本日は3年生にとって、義務教育9年間最後であり、集大成の素晴らしい卒業式でした。
どんなときも、元気に爽やかな挨拶をしてくれた3年生、進路という大きな岐路に立ち、めげずに自分に挑戦し続けていた3年生。
私たちはこれまでの皆さんの功績を伝統として受け継ぎ、稲付中学校をさらに発展させていきます。皆さんの新しい進路にエールを送ります。いつまでも応援しています!
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日ごとに春の足音が近づいてくる今日のこの佳き日に、北区教育委員会教育委員、名島 啓太様ならびに、関係地域を始め、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、まことにありがとうございます。ご来賓をお招きしての卒業式は、4年振りとなります。卒業生、教職員一同心より御礼申し上げます。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、本校の第75回目の卒業生です。先ほど、皆さん一人一人に卒業証書をお渡ししましたが、修学旅行や運動会、面接練習等で、皆さんと話をするごとに、稲付中学校の最高学年としての自覚と誇りをもって、着実に成長する卒業生の皆さんに、改めて感謝と敬意の思いを抱きました。面接練習では、厳しいことも申し上げましたか、見事に乗り越え、次のステップへの第一歩を踏み出すことができました。
皆さんは、本日をもって、中学校3年間の全過程を修了いたしました。これは、小学校と合わせて、9年間の義務教育課程を終え、社会に出るための基礎的知識を身に付け、責任ある大人になるための出発点にたった証明でもあります。
この3年間、皆さんを支えてくださったご両親、保護者の方をはじめ、陰で皆さんを支えてくださったすべての方々に感謝の心をもってください。
4月から皆さんは、それぞれが別々の道に進みます。そして、自分の責任で行動することも多くなってきます。昨年、WBCや大リーグでの活躍、そして、高額年俸でドシャースへ移籍した大谷翔平選手は、高校生の時の「人生の目標シート」に、「人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくるんだ。」と書いていたそうです。皆さんは、これからどのような大人になっていくのでしょうか。皆さんには、限りない可能性があります。ぜひ、これからの日本を、そして世界の発展に貢献出来得る人になってほしい、と心から願っています。
卒業は、「別れ」でありますが、次への「出発」でもあります。東井義男(とういよしお)さんという方の「夢と人生」に関する文章に次のような言葉が書いてあります。
若者は夢をもて。
夢を実現するための計画を立てよ。
計画に従って努力せよ。
努力は必ず成果をもたらす。
成果のあるところに感動がある。
その感動の先に次の夢が生まれる。
人生は夢と感動の連続である。
ニュースなどをみていてもわかる通り、若者が夢をもちにくい時代だと言われています。また、1月の能登半島沖地震では、改めて、災害に対する備えと、今ある学習環境への感謝の思いを強くもちました。また、世界に目を向けると、ウクライナやパレスチナを巡る問題は、収束が見えず、教育を満足に受けられない子供も大勢います。
そうした中、昨年、コロナ対策が緩和され、日本を訪れた外国人観光客は、2500万人を超えました。先日、ある企業の方から聞いた話では、世界人口は2050年には97億人になり、その中の25億人の方がアフリカ人になるとのことです。皆さんが中堅になる頃には、アフリカで働いている人も多くなるとも言われています。また、インターネットやSNSの発達により、情報が簡単に手に入る時代です。そうした国際化・情報化の中で、情報を正しく取捨選択し、生かしていく能力が求められています。人間は弱い生き物で、どうしても安易な方向に流されやすい傾向があります。けれども、皆さんとの面接練習で将来について質問をしたとき、多くの生徒たちが、「将来は人の役に立つ仕事をしたい」と答えてくれました。さらに、多くの生徒たちが、戦争に対する思いを語ってくれました。今は、何もできなくても、人の役に立つ、世界に目を向ける生徒が多かったことも嬉しい限りです。世界の情勢は混沌としており、先が見えない時代です。けれども、そうした世の中で懸命に生きている人がいます。誠実に努力をしている人がいます。これからは、そういう人たちから多くのことを学び、泥臭くてもいいので、いつも自分と正面から向き合って歩める人になってください。そして、日本をそして世界を支えられる人になってください。
結びになりますが、保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。中学校時代は多感で難しい時期でもあり、ご苦労されたことも多かったと思います。お子様が生きるこれからの時代は、変化の激しい、混沌とした時代になることは間違いありません。しかし、どんな困難な時であっても、お子様たちは、本校で学んだことを基礎として、これからの人生を力強く生き抜いてくれるものと信じております。この3年間、PTA活動や地域活動を通して、本校の教育にお寄せくださいましたご協力・ご理解・ご支援に心から感謝を申し上げます。今後とも、地域で卒業生の成長を見守っていただきたくお願い申し上げます。
本日の卒業式が、皆さんの輝かしい未来への第一歩となることを祈念し、本日の式辞といたします。
令和6年3月19日
北区立稲付中学校 校長 石川 俊一郎