本日5時間目、今年度の修了式が行われました。
式では、各学年の代表者に修了証を授与したほか、生徒会役員の櫛田さんが生徒を代表して今年度の反省を述べたり ( 写真・中 )、全校生徒 ( といっても、1・2年生だけですが ) で校歌を合唱したりしました。
また、修了式後には、下記の表彰も行いました。(敬称略)
【 バドミントン部 】 北区ダブルス選手権大会 ・ 第3部
女子の部 優勝 = 齋藤碧&佐藤真子 準優勝 = 小川巴菜&田村菜津美
男子の部 準優勝 = 本間優作&秋野主揮
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先日行われた卒業式では、1・2年生の皆さんの協力もあって、3年生は気持ちよく稲付中を巣立っていきました。 3年生に代わってお礼を言います。 どうもありがとう。
さて、その卒業式や三送会の場で、3年生も1・2年生の皆さんも、何回か 「 稲付中の伝統 」 という言葉を使っていました。 では、改めて考えてください。 【 伝統 】 とは、一体何なのでしょうか。
一般的には、ある集団の中で、長い間規範的なものとして受け継がれている考え方や習慣、技術、しきたりなどのことを 【 伝統 】 といいます。
ただし、私は今ここで、稲付中の 【 伝統 】 が何であるのかを語るつもりはありません。 間もなく新年度を迎えるにあたり、「 『 伝統を守る 』 とは、どういうことか 」 を、皆さんとともに確認しておきたいのです。
そのために、【 伝統 】 と似て非なる言葉を2つ紹介しましょう。 それは、【 慣例慣行 】 と 【 前例踏襲 】 という言葉です。
【 慣例慣行 】 には 「 古くから受け継がれていて、きまりのようになっていること 」、【 前例踏襲 】 には 「 前々からやっていることに倣(なら)って、そのまま受け継ぐこと 」 といった意味があります。
何かを受け継ぐという点において、【 伝統 】 も 【 慣例慣行 】 【 前例踏襲 】 も変わりません。 しかし、両者には決定的な違いがあります。 それは、私たちが、どういう姿勢でそれを受け継ぐのかという違いです。
つまり、【 伝統 】 には、そうする価値があるから受け継ぐという積極性があるのに対し、【 慣例慣行 】 【 前例踏襲 】 は、単に今までがそうだったから … という、きわめて消極的な理由で受け継がれている感があります。
何でもかんでも続いているものを無条件に継承することと、「 伝統を守る 」 こととは違うのです。
真に受け継ぐべきものだけを残し、非効率的なもの、時代にそぐわなくなったもの、そして、継承してはいけないもの、つまり 「 悪しき伝統 」 を切り捨てていくことも、実は 「 伝統を守る 」 うえで大切なことなのです。
そういった意味で、「 伝統を守る 」 ためには、変化や変革も必要であるということを、皆さんも知っておいてください。
NHKサイエンス番組のタイトルにもなっているイギリスの生物学者に、ダーウィンという人がいます。 生物進化論を唱え、ガラパゴス諸島に生息するイグアナの研究でも知られるダーウィンの次の言葉を、紹介しておきます。
【 最も強い者や、最も賢い者が生き残れるのではない。 唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。】
地球の歴史上最強の生物である恐竜は、気候の変化に対応できずに滅びました。 霊長を自負する人類も、自ら招いた環境悪化への対応を誤れば、恐竜と同じ運命をたどるでしょう。
変化・変革を遂げるためには、価値ある 【 伝統 】 を受け継ぎながらも、意味のない 【 慣例慣行 】 【 前例踏襲 】 を打ち破る勇気が必要となります。 また、変化を恐れる人たちの批判に耐える覚悟も求められます。
皆さんにはその勇気と覚悟をもって、これからも価値ある 【 伝統 】 は守りつつ、新しい稲付中を築いていってほしいと思います。