8月31日(日) 校長雑感 『 夏(休み)の終わりに … 』その寂寥感の正体は、いったい何なのでしょう。 それは、もしかしたら日本人特有の季節感と関係しているのではないかと思います。 冬休みは、始まってから終わるまで季節は冬。 同様に春休みは、始まりも終わりも春です。 それに対して夏休みの終わりは、季節が夏から秋へと変わることも予感させます。 私たちは夏休みの終わりに、夏という情熱の季節が去り、秋という黄昏 ( たそがれ ) の季節が訪れたことをも重ねてしまうのかもしれません。 そんな心の機微をよく表した詩に、高田敏子さんの 『 忘れもの 』 という詩があります。 夏の終わりを感じさせるような涼しさの中、セミの声もどことなく元気がないように聞こえた一昨日、校庭で撮った写真とともに紹介します。 ★ ★ ★ ★ ★ 忘れもの 高田敏子 入道雲にのって 夏休みは いってしまった 「 さよなら 」 のかわりに 素晴らしい夕立をふりまいて けさ 空はまっさお 木々の葉の一枚一枚が あたらしい光とあいさつをかわしている だがキミ! 夏休みよ もう一度 もどってこないかな 忘れものをとりにさ 迷い子のセミ さびしそうな麦わら帽子 それから ぼくの耳に くっついて離れない波の音 |
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