本日の全校朝礼では、下記の表彰も行いました。(敬称略)
【 バレーボール部 】 北区夏季大会
優秀選手賞 = 亀田菜々子 ベストプレーヤー賞 = 大関美月
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来年のリオデジャネイロ五輪で金メダルの期待がかかる日本の水泳選手に、萩野公介選手がいます。 一昨日、その萩野選手が右肘を骨折し、目前に迫った世界選手権を欠場するとのニュースが飛び込んできました。
骨折の理由は、合宿先のフランスで、宿舎から練習場に自転車で向かう途中、車道から歩道に上がろうとして転倒したからでした。 日本競泳界のエースが、今回のケガで大きな夢に挫折しないよう祈るばかりです。
日頃から体を鍛えているトップアスリートでさえ、そうした大ケガを負ってしまうのが自転車事故です。 自転車は大変便利で身近な乗り物ですが、法律上は 「 軽車両 」 に分類されていることを忘れてはいけません。
つまり、自転車に運転免許は不要ですが、交通規則は自動車と同じように定められているのです。 例えば、道路でよく見かける進入禁止や一方通行、一時停止といった交通標識は、自転車も守らなければなりません。
それは、自転車が自動車と同様、万が一事故を起こしたとき、自分はもとより他人を傷つける危険性の高い乗り物だからです。 幸い萩野選手の場合は、自分の責任で自分がケガをするという 「 自損事故 」 で済みました。
しかし、他者との接触によって相手にケガをさせてしまった場合、道路交通法違反や重過失障害といった罪に問われます。 万が一相手の命を奪ってしまうと、重過失致死罪で訴えられることもあります。
それだけではありません。 自転車による人身事故は、被害者の一生を台無しにするだけでなく、加害者にも一生かけて償わなければならない重い十字架を背負わせることになるのです。 一例を挙げてみましょう。
(1) 歩行中の67歳女性が、小学5年生の乗るマウンテンバイクに跳ねられ、頭蓋骨骨折の重傷を負い、その後寝たきりとなる。 裁判所は、小学5年生の児童の保護者に対し、9,520万円の賠償命令を出す。
(2) 男子中学生が夜間、無灯火のまま自転車を運転中、電信柱をよけて車道に出た75歳女性に正面衝突。 女性には頭部外傷により運動機能麻痺などの障害が残ったため、中学生は3,124万円の賠償を命じられる。
(3) 男子高校生が自転車で赤信号の交差点に進入し、オートバイを運転していた62歳の男性と衝突。 男性は頭蓋内損傷で13日後に死亡。 裁判所が高校生に命じた賠償額は、4,043万円 … 。
さる6月1日、道路交通法という法律が改正されました。 そのポイントの一つが、信号無視や二人乗り、無灯火、スピードの出し過ぎ、飲酒運転など、自転車の危険運転の取り締まりと罰則を強化した点です。
しかし、交通ルールは 「 罰則があるから守る 」 のではなく、「 自分と他者の安全のために守る 」 ものです。 そのルールについて今ここで細かなことを言っても、きっと皆さんは体育館を出た瞬間に忘れてしまうでしょう。
ですから、それらは 「 稲付中10ヶ条 」 としてまとめ、この後教室で担任の先生にご指導いただくことになっています。 私はここで、それらを包括した一言を言っておくので、それだけは絶対に忘れないでください。
【 自転車は、運転者の乗り方一つで、自分の人生も、他人の人生も台無しにする凶器になる。】 どうかこの一言だけは、自転車のロックを解錠するたび、自転車のサドルに跨るたびに、必ず思い出してください。