校長式辞の様子
3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
今年の卒業式は、参列者も少なく、限られた条件の中での実施となり、寂しさを隠せません。
しかし、その分、君たち卒業生だけと、真に向き合うことができる時間となりました。
時間を短縮して行われますが、君たちへの思いを精一杯込めたものにしたいと、先生方全員で準備をしてきました。
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今、一人ひとりに卒業証書を渡しながら、稲付中学校の3年間で大きく成長したことを実感しています。
少し大きめの制服に身を包み、緊張した面持ちで正門をくぐったことも、はるか遠い日の思い出ではないでしょうか。
いつの間にか、心身ともに立派に成長しましたね。
今だから話せますが、・・・( アドリブのため、省略 )
この3年間、全校朝礼や行事などの機会を通して、私なりにさまざまなメッセージを伝えてきたつもりです。私の拙い話にいつも耳を傾け、真剣なまなざしで聞いてくれた3年生に感謝しています。
わたしから卒業生のみなさんへ送るメッセージは、今日が最後となりました。
君たちが、最上級生となった年、稲付中学校は、新校舎落成の時を迎えました。そして、この1年間、「主体性・主体的」とは何かを考え、学校生活を送るようお願いしてきました。
それを考えるきっかけとして「ブックラウンジ」の使い方や「ノーチャイム」を導入し取り組んできました。
また、修学旅行では「 つながる旅 つながる心 」 〜一人ひとりが主体的に行動して〜 と言うスローガンの下、奈良・京都の分泊という、新たな試みにも挑戦しました。
そして、君たちの教室には、学級委員が作成した「主体的」「主体性」とは、何かを伝えるメッセージが掲示されていました。
「主体的・主体性」とは、受け身では成り立ちません。いかに自ら考え、判断し、行動するかが問われます。君たちは、その基礎となる力を身に付けてきました。
義務教育を修了するにあたり、君たちに伝えたい最後のメッセージは、「自らの決断に勇気を持つ」ということです。
これからの世の中は、地球規模で考えるグローバル化がさらに進んでいきます。その時に必要な力とは、「自分の考えを持つ」ことです。
困難な課題に直面した時、これが絶対正しいというものはありません。解決に向け、その方法の良いところは何かを、問題点は何かを十分に踏まえたうえで、自分なりの意見をしっかり持ち、決断していかなければならないと言うことです。
あなたたちの未来は誰かが与えてくれるものではありません。自分自身で切り開いていくものです。
これからは、誰かのせいとか、誰かに強制されるからではなく、自らが主体となり、自らの意志で高校生活を、そして、まだ見ぬあなたたちの未来を有意義なものにしてください。
稲付中学校にとって、大きな節目となる創立70周年、記念すべき新校舎落成の時に、君たちと共に過ごせたことを、君たちがいてくれたことを、とてもうれしく、誇りに思っています。
みなさんも、稲付中学校で学んだすべてのことを、この素敵な仲間たちと出会い、過ごした日々を、そして、今日の「卒業証書授与式」を決して忘れないでください。
稲付中学校を離れ、進む道は、それぞれ違いますが、自分の選んだ道で全力を尽くし、力強く歩んでくれることを願っています。
この1年間、そして、3年間本当にありがとう。感謝の気持ちを込めて、さようなら。
令和2年3月19日
東京都北区立稲付中学校長 高田 勝喜