本日、第71回 入学式を挙行いたしました。
写真:上は、新入生代表による「 誓いの言葉 」の様子です。力強いたいへん立派な誓いの言葉でした。
ほとんど原稿を見ることなく、私と視線を合わせて述べていました。今日のためにたくさん練習をしてきたことと思います。初心を忘れることなく、3年間頑張りましょう。
写真:中・下は、3年生が指揮をする「 校歌斉唱 」 の様子です。
1年生も稲付中学校の校歌を早く覚えて、元気よく歌えるようにしましょう。
在校生全員参加での入学式を実施し、ご来賓・保護者の皆さまには、狭い会場にご不便をおかけしました。
しかしながら、教職員・在校生一同、新入生の入学を心待ちにし、歓迎する気持ちで式に臨んだことをご理解いただければ幸いです。
※校長式辞は、「校長式辞・ここをクリック」でご覧いただけます。
校長:高田勝喜
校長式辞 ・ ここをクリック
桜の花も満開となり、今日の皆さんの入学を祝福しているようです。
創立70周年の歴史と伝統がある、この稲付中学校に、希望に満ち溢れた新入生を迎えることができ、大変うれしく思います。
本日、入学式を挙行するにあたり、公私ともにご多用の中、本校PTA会長 渡部 剛 様をはじめ、多数のご来賓の皆様にご臨席を賜りましたこと、高いところからではございますが、学校を代表して心より御礼申し上げます。
さて、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ただ今、担任の先生から呼名をしていただきましたが、私は、この壇上から110名の新入生一人ひとりの顔を見ていました。みなさんのとても元気で、気持ちの良い返事、そして、明るく輝いている姿に、中学生になり頑張ろうという意気込みを強く感じました。
新入生の皆さんは、今、期待と不安が入り交った複雑な気持ちでいることと思います。
今日から、いよいよ新たな中学校生活が始まります。今日の喜び、そして、中学生としての抱負や決意など、初心を忘れることなく、3年間を過ごしてください。そして、様々な活動を通して、たくさんの充実感や達成感を味わってくれることを願っています。
皆さんがこれから過ごす中学校の3年間は、人生において重要な時期になります。なぜなら、これからの3年間は、心と体が飛躍的に成長するときであり、多くのことを学び、吸収できる時期だからです。
そこで、入学にあたり、皆さんに「人は学ぶ生き物である。」というお話をします。
私たち人間の学名は「ホモ・サピエンス」と言います。「ホモ・サピエンス」とは、「知恵ある人」と言う意味です。生物学の分類上、人類は、霊長類の中の類人猿の一族にすぎません。
チンパンジーは、人間に最も近い動物であり、遺伝子レベルでの違いは、わずか2%とも言われています。
しかし、私たち人間とチンパンジーとの生活には、大きな違いが生まれました。
遺伝子レベルでは、わずかな違いなのに、このような大きな差が生じたのは、なぜなのでしょうか。
それは、人が、「学ぶ力」を獲得し、並外れた「好奇心」を持ったからです。
アフリカで生まれた人類は、目の前に高くそびえる山の向こうや果てしなく広がる海の先には何があるのかと好奇心を持ち続け、世界中に住む場所を広げていきました。
また、仲間とコミュニケーションをとるため、言語を獲得し、文字の発明を通して、さらに生活を豊かなものとしてきました。寒さに震えれば、雨風をしのぐ家を建て、暖かな衣服も発明しました。
より快適に、より便利に、そして、不思議なことはなぜかと考え、学び続け、文明を築いてきたのです。
私たち人間は、「知恵を持ち、学ぶ生き物」です。
中学校は、小学校で身につけた学びを基礎に、学問と言う世界の扉を開き、これまでの経験や知識を整理し、さらに発展させていく学びを始めるところです。
学ぶことは決して楽しいことばかりではありません。つらいことや苦しいこともあるでしょう。時には、我慢することも必要です。
これからの世の中は、知識を身に付けることはもちろん、その上で、経験や知識を活用し、適切に処理する能力が求められます。
私たちが本来持っている「学ぶ力」「好奇心」と言う「ホモ・サピエンス」特有の力を最大限に生かし、各教科の学習を通して、十分な知識を身に付けてください。
そして、仲間とともに一つの目標に向かって切磋琢磨し、他者と共に生きる社会性、豊かに生きる知恵をたくさん手に入れてください。
改めまして、保護者の皆様方、お子様のご入学おめでとうございます。本日、皆様にとってかけがえのない大切なお子様を、確かに稲付中学校でお預かりいたしました。
稲付中学校に入学して、良かったと思われるよう、私たち教職員一丸となり、全力を挙げてお子様の教育に携わって参ります。
中学生の時期は、個人差はあるものの心も体も大きく成長します。小学校6年間の成長と同じくらいと言っても過言ではありません。
お子様の健やかな成長には、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たし、同じ方向を目指し、協力していくことが何より大切です。中でも、中学生としての望ましい学習習慣や生活習慣を身につけるためには、家庭の教育力とご指導が欠かせません。
対人関係のスキルの習得や進路選択の準備など、この時期特有の発達課題も生徒自身が解決しなければなりません。そのためにも、家庭と学校の関わりを深め、相互で、お子様の教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
お子様の様子で気にかかることなどがございましたら、遠慮せずに学校にご相談ください。私たちからも保護者の皆様方にご連絡を差し上げることもあるかと存じます。その節は、ご協力、ご理解くださいますようお願いいたします。
結びにあたり、本日ご臨席賜りましたご来賓の皆様には、今後とも子どもたちの健全育成に向け、ご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
平成29年4月7日
北区立稲付中学校長 高田 勝喜