本日は、本校の第69回入学式に際しまして、ご多用中にもかかわらず多数のご来賓の皆様にご臨席を賜りました。 新入生と教職員を代表して、心より御礼申し上げます。
また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご入学誠におめでとうございます。 私たち教職員一同は、保護者や地域の皆様のご支援をいただきながら、お預かりしたお子様の指導に全力であたっていく所存です。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
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さて、新入生の皆さん、稲付中学校への入学おめでとうございます。
今日皆さんが入学した稲付中学校には、先生や生徒はもちろん、保護者 ・ 地域の皆さんが共有している、一つの夢があります。 それは、「 稲付中学校を、東京で一番の学校にする 」 という夢です。
皆さんにも、中学校生活で実現したいそれぞれの夢があると思います。 「 勉強を頑張って良い成績を取る 」 「 部活動に入って活躍する 」 「 新しい習い事や趣味に挑戦する 」 … 。 それらの夢は、ぜひ叶えてください。
ただ、それとは別に、学校に関わるすべての人が力を合わせて叶える夢 … 「 稲付中を、東京で一番の学校にする 」 という夢実現のためにも、皆さんの力を貸してほしいのです。 では、具体的にどうすればよいのでしょうか?
すべての授業を真剣に受ける、集団生活の決まり事をきちんと守る、係や当番など自分に与えられた役割をしっかり果たす … 。 そんな 「 当たり前のことを、当たり前にやる 」 という姿勢を、一人ひとりが身に付ければよいのです。
ただし、実はそれが、意外に難しい。
先に述べたことは、いずれも 「 当たり前のこと 」 ですが、同時に 「 毎日繰り返されること 」 でもあります。 そして、それが何であれ毎日続けるとなると、つい怠けたり誘惑に負けたりして、失敗してしまうこともあるでしょう。
したがって、「 当たり前のことを、当たり前にやり続ける 」 ためには、怠け心や誘惑に打ち勝つ強さ、正しいと信じたことを最後まで貫く強さ、そして、たとえ失敗したとしても、再びやり直す強さをもたなければならないのです。
今日、そんな強さをもってもらう助けになればと、一つのメッセージを用意してきました。 私は毎日必ず新聞を読み、紙面に目を通す順番も決まっています。 ただし、例年 「 成人の日 」 と4月1日だけは、順番が違います。
その日は、サントリーという洋酒メーカーの新聞広告を探し、そこから読み始めるためです。 広告には、「 成人の日 」 には新成人に、4月1日には新社会人に向けた、伊集院 静さんという作家の激励の言葉が掲載されています。
さる4月1日に掲載されたその新聞広告と、それを皆さんに合うようアレンジした私からのメッセージを、両面印刷しておきました。 先ほど教室で担任の先生から配られたプリントを、ポケットから出して一緒に読んでみましょう。
保護者 ・ ご来賓の皆様には、お手元の配付資料の中に入っておりますので、よろしければご覧ください。
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【 挑め。 失敗しても起き上がり、また挑め。】
新中学生おめでとう。 今日、君は稲付中の一員となった。 今日から取り組むすべての勉強と活動、そこが君の出発点だ。 すぐに目を瞠(みは)るような結果は出なくていい。 本物の勉強 ・ 活動は、そんな簡単なものではない。
すぐに役立つ勉強や活動は、すぐに役立たなくなる。 それでも今、君たちに先生や上級生たちは大いなる期待をしている。 どうしてだかわかるか。 それは新しい人でなければ、新しい道はひらけないんだ。
そのことは私たちの歩んできた道を振り返ればわかる。 百の新しい道には、百の歩み方があった。 しかし、共通していた点がひとつある。 新しい人が、毅然と、困難なものへ挑んだことだ。
何度も失敗を繰り返したんだ。 でも、あきらめなかった。 挑め。 失敗しても起き上がり、また挑め。 失敗をおそれるな。 笑われても、謗(そし)られても、挑め。 困難に立ち向かう人間の生き方の中には真理がある。
己のためだけに生きるな。 本当の勉強や活動とは、いつか人の役立つものになるのだ。 それが、勉強と活動の品格だ。 生きる品格だ。
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ともに 「 東京で一番 」 を目指す新しい仲間を迎えるにあたり、私はあえて 「 祝福 」 の気持ち以上に、「 激励 」 と 「 期待 」 の気持ちを強く込めて、式辞を述べました。 だから、この言葉だけは、3年間忘れないでいてください。
【 挑め。 失敗しても起き上がり、また挑め。】
【 失敗をおそれるな。 笑われても、謗られても、挑め。】
平成27年4月7日 北区立稲付中学校長 武田幸雄