本日は、平成27年度第1学期の始業式が行われました ( 写真・上 )。
式の中では 『 新年度の決意 』 を、徳田かなめさん ( 2年生 ) ・ 斎藤 碧さん ( 3年生 ) ・ 鈴木海都くん ( 5組 ) が発表しました ( 写真・下 )。 いずれも、この1年間への意気込みが強く伝わってくる内容でした。
また、始業式に先立って、今年度転入された教職員の皆さんの着任式も行いました。 同時に、転出された方々の紹介もしましたが、異動に関する詳細については、1日(水)の記事をご覧ください。
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平成27年度が始まりました。
私がこうして皆さんにお話をする機会は、1年間に何回もありますが、例年、決まって同じ話をする節目の日もあります。 1年生が入学する前、つまり、1学期の始業式も、そんな節目の日の一つです。
3年生の皆さんは覚えているかもしれませんが、ちょうど1年前の今日、私は新2・3年生にある言葉を紹介しました。 それは、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディーという人の残した言葉です。
ケネディー大統領は、1963年、暗殺により46歳という若さでこの世を去りました。 そのため、大統領を務めた期間は3年足らずですが、歴代大統領の中でも偉大な大統領として常に名前の挙がる人です。
そのケネディー大統領は大統領になったとき、後に 「 Active Citizen 」( 能動的な市民 ) と題されるようになった就任演説の中で、次のように国民に訴えかけました。
Ask not what your country can do for you , ask what you can do for your country .
日本語に訳せば、【 国家があなたに何をしてくれるのか尋ねてはいけません。 あなた自身が国家のために何ができるのかを、問わなければならないのです。】 といった意味になります。
すべての人間は、他者との繋がりの中で生きています。 社会や集団、組織の中で、周囲の影響を受けたり、誰かに支えてもらったり、逆に周囲に影響を与えたり、誰かを支えたりしながら生きているのです。
したがって、自分が幸福に暮らしたい、快適な生活を送りたいと願うのであれば、周囲の人々の幸福や、社会全体の快適な暮らしについても考える必要があります。
学校も、小さな社会であり、組織、集団であります。
先のケネディー大統領の演説に出てきた 「 国家 」 という言葉を 「 学校 」 に置き換え、さらに少しアレンジすると、こんなふうに言えると思います。
【 2年生・3年生へと進級した今、これからは、学校があなたに何をしてくれるか期待するだけではいけません。 あなた自身が学校のために何ができるかを考え、それを行動に移さなければならないのです。】
言いたいことは、わかりますね。
先生や上級生、友達が、自分のために何かしてくれるのを待っているだけではいけない、ということです。 「 稲付中を 『 東京で一番の学校 』 にするために、自分にできることは何か 」 を考え、それを実行してください。
大切なことは、皆さん一人ひとりが受け身ではなく、active = 能動的、つまり、自ら進んで周囲に働きかけられるようになることなのです。
こうした話は中学校に入ったばかり、つい数日前まで小学生だった1年生にはできません。 だからこそ私は、ケネディー大統領の演説 「 Active Citizen 」 を、2・3年生しかいない1学期の始業式で紹介しているのです。
教室に落ちているゴミを拾う。 誰に対しても元気な挨拶を心がける。 はがれかかった掲示物を直す。 委員会や係の仕事に全力を注ぐ。 率先して集団生活の決まり事を守る …。
まずは小さなこと、ささやかなことでかまわないので、周囲への心配り、思いやり、奉仕の精神を持ち、具体的な行動に移してください。 やがてその積み重ねが、学校全体の質の向上や、快適な集団生活につながっていくでしょう。
この1年間、稲付中を 「 東京で一番の学校 」 にするために、皆さん一人ひとりが Active Student ( 能動的な生徒 ) であってくれることを望みます。 今日からの1年間、ともに頑張りましょう。