は目視投下のため、誤って、畑に投下しました。たまたま早朝、芋掘りに来ていた家族６名が即死。慰霊碑も後に建てられますが、ひとつの原爆被害者と言えます。
●飛鳥中学校は、今年、創立７０周年を迎えました。ほぼ戦争終結からの歴史を背負っています。
８月は、やはり人類の平和や戦争の悲劇を認識し、学ぶ時と考えます。
テレビでも多様な特集がありますので意識して欲しいと思います。
●８月７日（月）から、大岡昇平の野火について、NHKＥテレビ、100分で名著で紹介されます。全４回。野火を読んだのは中学校時代。事実か？フィクション？か、戦争で追い込まれた人間は果たして人間として生きられるのか、強力なインパクトを覚えています。そして、あまりに恐ろしい内容もあり、戸惑うのですが、中学生ならもう読めるかと思います。まずは、テレビ解説から入ってもよいと思います。作家大岡昇平は、赤と黒で有名なフランスのスタンダールの研究家、翻訳者でもあり、知性派と言われま須賀、他に、俘虜記（ふりょき）など、戦争体験者でないと決して描けない小説を発表しています。
時間があれば、チャレンジしてみてください。野火は、2回ほど映画化もされています。古いところでは市川崑監督作品、新しい塚本晋也監督の作品も上映されています。
（東京都北区立飛鳥中学校長 鈴木明雄）